斎木君はチョロい。

ぽいぽい

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斎木君はチョロい。Sside

僕の名前は斎木。
年齢は20歳、学部は法学部、これまで付き合った人数は0人、童貞で処女、体力はそれほど高くないけど成績は優秀、これが僕のステータスだ。顔は眼鏡をかけた平凡な感じで、これといった特徴がない。身長は170cm体重は56㎏の痩せ型。これが僕の設定の全て。

僕の世界に入ってくるのは、いつも名前が違う後輩だ。
顔は同じなのに、何故か名前はいつも違う。


「斎木君」

後輩は、僕をそう呼んだ。
失礼な!お前と比べると背は低いし小柄だけど、それでも僕は先輩だぞ?なんで、そんな馴れ馴れしいんだ!そう思うのに、僕の目の前に現れる選択肢は一つ。

『親近感を持ってくれてるみたいで嬉しいなぁ』

なんでなんだ!この後輩と絡んでも僕にとって何の利益もない。ふざけるなと突き放したいのに、僕は『親近感を持ってくれてるみたいで嬉しいなぁ』と答えるしかない。しかも、ハニカミ付きで。
それを見て、後輩は嬉しそうに笑う。これは一体何の罰ゲームだ!


シーンが変わって大学の講義室。
僕は後輩と二人でいた。
っていうか、なんで誰もいないんだよ?どんな状況だよ?ご都合主義もいいところだ。

そんな状況で、後輩に「斎木君、今日も可愛いね」と言われた。
それに対して僕に与えられた選択肢は『ありがとう』一択。男が可愛いと言われて喜ぶってなんだよ?っていうか、可愛いってバカにしてんのか!?
そう思うのに、悲しいかな僕は『ありがとう』という選択肢を選ぶしかない。

続いて後輩は、「斎木君、肌きれいだね」と言ってきた。肌きれいってなんだ?最近は、美肌を目指す男もいるっていうけど、僕は特別な肌の手入れもしていないし、そもそも肌を褒められても別に嬉しくない。それなのに、俺の目の前には残酷な選択肢が現れる。

『「肌?」と言いながら、Tシャツの襟に指をひっかけ、自分の肌を確認する』

どんな状況だよ!!自分で自分の胸元見て何が楽しいんだよ!っていうか、どうしてそんなことしなきゃいけないんだよ!って思うのに、俺は選択肢に逆らえない。もう、最悪だ。

さらに最悪だったのが「斎木君、シャツの中、何が見えるの?」という質問に対する選択肢。

『「…何って、乳首かなぁ」と言った後、「見たい?」と言って、自分から内側のTシャツをたくし上げる』

こんなのただの変態じゃないか。大学構内で乳首を見せつけるとか、あり得ないと思うのに、体は選択肢に従う。

「斎木君、誘ってるの?」という問いにも選択肢通り「人が来ないところ行こう?」と答えるしかなく、俺はまんまとサークル棟の使っていない部屋に連れ込まれ、セックスをされることになった。連れ込まれた後は選択肢もなく、ただ喘がされた。

その上「斎木君、またヤろうね」の言葉に「うん」と、頷かされる。



本当にもう、一体何なんだ!

セックスという目的を達成できたとしてもだ!選択肢が一つのBLエロゲって何が楽しいんだ!
そう思うのに、俺の元に流れてくる感想は「チョロい斎木君かわいい」「こんなチョロかわいい先輩いるのが羨ましい」そんな声ばかり。世の中どうなってんだよ?

「あーあ。次はこんなクソゲーじゃなく、もっとストーリーとか選択肢とか、ちゃんとあるゲームの転生したいなぁ」

斎木君は天を仰いだ。
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