地獄の王子サマ

犬丸大福

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1章 王子サマの日常

第4王子 剛磨③

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イカツイ剛磨に唯一懐いてる幼児がいる。

もちろん、紀伊助である。
まぁ、正確には、幼児ではない。

剛磨を見ても泣かない所か、頼ってくる美幼児。

少なめに見て、溺愛している。

不喜処に一緒に行くことも多い。

そんな時は、剛磨の肩に紀伊助がちょこんと乗っている。

戸○呂兄弟?

剛磨はご機嫌で歩いて行く。

紀伊助も剛磨に乗って移動するのは、楽だし、早い。
そして、目線が変わると見えてくるモノもある。
たまに見た目で誤解されやすい弟の陰口を叩いている奴がいる。
ご機嫌な剛磨は気付かないが、紀伊助は敏感である。
そんな時は、剛磨の肩の上からニッコリ笑って手を振ってやる。

ある者は、ぽっと顔を赤らめ
ある者は、ひきつった笑いを返す。

そんな紀伊助にとっての収穫を得ながら、不喜処に到着すると、

いつものように、真っ先にアカがやってくる。

いつもと違うのは、アカがまず先に剛磨にドロップキックをかましてくる。

剛磨は片手で払いのけ、そのまま足を掴んで逆さ吊りにする。

ソコまでがお約束である。

剛磨にとってアカは
自分が来ると真っ先にじゃれついてくるカワイイ奴である。

全力を片手で(もう片方の手は紀伊助を支えているため、離せない)受けとめ
(羽や首を持つのはカワイソウだと)足を持っている。

そんな剛磨の優しさは伝わっていない。
本人(本鶏?)にも、周りにも。

アカの熱烈歓迎(あくまで個人の感想です)を受け、休憩中のモフモフの中に紀伊助を降ろすと
5モフ衆に伝令が飛び(モフにしかわからない種族間ネットワーク)
それぞれやってくる。

シロは剛磨にタックルをかまし
クロは背後から首筋を狙い跳躍
チャチャは足に齧りつこうとし
ブチは歯茎を見せながらやってくる。

アオは、様子をうかがっているようだ。

剛磨にとって5モフ衆は
自分が来ると熱烈歓迎(あくまで個人の感想です)してくれる愛すべきモフ達である。

タックルなど、すりよりであり
首筋など、甘噛みであり、
足への齧りつきは、どこにも行くなという引き留めであり、
歯茎を見せるほどの満面の笑みで寄ってきてくれている。

ぞれらを全身で受けとめ、わしゃわしゃとなで回す。

数が多いので捌ききれず、たまに肘打ちなどしてしまうことがあるが、
それでも自分に向かってきてくれる。
通常なら
小さきモノ達から、逃げられ、泣かれる自分。
そんな自分に向かってきてくれる。

自分は好かれている、と幸せを噛みしめる瞬間である。

昨日の夜道、自販機でオレンジジュースを買って振り返っただけなのに
たまたまソコにいた女性に
「ギャァァァァーー!」
と叫ばれてしまい、すさんだ心も癒された。

その間、紀伊助はアオと何やら話をし、休憩中の他のモフ達と、こちらは文字通り、戯れる。

もうしばらくは、剛磨の周りでワンワンガオガオコケーーーーキーーーーーーっと、にぎやかであろう。

そんな剛磨の様子を、紀伊助はかわいそうなモノを見る目で見ている。



今日も地獄は平和である。

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