《完結》当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!

犬丸大福

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幼少期

辺境伯御一族様

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「あのお方は、非常に、まぁ、豪快な方です。
戦いに身を置いておられますので、非常に厳しい方でもありますが、お身内には愛情溢れる方です。
それはお身内認定された者も含まれます。
こんな爺も気にかけて頂いてます。
そして、健気に頑張る子供が大好きなんですよ。
訓練は鬼のようですが、まぁ、これはそうしないと死ぬかもしれませんからね。でも、厳し過ぎて恐怖が残ったら元も子もないと申し上げたら、それで恐怖を覚えて立ち上がれなくなるのなら、辺境では戦えないから、後方支援や裏方に回す選別の意味を持っている、との事でしたが、ああ、すみません、余計な事でした。
厳しいだけじゃない、愛情を持って、キチンと考えておられる方です。
いかがでしょう、お会いしてみませんか?」

「ディ、どう思う?」

「えっと、辺境の地域のお勉強はまだなのでよくわかりませんが、先生がこんなに薦めて下さるなら、良いのでは?」

「エミリオ様は薄々感ずいておられるようですが、辺境伯様に魔法の訓練なども見て頂けるという位になれば、後見人として、今回の王家の茶会の同伴も可能かと」

「大丈夫ですの?」

「この爺の感覚では、あのお方は、間違いなく、お二人を気に入ります。
もしかすると、気に入りすぎて、厄介な事になるかもしれませんが……」

「「厄介って?」なんですの?」

「辺境伯一族のお話は聞いていませんか?
エミリオ様も?
貴族の背景、特徴など、最初に教わるものでは?」

「僕達、家を回す事を先に教えられてるから?」

「なんというか、本当に、教育が大人の都合で偏ってる典型例ですか。
まぁ、辺境の地も戦いに極振りな面はありますが。
辺境伯の一族は、初代聖玉の剣の持ち主で勇者と謳われた者の末裔です。
ここまではよろしいですね?」

「……よ、よろしくないです!!」

「「え?!」」先生とお兄様が同時にこっちを見た。

「ディ、知らなかったの?」

「私、まだ聖玉の剣の歴史習ってないです。…勇者っていたんですか?」

「ディ、そこから……?そこは、あとで、教育係から聞こう。ってか、教育係、代えようか」

「それがよろしいかと。
とりあえず、辺境伯御一族様方には少々厄介な面がございまして。
……オブラートに包まない言い方をすれば
恋愛脳筋でございます」

「「恋愛脳筋?!」」

「勇者と謳われた人物は、奥方に一目惚れして、押しに押して、尽くしに尽くし、最後には土下座して泣いてすがって乞い願ったとか。その姿に根負けして伴侶となったそうです。そして、勇者は、奥方を溺愛して子供が生まれても奥方を優先して一生添い遂げたそうです。
あの一族の皆様は、そんな気質が受け継がれておりまして、一目惚れの相手には猪突猛進してきます。
この国では、有名な話です。
あの一族に見初められたら逃げ切るのは困難だ、と。
ですが、まぁ、断られたら、自分の中で踏ん切りさえつけば、ストーカー行為はしません。
しかし、結婚も一生しません。独身を貫きます」

「詐欺師みたいな悪い人に一目惚れしたら、絞り取られて終わりじゃない?大丈夫なの?その一族」

「それが、驚くことに、そういう人間に引っかかった者はいないんですよ。
というか、大体が戦闘能力特化型ですからね。
危険察知、危機管理能力が突出してるんでしょうか?
頭の回転の早い、気遣いが出来る、そんな自分に足りない所、補ってくれる能力がある者を選んでくるんです。

……ええ、お二人とも、条件そろってるんです。
狙われる気がします。

……まぁ、起きてないことを心配しても仕方ありません。
直系の、どなたかに気に入られたら、諦めて下さい」

「「はい?!」」

「直線的な愛情を向けて下さる方々です。
お二人にはそのくらいがちょうど良いかもしれませんし?
まぁ、多少、…多少?暑苦しいかもしれませんが」

「「先生?!」」

「それで、辺境伯が用事があったそうで、王都に居たのです。
それで、明日、こちらに寄りたいとの先触れを、この爺、預かってきてしまいましての、よろしいですか?」

「「すでに断れないヤツ!!」」

「ハッハッハ。爺も辺境伯と一緒に参ります。
もし、可能ならば、辺境伯に魔法のご披露もしていただけますか?
実力に合わせて、講師をお願いできるかもしれません」




明日、辺境伯様がお越しになるそうです。
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