絶壁の少女と異世界魔王

桜夜百合

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勇者ガチャ召還

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「昨日のニュースをランキング形式で・・・」

毎朝4時に起きて 、牛の世話をした後、このニュース番組を見ながら朝食を食べるのがいつもの日課だ。

「昨日のニュースランキング一位は、今度は新宿駅で、連続失踪事件あわや大惨事にでした。」

「午後5時5分。ホームの1台の防犯カメラの映像です。1人の男性の足元に青い丸い魔方陣の様なものが現れます。その直後足からだんだんと地面に吸い込まれていくのがわかります。男性の頭まで吸い込むと魔方陣が一際眩しく輝ききえてしまいました。この事件で新宿駅では一時パニックが起き、逃げ惑う人たちがホームや線路になだれ込み、それに巻き込まれ多数の怪我人が出ました。幸い列車に跳ねられた方はいませんでしたが、警察の発表では108人の方が病院に運ばれうち15人が重症の模様です。」

最近話題になっている失踪事件だ。

ネットとかでは異世界召還じゃないかって言われてるらしい。高校のクラスでもその話題で持ちきりだ。

英司はスマホを持っていないため、あまりネット等に興味がなかった。

このニュースを見て母親が言った。

「隣のうちの東京の大学に行ってる幸ちゃん。昨日から行方不明だって」

「あれだけ昔から天才なんて呼ばれてたんだから異世界じゃ真っ先に欲しい逸材だしね」

と冗談まじりに答えた。
一瞬でみただけで全てを覚えてしまう天才、そんな力が羨ましい時もあったが、こんな事件に巻き込まれるなら必要ないと心の底から思った。

「俺はあんな特殊能力ないから異世界には無縁だよ」

「ふふっ。まぁあんたみたいな平凡なの欲しい物好きはいないか。早く学校行かないと遅刻するよ」

あわてて学校に行く支度をし農業高校の制服を着て家を飛び出す。

「行ってきます」
 
地元の農業高校まで歩いて30分程の道のりだ。

歩きながら空を見上げると雲がゆっくり流れている。もう6月か・・・日も大分上がってきて、ちょっと暑い感じもする。
昼間は暑くなりそうだな、なんて考えていた時だった。

足が急に重くなり動かなくなった。
地面に足がくっついているようだ。
そして自分を中心に円が広がり、魔方陣の様な紋様が地面に浮かびあがる。
何これ嘘でしょ・・・これ夢だよね。

「うっう・・・」

下から引っ張られる様な力が強すぎて声が出ない。

そうしている間に足がズブズブと地面の魔方陣に埋まっていった。
頭の中に昔の事が駆け巡る。
これが走馬灯ってやつか。
明日には新聞に乗るのかななんて思っていると頭まで魔方陣に吸い込まれてしまった。

目の前が光で眩しい。
あまりの眩しさに空いている左腕で目を隠し、強くまぶたを閉じた。

光の中で急に胸が苦しくなる。
あれ今息をしてる?息ってどうやってするんだっけ?
パニックになりながら大きく息を吸ってみる。
一応呼吸はできる様だ。

そしてゆっくりとまぶたを開いてみる
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