怖い話はあなたのすぐ隣に

みみかき

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 奇妙な体験というのは、自ら体験しようとして体験できるものではない。
 いつの間にか、知らず知らず、不条理に、遭遇するものである。

 今回するお噺はそれに近い体験談をご紹介しよう。


 D介は平凡ながらも優しい家族の中に生まれ育ち、友人にもめぐまれ、何不自由なく生活していた。

 品行方正であり、分け隔てなく優しく接する彼は、誰の目から見てもできた人間であった。

 D介が大学を卒業し、社会人になってから早5年ほど経ち、高校時代から付き合っている幼馴染の彼女へプロポーズをした。

 もちろん彼女はそれを快諾し、二人は幸せの中お互いを抱きしめ合った。

 物事はとんとん拍子に進み、結婚式当日となった。各々準備があったため、別々に式場へと向かった。

 先に到着したD介は、彼女の到着をいまかいまかと待っていた。
 しかし、到着時刻になっても彼女は来ない。何か起きたのか、一抹の不安を感じたD介。

 その時、彼の携帯の着信音が静かに響いた。

 人が変わったようにやつれてしまったD介。あの日から一月が経過した。

 あの日、式場へと向かう途中、彼女の乗った車は事故に巻き込まれてしまい、彼女は帰らぬ人となってしまった。

 幸せの絶頂から不幸のどん底へと落ちたD介は、何をする気もなく、ただ死んだように生きていた。

 そんな時、ふと、彼女に呼ばれたような気がして外へ出た。
 導かれるまま声を頼りに歩いていくと、二人が子供の頃遊んでいた公園へとたどり着いた。

「…昔はここでよくあそんだっけな」

 そんなことを思い出し、涙を流すD介の目の前に突然それは現れた。

 初めて見るそれは、形容するならば次元の裂け目というのが妥当であろう。何もない空間が突如裂け、ぐにゃぐにゃとなっているだけで先が見えない裂け目。

 D介は恐れ慄いたが、しかし、その裂け目から彼を呼ぶ声が聞こえる。
 そうだ、あの声だ。彼を呼ぶ彼女の声だ。
 その声を聞いたD介は、迷わずその裂け目へ手を伸ばし、緩やかに吸い込まれた。

 誰もいなくなった公園は、ただ静かに日常を演じていた。

 次元の裂け目へと入ったD介が目を開けるとそこには、最も望んでいた光景が広がっていた。

「どうしたの?涙なんか流して。」

高校時代の姿の彼女が笑いながら尋ねる。

 もう二度と会えることのない相手に会えた喜びから、D介は即座に彼女を抱きしめようとした。
 しかし、次の瞬間には自分がなぜ泣いているのか分からなくなった。

 D介は一緒に帰っている途中だっことを思い出し、二人はそのまま帰路へついた。

 そんなD介達も大学を卒業し、社会人になってから早5年ほど経過した。

 D介は幼馴染の彼女へプロポーズを決意し、念入りに準備をした。
 いざ本番、プロポーズの言葉を聞いた彼女はそれを快諾し、二人は幸せの中お互いを抱きしめ合った。

 物事は順調に進み、結婚式当日となった。
 各々準備があったため、別々に式場へと向かった。

 先に到着したD介は彼女の到着をいまかいまかと待っていた。
 しかし、到着時刻になっても彼女は来ない。
 彼女に何か起きたのか不安になっていたD介の携帯の着信音が、静かに部屋中に響いた。

 人が変わったようにやつれてしまったD介。あの日から一月が経過した。

 あの日、式場へと向かう途中、彼女の乗った車は事故に巻き込まれてしまい、彼女は帰らぬ人となってしまった。

 幸せの絶頂から不幸のどん底へと落ちたD介は、何をする気もなく、ただ死んだように生きていた。

 そんな時、ふと、彼女に呼ばれたような気がして外へ出た。

 導かれるまま声を頼りに歩いていくと、二人が子供の頃遊んでいた公園へとたどり着いた。

「…昔はここでよくあそんだっけな」

 そんなことを思い出し、涙を流すD介の目の前に突然それは現れた。

 初めて見るそれは、形容するならば次元の裂け目というのが妥当であろう。
 何もない空間が突如裂け、ぐにゃぐにゃとなっているだけで先が見えない裂け目。

 D介は恐れ慄いたが、しかし、その裂け目から彼を呼ぶ声が聞こえる。
 そうだ、あの声だ。彼を呼ぶ彼女の声だ。
 その声を聞いたD介は、迷わずその裂け目へ手を伸ばし、緩やかに吸い込まれた。

 次元の裂け目へと入ったD介が目を開けるとそこには、最も望んでいた光景が広がっていた。

「どうしたの?涙なんか流して」

 高校時代の姿の彼女が笑いながら尋ねる。

 もう二度と会えることのない相手に会えた喜びから、D介は即座に彼女を抱きしめようとした。

 しかし、次の瞬間には自分がなぜ泣いているのか分からなくなった。

 一緒に帰っている途中だっことを思い出し、二人はそのまま帰路へついた。


 最愛の人を失ってしまったとしても、また会えるのだとしたら多くの人はその可能性にすがるだろう。
 しかし、D介のように、最愛の人に会えるがその人を失くす悲しみすら再度、いや、何回も味わうことになると決められていたとしたら…。

 あなただったら、この奇妙な体験をしたいですか?
 今回のお噺はここまでにしよう。
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