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第4話 魔王の襲撃
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「……というわけなんです」
「ふむ……」
「ふむ?」
俺の話を聞き終えたヒューバートさんは、難しい顔をして首をひねっている。
隣の椅子に座って同じポーズを取っているアルがとても微笑ましい。
「やっぱり信じられないですかね?」
ビーフシチュー(何の肉かは分からないけど)を口に運びながらそう問いかける。
初めて会ったよそ者が今日魔王がこの村に攻めてくると言っても、信じられないのは無理はない。
それにしてもこのシチュー美味いな、デミグラスソースのような味がするぞ?
中世ファンタジーなモンクエの世界で飯は期待してなかったので嬉しい誤算だ。
「いや、ジュンヤ君。
君の言葉を疑っているわけじゃないんだ。
ただ……」
「ただ?」
ヒューバートさんの視線がちらりと俺の頭に向く。
ちなみに俺は元の世界と同じ黒髪だ。
アルの髪色はピンクだし、ヒューバートさんは緑色。
そういえば村で黒髪の人間は見かけなかったし、もしかしたら珍しい髪色なのかもしれない。
「……やはり妻が言っていたのはこの事だったのか?」
「ヒュー、どうしたの?
やっぱりマルーがいなくて寂しい?」
考え込んでしまったヒューバートさんを心配そうに見つめるアル。
もしかしてアルは……。
「ああ、アルは私たちの子供ではないんだ。
この子は孤児でね……訳あってウチで引き取っている」
表情に出ていたのか、俺の勘違いを訂正するヒューバートさん。
「私は32歳、妻は27歳……それにしては大きすぎる子だろう?」
「す、すみません」
(ヒューバートさん30代前半だったのか……渋すぎて40代だと思った)
(それなら10歳ちょいの子供がいてもおかしくないもんな)
「むっ……アルは14歳だから。
子供じゃないもん!」
「えっ!?」
むっとした表情を浮かべたアルの反応に驚いてしまう。
この子、いま俺の心を読んだ?
「すまない、この子は特別な種族の出身でね。
少しだけど心を読むことが出来るんだ」
「ああ、なるほど」
さすがファンタジーRPGの世界である。
アルが俺の心を読んだから、こんな突拍子もない話を信じてくれたのかもしれない。
……あまり変な事を考えないようにしておこう。
アルは14歳か……元の世界では中学生くらいの年齢である。
背が低いので勘違いしていた。
まあ10歳前後にしては大人びてるなと思ってたけど。
「♪♪」
”大人びてる”の部分だけ読んだのだろう。
とたんにご機嫌になり、ぴょんぴょん飛び跳ねるアル。
可愛い。
「それにしてもアルがここまで心を読めるとは……
よほど相性がいいのか? ふむふむ」
「おっと、話がそれたね。
ジュンヤ君の話を信じた理由はおいおい話すとして……時間も無いのだろう? 我々は何をすればいい?」
「そうですね……」
その理由は気になるけれど、話が早くて助かる。
いくら俺のステータス上限が9,999とはいえ、今の状態で魔王を返り討ちに出来るとは思わない。
どうにかして攻撃を凌ぐ必要があるのだが……。
「ヒューバートさん、この村に村人全員が避難できる洞窟とかありますか?」
「ふむ?」
リバサガからリンクしたもう一つのスキル……ソイツを使った防御法を俺は思いついていた。
*** ***
「築城スキル展開……スキル一覧」
ステータスウィンドウを開く。
======
モベ ジュンヤ
LV1 ヒューマン
HP :230 最大値:9,999
MP :120 最大値:9,999
攻撃力 :150 最大値:9,999
防御力 :110 最大値:9,999
素早さ :80 最大値:9,999
魔力 :105 最大値:9,999
運の良さ:70 最大値:9,999
☆戦闘スキル熟練度:3
☆築城スキル熟練度:3
---> 土嚢…… 使用回数10
---> 掘削…… 使用回数2
E:ロングソード(攻撃力+10)
E:布の服(防御力+5)
======
「よしよし、ちゃんとあるな」
リバサガの序章をクリアすると解放される築城スキル。
拠点とした村にモンスターやライバルの攻撃を凌ぐための砦を築くためのスキルだ。
熟練度は3なので使えるものは少ないけれど……使用回数もギリギリ足りそうだ。
「ジュンヤ君、一体何を?」
「まあ見ててください」
今俺たちがいるのは村の裏側にそびえる小さな山。
その中腹にある祠の中である。
ヒューバートさんの話によると、神々の文明が栄えた時代に築かれ、今は豊穣を祈るための祭壇として使っているとのことだ。
20メートルほどの長さの石造りの通路の奥に小さな祭壇が設けられているのが見える。
俺は通路の中ほどに立ち、右側の壁に手をつくと”スキル”を発動させる。
「築城スキル:掘削!」
ドンッ!
