67 / 68
少女の旅は終わりを知らない。
ラッキーボーイ
しおりを挟む
「……は?」
急に口移しをし始めたユウカを見てガルビオスは変な声を上げた。ただ当たり前だろうが、一番驚いたのはガルビオスではなくアーサーだ。アーサーからするとパニック必須の行動をされたのだ。なお、アーサーに女性との経験はほぼ皆無である。
ふう、と飲ませることに成功したユウカは顔を真っ赤にしながらも飲ませたと言う達成感に浸っていた。
「……なぁ、なんで口移ししてんの?」
ガルビオスがアホみたいな口調で呟いた。それを聞いたユウカは「え!?」と驚いた顔をしていた。
「俺が言っていたのはな……」
ガルビオスはアーサーの口を無理矢理こじ開け、クランベリージュースを流し込んだ。そしてアーサーが吹く前に閉じて手で口をふさいだ。吐きたくても吐けないため、アーサーは泣きそうな顔ですべて飲み込んだ。
「こう言う意味だったんだが……。」
ガルビオスが実演込みで教えると、ユウカは耳まで真っ赤にして、
「そ……そう言うのは最初にちゃんと説明してよバカー!」
と言ってバタバタと走り去ってしまった。それを見送ったあと、ガルビオスはアーサーを見る。そして、
「喋れるくらいは潤ったか?」
そう言うとアーサーは少し掠れた声で「何とか……」と呟いた。
少し沈黙が続き、ガルビオスが口を開いた。
「このラッキーボーイが。」
「お前のせいでアンラッキーだよ。」
アーサーも負けじと言い返した。
「……と言うわけでここの王と会談をし、魔族と交戦しないように伝えてはおいた。その代わりにこちらも攻めない。とな。あ、魔物は知らんからな。アイツらに意思はないから。」
この一週間眠っていた間に起こったことをガルビオスに聞いた。
まず、ユウカに脅されてアーサー達三人を助けるように言われたこと。
その後、とある条件さえ呑んでくれれば魔族側からは攻撃を仕掛けない条約を結んだこと。
その条件は勇者アーサーと最低年一戦わせるということ。
「って、おい!どういうことだよ!…ゲホッゲホ」
うっかり掠れた声で大きな声を出したことでむせてしまう。ガルビオスが座位を保っているアーサーの背中をさする。無駄にガルビオスが優しいことが逆に気味が悪い。すると、
「ア、アーサー……」
ひょっこりとゆでダコ状態のユウカが顔を出す。ふとさっきの事を思いだしアーサーも赤面し始める。それを見たガルビオスは一瞬でイラッとした。しかし、
「……どうしたんだ?アーサーに用か?」
ガルビオスが怒りを隠して頑張っていると、ユウカはハッとして首をぶんぶん振ってから嬉しそうな顔で告げた。
「クリムとガンドフも起きたよ」
その言葉にアーサーはそうかと顔を緩めた。
急に口移しをし始めたユウカを見てガルビオスは変な声を上げた。ただ当たり前だろうが、一番驚いたのはガルビオスではなくアーサーだ。アーサーからするとパニック必須の行動をされたのだ。なお、アーサーに女性との経験はほぼ皆無である。
ふう、と飲ませることに成功したユウカは顔を真っ赤にしながらも飲ませたと言う達成感に浸っていた。
「……なぁ、なんで口移ししてんの?」
ガルビオスがアホみたいな口調で呟いた。それを聞いたユウカは「え!?」と驚いた顔をしていた。
「俺が言っていたのはな……」
ガルビオスはアーサーの口を無理矢理こじ開け、クランベリージュースを流し込んだ。そしてアーサーが吹く前に閉じて手で口をふさいだ。吐きたくても吐けないため、アーサーは泣きそうな顔ですべて飲み込んだ。
「こう言う意味だったんだが……。」
ガルビオスが実演込みで教えると、ユウカは耳まで真っ赤にして、
「そ……そう言うのは最初にちゃんと説明してよバカー!」
と言ってバタバタと走り去ってしまった。それを見送ったあと、ガルビオスはアーサーを見る。そして、
「喋れるくらいは潤ったか?」
そう言うとアーサーは少し掠れた声で「何とか……」と呟いた。
少し沈黙が続き、ガルビオスが口を開いた。
「このラッキーボーイが。」
「お前のせいでアンラッキーだよ。」
アーサーも負けじと言い返した。
「……と言うわけでここの王と会談をし、魔族と交戦しないように伝えてはおいた。その代わりにこちらも攻めない。とな。あ、魔物は知らんからな。アイツらに意思はないから。」
この一週間眠っていた間に起こったことをガルビオスに聞いた。
まず、ユウカに脅されてアーサー達三人を助けるように言われたこと。
その後、とある条件さえ呑んでくれれば魔族側からは攻撃を仕掛けない条約を結んだこと。
その条件は勇者アーサーと最低年一戦わせるということ。
「って、おい!どういうことだよ!…ゲホッゲホ」
うっかり掠れた声で大きな声を出したことでむせてしまう。ガルビオスが座位を保っているアーサーの背中をさする。無駄にガルビオスが優しいことが逆に気味が悪い。すると、
「ア、アーサー……」
ひょっこりとゆでダコ状態のユウカが顔を出す。ふとさっきの事を思いだしアーサーも赤面し始める。それを見たガルビオスは一瞬でイラッとした。しかし、
「……どうしたんだ?アーサーに用か?」
ガルビオスが怒りを隠して頑張っていると、ユウカはハッとして首をぶんぶん振ってから嬉しそうな顔で告げた。
「クリムとガンドフも起きたよ」
その言葉にアーサーはそうかと顔を緩めた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる