いいえ、ただの冒険者ですから!~大賢者は世界をぐるりと旅したい!~

シア風

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王都大襲撃

痺れを切らした魔王様

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「よいか?勇者を殺すか捕らえるまで帰ってきてはならぬぞ。」

黒い肌に赤い目、白い髪。赤黒い一本の角が額から十センチ程延びている男はそう言った。この男こそが勇者が倒すべき相手である魔王ガルビオス=ユースド=コスマティスである。ガルビオスはいつまでたっても最初の町から出てこない勇者を腑抜けだと思い込み、処分を命じたのだ。勇者と言うのは魔族側からは人族の絶対的強者とされ、魔王と唯一互角に戦える存在なのだ。もちろん経験が必要なことは承知の上で。成長して互角に闘えるようになった勇者を倒すことで魔王は成長することが可能なのだ。つまりはいつになっても動きのない勇者は自分を成長させない。そう思い襲撃をさせたのだ。

「ガルビオス様、勇者の首を持って帰って参りますゆえしばしお待ちを。」

大きな口を持つワニ顔の二足歩行のアリゲーターロードがそう言って城を出ていった。魔王とは不便なものだ。そうガルビオスは思った。


「先ずは民を避難させよ!壁が打ち破られる前に!急げ!」

アレキサンド王がそう叫ぶ。この王は意外にも民思いの王で民を守るのが一番だと悟った。

「戦えるギルドの冒険者達よ、この町を守るために手を貸してくれ!報酬は支払うと約束しよう!」

アレキサンド王が冒険者達に声をかけている。こうしてみると立派な王様だ。冒険者達も死ぬわけにはと勢い付いている。

「俺たちも出るぞ。少しは役に立つだろうし、見捨てるなんて選択肢はないからな。」

アーサーがそう言うと一同頷く。そして席を立つと、

「あ、ちょっと先行ってて。ボクはやることあるから。」

ユウカはすべきことがあると言って残った。早めに頼むぞ!と言う声に手を振りステータスカードを取り出す。そして何かを操作し始めた。
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