「「うおっ!?」」
「わわわっ!?」
村人たちとアルが驚きの声を上げる。
無理もないだろう。
俺がスキルを使ったとたん、石造りの壁に大穴が開き、瞬く間に奥行き10メートルほどの通路と、全員が入れる小部屋が出来たのだから。
「もう1回……築城スキル:掘削!」
ドンッ!
小部屋の奥、最初の通路から見てL字型になるような角度で新たな通路と小部屋を作成する。
本当はもっと入り組んだ通路にしたいけど……スキル2回だとこれが限界だ。
「もしかして……爆発が奥まで入ってこないように?」
「おっ、頭いいなアル」
アルの言う通り、魔法での攻撃が奥まで及ばないようにする築城テクニックである。
リバサガのプレーヤーとしては基礎の基礎だけどね。
「さあ皆さん、当面の食料と家財道具を部屋に移してください」
「あっ、ああ!」
「それにしてもスゲェなアンタ……こんな魔法始めて見たよ」
突然の避難指示に半信半疑だった村人たちも、俺のスキルに驚いたようだ。
正確には魔法じゃないのだが、詳しく説明している暇はない。
「すまないが時間がない。
みんな急いでくれ!」
「合点だぜ、ヒュー村長!」
村人の信頼厚いヒューバートさんの指示で、何とか夜半過ぎまでにすべての避難準備を終えることが出来た。
「仕上げだ……築城スキル:土嚢!」
ドドドドドッ!
「凄い! 沢山の土壁が!?」
「これで爆発の威力を和らげるんだ」
村人全員が避難したことを確認すると、土嚢スキルを使い一定間隔で土壁を出現させる。
これで魔王の攻撃を凌げれば……いいなぁ。
エアプなのでどのくらいの攻撃が来るか想像つかない。
一応その筋の専門家であるユーノに聞こうとしたけど、
『転生者以外に姿を見せてはダメ』
とのことで、面倒なルールである。
「ほ、本当に来るのかね?」
「ヒュー村長が言うんだから間違いないだろ!」
生き埋めにされた形となる村人たちも不安そうだ。
これで魔王が来るのは来月とかだったらどうしよう……。
思わず不安になるものの、幸か不幸かモンクエのオープニングイベントは始まっていたようで。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ほどなくして、大きな揺れが祠全体を揺らし始めた。
「ジュンヤ……怖い」
「大丈夫、俺に捕まってろ」
「うんっ」
ぎゅっ
不安なのか、俺にしがみついてくるアル。
なんとかアルや村人たちを守らないとな……!
しっかりと胸に感じるぬくもり。
俺はこの小さな命を守り抜くことを改めて誓うのだった。
「ふむ……」
「ふむ?」
俺の話を聞き終えたヒューバートさんは、難しい顔をして首をひねっている。
隣の椅子に座って同じポーズを取っているアルがとても微笑ましい。
「やっぱり信じられないですかね?」
ビーフシチュー(何の肉かは分からないけど)を口に運びながらそう問いかける。
初めて会ったよそ者が今日魔王がこの村に攻めてくると言っても、信じられないのは無理はない。
それにしてもこのシチュー美味いな、デミグラスソースのような味がするぞ?
中世ファンタジーなモンクエの世界で飯は期待してなかったので嬉しい誤算だ。
「いや、ジュンヤ君。
君の言葉を疑っているわけじゃないんだ。
ただ……」
「ただ?」
ヒューバートさんの視線がちらりと俺の頭に向く。
ちなみに俺は元の世界と同じ黒髪だ。
アルの髪色はピンクだし、ヒューバートさんは緑色。
そういえば村で黒髪の人間は見かけなかったし、もしかしたら珍しい髪色なのかもしれない。
「……やはり妻が言っていたのはこの事だったのか?」
「ヒュー、どうしたの?
やっぱりマルーがいなくて寂しい?」
考え込んでしまったヒューバートさんを心配そうに見つめるアル。
もしかしてアルは……。
「ああ、アルは私たちの子供ではないんだ。
この子は孤児でね……訳あってウチで引き取っている」
表情に出ていたのか、俺の勘違いを訂正するヒューバートさん。
「私は32歳、妻は27歳……それにしては大きすぎる子だろう?」
「す、すみません」
(ヒューバートさん30代前半だったのか……渋すぎて40代だと思った)
(それなら10歳ちょいの子供がいてもおかしくないもんな)
「むっ……アルは14歳だから。
子供じゃないもん!」
「えっ!?」
むっとした表情を浮かべたアルの反応に驚いてしまう。
この子、いま俺の心を読んだ?
