いいえ、ただの冒険者ですから!~大賢者は世界をぐるりと旅したい!~

シア風

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大賢者は魔に染まる。

夜中の出来事 夢編

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ユウカは考え事をしていた。実は不穏な影がこちらを……いや、アーサーを見ているのに気づいていたからだ。しかし、アーサー達は気づいていない様子だった。ユウカは対処の仕方を考えていたが、アーサーには暗殺を無効にする特殊なバリアが張ってある鎧があることを思いだし、安心して眠ることにした。

「ユウカちゃん?どうかしましたか?」

クリムが聞いてくる。恐らく心配してくれているのだろう。優しい子だ。しかし、別に眠いだけだし、

「……眠いから寝る。」

そう言い残して部屋に行った。この宿屋は一部屋にひとつしかベッドがないため、みんな部屋がバラバラである。ユウカは装備をみんな外して寝巻きに着替える。そして電気を切ってベッドに潜った辺りで他のみんなも上がってきた音がした。そして着替えの音が少し聞こえた。そこで初めて気づいた。

(寝るときは鎧脱ぐじゃん!)

ガバッと起き上がりどうするべきか考える。

(どうする?……いや、どうすることも出来なくないかな?このままじゃ……でもボクは今魔法使えないし…。)

ユウカは現在ナナイロ村で使った終焉魔法のデメリットで魔法が使えなくなっていた。どうすることも出来ないことに考えすぎた頭がパンクし何とかなるはずと何の根拠もないことを考えてしまった。そして不安を抱きながらも就寝した。


「んん~気持ちの良い朝だなぁ。」

そう言って自分の借りてる部屋の扉を開けると横の部屋……アーサーの部屋から血が流れていた。そして手が見える。見覚えのある手だった。繋ぎ覚えのある手だった。震える足を一歩ずつ踏みしめて近づいた。

(ありえない……アーサーがし、死んでるわけない…。)

そう思って近づいた。見覚えのある金髪だ。嘘だ。そう信じたい。しかし、そこにはアーサーが寝巻きで首を切られて死んでいた。

(あ……やだ……)

なんでなにもせずに寝たんだろう……。なんで心配せずに寝たんだろう…。

「……嘘だ。嘘だ。嘘だ。ウソだウソだウソだウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダウソダ!」

そのままユウカの目の前は真っ暗になっていった。
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