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第27話 ジュンヤ’sブートキャンプ
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「お前たち!
いまから俺じきじきに訓練をつけてやるが、その前に伝えておくことがある!!」
「お前らは弱い! 最底辺のスライムだ!
そのお前らを、俺が鍛え上げてやろうというのだ!!」
「いいか、言葉の前と後にはサーを付けろ!」
「アルフィノーラ訓練兵!」
「サー! 了解であります! サー」
「次!!」
「えっ……え?」
10日後に王都で開かれる武術大会。
それに参加する事になったジュンヤとアル。
過去を清算し、テンガを見返したい。
何よりジュンヤを助けたいという思いから参加を志願したフェリシア。
『あの人絶対嫌がらせしてくるぞ。
決勝までに負けても同じだ……自分の手で凹ませたい人だからな』
『さ、最悪ですね……それならわたくしとアルちゃんの能力が重要になりますか』
とのことで、武術大会までの間に特訓する事になったのだ。
『……フェリシアお姉さん、チャレンジャーだね』
意味深な笑みを浮かべたアルの言葉が気になる。
次の日。
早朝から叩き起こされ、寝ぼける間もなく転移魔法でニ・シーノ丘陵のどこかへ連れてこられた。
「え~っと」
ジュンヤが仁王立ちしている背後の丘は無惨にも削り取られ、長い階段や何に使うのか分からないオーバーハングのついた壁、水を湛えた四角い池などが点在している。
「聞こえないぞ、フェリシア訓練兵!!」
「さー、いえっさー?」
「声が小さい!!」
(ひいいいっ~!?)
「ジュンヤ、こういうのが好きなの。
せんそうえいが? ぶーときゃんぷ? よくわかんないけど」
てててっと走り寄ってきたアルが耳打ちしてくる。
「そ、そうなの?」
爛々と光る眼でこちらを見下ろすジュンヤはいつもの優しい雰囲気とは違い、まるで人が変わったようだ。
何かのスイッチを押してしまったらしい。
思わず自分の決断を後悔するフェリシアだが……。
「……ちなみに、クリアすればヒロインポイント10進呈」
「!!!!」
あの夜の約束を思い出す。
フェリシアはお腹に力を入れ、思いっきり叫ぶのだった。
「サー! わたくしは最下層のスライムであります!
錬成を受けられること、光栄です! サー!!」
「よし!!」
「じゃあ手始めに!
Aコースを2周!
10分の休憩の後、Cコースを3周!!」
「アルフィノーラ訓練兵、先導するように!!」
「さーいえっさー!!」
「え? ウソでしょ?」
ジュンヤが指さした先にあるのは、見上げるほどの断崖絶壁。
壁を越えた向こうには命を刈り取る形をした急坂と階段が待っている。
あそこを走るの?
しかも2周?
エルフのわたくしが?
「行こう? フェリシアおねーちゃん!
大丈夫、防御魔法があるから」
「戦術リンク:エネルギーシールド!!」
「ひ、ひいい~っ」
シールドのお陰で怪我はしなくても、痛い物は痛いのである。
なすすべなくアルに手を引かれながら、地獄のブートキャンプが始まった。
*** ***
「う、ううう……いつもこんな特訓を積んでるのですか?」
「ぶい」
夜営業を終えた煉瓦亭。
昼間の特訓に夜の営業。
疲れ切ったフェリシアはテーブルに突っ伏していた。
「よく考えたらアルちゃんは獣人族か……ずるいです」
どちらかというと魔法使い適性が高くインドア派のエルフと卓越した身体能力を持つ獣人族。
同じ訓練をするのが無茶ではないか。
「ごめんごめん。
二人が頑張って付いてくるものだから、気合を入れ過ぎたよ」
コトリ
たっぷりのお砂糖と、煮込んだコメを発酵させて作ったアマザケという甘味飲料を差し入れするジュンヤ。
その表情は柔らかく、いつものジュンヤだ。
「ありがとうございます。
おいしい~♪」
身体じゅうに染みわたるような甘味とぬくもり。
このような美味しい飲み物、フェリシアは飲んだことが無かった。
「でも、強くなってるよ?」
そうなのだ。
ジュンヤの訓練は厳しいが的確で、今日一日だけで体力がずいぶんついた気がする。
リリィとの格闘訓練では、彼の攻撃をすべて躱すことが出来た。
「魔法の訓練もあるから頑張って」
「はいっ!」
ジュンヤに鍛えてもらえば、もっとみんなを守れるかもしれない。
そう思いなおしたフェリシアは、特訓に勤しむのだった。
いまから俺じきじきに訓練をつけてやるが、その前に伝えておくことがある!!」
「お前らは弱い! 最底辺のスライムだ!