「すまない、この子は特別な種族の出身でね。
少しだけど心を読むことが出来るんだ」
「ああ、なるほど」
さすがファンタジーRPGの世界である。
アルが俺の心を読んだから、こんな突拍子もない話を信じてくれたのかもしれない。
……あまり変な事を考えないようにしておこう。
アルは14歳か……元の世界では中学生くらいの年齢である。
背が低いので勘違いしていた。
まあ10歳前後にしては大人びてるなと思ってたけど。
「♪♪」
”大人びてる”の部分だけ読んだのだろう。
とたんにご機嫌になり、ぴょんぴょん飛び跳ねるアル。
可愛い。
「それにしてもアルがここまで心を読めるとは……
よほど相性がいいのか? ふむふむ」
「おっと、話がそれたね。
ジュンヤ君の話を信じた理由はおいおい話すとして……時間も無いのだろう? 我々は何をすればいい?」
「そうですね……」
その理由は気になるけれど、話が早くて助かる。
いくら俺のステータス上限が9,999とはいえ、今の状態で魔王を返り討ちに出来るとは思わない。
どうにかして攻撃を凌ぐ必要があるのだが……。
「ヒューバートさん、この村に村人全員が避難できる洞窟とかありますか?」
「ふむ?」
リバサガからリンクしたもう一つのスキル……ソイツを使った防御法を俺は思いついていた。
*** ***
「築城スキル展開……スキル一覧」
ステータスウィンドウを開く。
======
モベ ジュンヤ
LV1 ヒューマン
HP :230 最大値:9,999
MP :120 最大値:9,999
攻撃力 :150 最大値:9,999
防御力 :110 最大値:9,999
素早さ :80 最大値:9,999
魔力 :105 最大値:9,999
運の良さ:70 最大値:9,999
☆戦闘スキル熟練度:3
☆築城スキル熟練度:3
---> 土嚢…… 使用回数10
---> 掘削…… 使用回数2
E:ロングソード(攻撃力+10)
E:布の服(防御力+5)
======
「よしよし、ちゃんとあるな」
リバサガの序章をクリアすると解放される築城スキル。
拠点とした村にモンスターやライバルの攻撃を凌ぐための砦を築くためのスキルだ。
熟練度は3なので使えるものは少ないけれど……使用回数もギリギリ足りそうだ。
「ジュンヤ君、一体何を?」
「まあ見ててください」
今俺たちがいるのは村の裏側にそびえる小さな山。
その中腹にある祠の中である。
ヒューバートさんの話によると、神々の文明が栄えた時代に築かれ、今は豊穣を祈るための祭壇として使っているとのことだ。
20メートルほどの長さの石造りの通路の奥に小さな祭壇が設けられているのが見える。
俺は通路の中ほどに立ち、右側の壁に手をつくと”スキル”を発動させる。
「築城スキル:掘削!」
ドンッ!
「「うおっ!?」」
「わわわっ!?」
村人たちとアルが驚きの声を上げる。
無理もないだろう。
俺がスキルを使ったとたん、石造りの壁に大穴が開き、瞬く間に奥行き10メートルほどの通路と、全員が入れる小部屋が出来たのだから。
「もう1回……築城スキル:掘削!」
ドンッ!
小部屋の奥、最初の通路から見てL字型になるような角度で新たな通路と小部屋を作成する。
本当はもっと入り組んだ通路にしたいけど……スキル2回だとこれが限界だ。
「もしかして……爆発が奥まで入ってこないように?」
「おっ、頭いいなアル」
アルの言う通り、魔法での攻撃が奥まで及ばないようにする築城テクニックである。
リバサガのプレーヤーとしては基礎の基礎だけどね。
「さあ皆さん、当面の食料と家財道具を部屋に移してください」
「あっ、ああ!」
「それにしてもスゲェなアンタ……こんな魔法始めて見たよ」
突然の避難指示に半信半疑だった村人たちも、俺のスキルに驚いたようだ。
正確には魔法じゃないのだが、詳しく説明している暇はない。
「すまないが時間がない。
みんな急いでくれ!」
「合点だぜ、ヒュー村長!」
村人の信頼厚いヒューバートさんの指示で、何とか夜半過ぎまでにすべての避難準備を終えることが出来た。
「仕上げだ……築城スキル:土嚢!」
ドドドドドッ!
「凄い! 沢山の土壁が!?」
「これで爆発の威力を和らげるんだ」
村人全員が避難したことを確認すると、土嚢スキルを使い一定間隔で土壁を出現させる。
これで魔王の攻撃を凌げれば……いいなぁ。
エアプなのでどのくらいの攻撃が来るか想像つかない。
一応その筋の専門家であるユーノに聞こうとしたけど、
『転生者以外に姿を見せてはダメ』
とのことで、面倒なルールである。
「ほ、本当に来るのかね?」
「ヒュー村長が言うんだから間違いないだろ!」
生き埋めにされた形となる村人たちも不安そうだ。
これで魔王が来るのは来月とかだったらどうしよう……。
思わず不安になるものの、幸か不幸かモンクエのオープニングイベントは始まっていたようで。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ほどなくして、大きな揺れが祠全体を揺らし始めた。
「ジュンヤ……怖い」
「大丈夫、俺に捕まってろ」
「うんっ」
ぎゅっ
不安なのか、俺にしがみついてくるアル。
なんとかアルや村人たちを守らないとな……!
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