絶壁の少女と異世界魔王

桜夜百合

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大厄災

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目の前には、見た事のない景色が広がっていた。

どうやら高台の上にいるらしく、遠くに城の様な物が見える。それを取り囲む様な街並みがあり、こちらに向かって一直線に整った道が通っている。
そして日が沈みそうな夕焼けに染まる街並みのあまりにキレイな風景に息を飲んだ。

反対側には森が広がっている。

自分の周りを確認すると足元には黒ずんだ先ほどみた魔方陣よりも、大分大きな魔方陣が描かれている。

そして所処に儀式のお供え物だろうか?鎧一式と輝く石の様な物が落ちていた。

お供え物にしては雑な置き方だな・・・ 
だから失敗して俺みたいなのを召還してしまったんじゃない?

そう考えたらなんか妙に納得がいった。

誰かいないのか?

「おーい」

声をだし、周囲を再度よく確認するも誰もいない。

少し歩いて、落ちている一番近く鎧まで行って確認してみる。
キレイに手入れされ傷一つない、白い鎧と兜が雑に置かれ、その間に青く輝く石が落ちている。
あまりのキレイな石に思わず拾って石の中を見た。
水晶の原石の一本のような形で、角が尖っている、自分の人差し指位の大きさだ。
中には長さ2センチ程の一本の光の筋が入っている。

間違いなく価値があると確信し、少しにやけながら近くに落ちている3個 を拾いポケットに入れた。

「これを売れば異世界であってもしばらくは生活できるよね・・・」

声に出してみるも返事はなく、急に不安な気持ちになってくる。

とりあえず高台の先端まで行ってみると、その先は崖になっていた。
しかし、街並みが先ほどよりよく見える。

明らかにみた事のない街並み。
そして道には人があふれていた。
ざわざわした音がこちらまで響いてきた。お祭りだろうか。
ずっと遠くに城が見える。この距離だと相当な大きさだろう。
そんな城を見てふと思った。

「もし、異世界なら魔法がつかえるんじゃない?」

とりあえず城に向かって手のひらを向けた。 

城に向かって魔法が飛んで行くような適当なイメージをしながら、手に力を入れて見る・・・

すると目の前に学校の校舎より大きな円形の青白い魔方陣が出現した。
中にはみた事のない象形文字のようなものがびっしりと書かれている。
その魔方陣に、身体の中から手のひらに向かって力が吸われているのがわかる。

「どうやって消したらいいんだよ・・・」 

焦っているうちに全身に力が入らなくなった。
立っているのがやっとだ・・・
それでも魔方陣は力を吸い続ける。
限界がきたと思ったその瞬間、、、
魔方陣の中心から光の玉が何個も城に向かって飛んでいった。ランダムな跡線をつけ飛んで行くその玉は城の真上で集まっていく様に見える。
全ての玉が集まるとその光が小さくなり一際輝いた。
その直後巨大な火玉が出現し、そこを中心に爆煙が街を飲み込んで行った・・・

爆煙が街を飲み込んでいくのと比例して、自分の心臓の所から力がどんどん湧いてくるのがわかる。

自分の所まで爆煙が迫ると、反射的に両手で顔を覆った。
衝撃波と共に爆音が通過していく。

しばらくして爆煙が収まると目の前には、城のあった所は丸くえぐられ赤みを帯びている。

街があった所には瓦礫しかなかった・・・
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