そのお前らを、俺が鍛え上げてやろうというのだ!!」
「いいか、言葉の前と後にはサーを付けろ!」
「アルフィノーラ訓練兵!」
「サー! 了解であります! サー」
「次!!」
「えっ……え?」
10日後に王都で開かれる武術大会。
それに参加する事になったジュンヤとアル。
過去を清算し、テンガを見返したい。
何よりジュンヤを助けたいという思いから参加を志願したフェリシア。
『あの人絶対嫌がらせしてくるぞ。
決勝までに負けても同じだ……自分の手で凹ませたい人だからな』
『さ、最悪ですね……それならわたくしとアルちゃんの能力が重要になりますか』
とのことで、武術大会までの間に特訓する事になったのだ。
『……フェリシアお姉さん、チャレンジャーだね』
意味深な笑みを浮かべたアルの言葉が気になる。
次の日。
早朝から叩き起こされ、寝ぼける間もなく転移魔法でニ・シーノ丘陵のどこかへ連れてこられた。
「え~っと」
ジュンヤが仁王立ちしている背後の丘は無惨にも削り取られ、長い階段や何に使うのか分からないオーバーハングのついた壁、水を湛えた四角い池などが点在している。
「聞こえないぞ、フェリシア訓練兵!!」
「さー、いえっさー?」
「声が小さい!!」
(ひいいいっ~!?)
「ジュンヤ、こういうのが好きなの。
せんそうえいが? ぶーときゃんぷ? よくわかんないけど」
てててっと走り寄ってきたアルが耳打ちしてくる。
「そ、そうなの?」
爛々と光る眼でこちらを見下ろすジュンヤはいつもの優しい雰囲気とは違い、まるで人が変わったようだ。
何かのスイッチを押してしまったらしい。
思わず自分の決断を後悔するフェリシアだが……。
「……ちなみに、クリアすればヒロインポイント10進呈」
「!!!!」
あの夜の約束を思い出す。
フェリシアはお腹に力を入れ、思いっきり叫ぶのだった。
「サー! わたくしは最下層のスライムであります!
錬成を受けられること、光栄です! サー!!」
「よし!!」
「じゃあ手始めに!
Aコースを2周!
10分の休憩の後、Cコースを3周!!」
「アルフィノーラ訓練兵、先導するように!!」
「さーいえっさー!!」
「え? ウソでしょ?」
ジュンヤが指さした先にあるのは、見上げるほどの断崖絶壁。
壁を越えた向こうには命を刈り取る形をした急坂と階段が待っている。
あそこを走るの?
しかも2周?
エルフのわたくしが?
「行こう? フェリシアおねーちゃん!
大丈夫、防御魔法があるから」
「戦術リンク:エネルギーシールド!!」
「ひ、ひいい~っ」
シールドのお陰で怪我はしなくても、痛い物は痛いのである。
なすすべなくアルに手を引かれながら、地獄のブートキャンプが始まった。
*** ***
「う、ううう……いつもこんな特訓を積んでるのですか?」
「ぶい」
夜営業を終えた煉瓦亭。
昼間の特訓に夜の営業。
疲れ切ったフェリシアはテーブルに突っ伏していた。
「よく考えたらアルちゃんは獣人族か……ずるいです」
どちらかというと魔法使い適性が高くインドア派のエルフと卓越した身体能力を持つ獣人族。
同じ訓練をするのが無茶ではないか。
「ごめんごめん。
二人が頑張って付いてくるものだから、気合を入れ過ぎたよ」
コトリ
たっぷりのお砂糖と、煮込んだコメを発酵させて作ったアマザケという甘味飲料を差し入れするジュンヤ。
その表情は柔らかく、いつものジュンヤだ。
「ありがとうございます。
おいしい~♪」
身体じゅうに染みわたるような甘味とぬくもり。
このような美味しい飲み物、フェリシアは飲んだことが無かった。
「でも、強くなってるよ?」
そうなのだ。
ジュンヤの訓練は厳しいが的確で、今日一日だけで体力がずいぶんついた気がする。
リリィとの格闘訓練では、彼の攻撃をすべて躱すことが出来た。
「魔法の訓練もあるから頑張って」
「はいっ!」
ジュンヤに鍛えてもらえば、もっとみんなを守れるかもしれない。
そう思いなおしたフェリシアは、特訓に勤しむのだった。
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