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一方、悠哉と一緒に歩いていた久志も、今し方すれ違った山崎桂の方を振り返っていた。
「ちなみに今の人が、バスケ部の坂井さん。山崎さんの幼なじみで……本命、らしい」
「本命?」
「実際のところどうなのか、はっきり知ってる奴はいないんだけど。あの二人、仲いいし。……そういうこと、らしい」
「へえ……」
悠哉は何となく、後ろを振り返る。ちょうど、桂が修史に軽く頭を小突かれているシーンだった。じゃれ合うような仕草に、悠哉は成程な、と納得する。
遠目でも分かる、信頼しきった空気。特別な人のための、特別な笑顔。
じゃあ、瀧川はあの二人に、横恋慕していることになるのだろうか。望みなんて、ないのに?
そういう感情は、悠哉にとって、理解しがたいものだった。望みなんてなくても……相手に思われなくても、それでも大事に思えるものだろうか。思い続けられるもの、だろうか。
……何の見返りもなくても、たとえば命さえ投げ出してしまえる。きっと自分は、そんなふうに人を好きになることはできない。なぜか虚しいような気持ちで、悠哉はそう思った。
「ちなみに今の人が、バスケ部の坂井さん。山崎さんの幼なじみで……本命、らしい」
「本命?」
「実際のところどうなのか、はっきり知ってる奴はいないんだけど。あの二人、仲いいし。……そういうこと、らしい」
「へえ……」
悠哉は何となく、後ろを振り返る。ちょうど、桂が修史に軽く頭を小突かれているシーンだった。じゃれ合うような仕草に、悠哉は成程な、と納得する。
遠目でも分かる、信頼しきった空気。特別な人のための、特別な笑顔。
じゃあ、瀧川はあの二人に、横恋慕していることになるのだろうか。望みなんて、ないのに?
そういう感情は、悠哉にとって、理解しがたいものだった。望みなんてなくても……相手に思われなくても、それでも大事に思えるものだろうか。思い続けられるもの、だろうか。
……何の見返りもなくても、たとえば命さえ投げ出してしまえる。きっと自分は、そんなふうに人を好きになることはできない。なぜか虚しいような気持ちで、悠哉はそう思った。
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