三兄弟の王子達は小さな宝を溺愛中

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身の丈にあった贅沢を

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小一時間程した後に戻って来たアヴェンタとアイオリア。その手には数多の袋が下げられており、2人を待っていたアデルは思わず苦笑を零した


「随分とたくさん買ったねぇ」

「思いのほかリアンに似合いそうな服がありまして」

「目移りするから店のもの全て買ってきたんだ」

「そしたらその中から好きなものを選んで着てもらおうか。リアン君、こちらにおいで」


袋から取り出した服をベッドの上に並べていく2人を見ながら、リアンはアデルの元へと歩み寄る。申し訳なさそうに傍まで来たリアンだが、アデルはそんな彼の手を取り視線を合わせる様にその場に膝を折った


「リアン君、この中で着てみたい服はあるかい?」

「えっと…」

「好きなものを選んで良いぞリアン。これなんかどうだ!ほらこの花の刺繍がなんとも可愛らしいと思うんだが…あ、嫌なら遠慮なく言ってくれ」

「…ぼく、花よりも…動物がいい…」

「動物か、ふむ……ならばこの辺りですね。これなんてどうです?1箇所だけ小さく動物の刺繍が施されていますよ」


恥ずかしそうに顔を俯むけたリアンの前にアイオリアが一着の服を差し出した。いたってシンプルな白無地のシャツ、けれど右袖の端に小鳥の刺繍が施されている。ペールブルーの着色が施されたそれは、自身の横に屈むアデルの髪色と同じだとリアンは心の中で呟いた。その服がいいと頷けば三人は笑顔を浮かべ承諾する


「それじゃあ、ここで着替えててくれるかい。僕は少し外すから何かあったら2人に遠慮なく言ってくれて構わないからね」


瞳を輝かせるリアンの頭を撫で、弟達に目配せを残したアデルは部屋を後にし王座にて待つ自身の父の元へと足を進めた。婚約を破棄するという報告と、先日滅ぼした国の実態…そしてその国から連れ帰ったリアンに関する事等々、言わなければならない事は数多ある。此方の話を聞き入れない頑固者ではないが、色々と聞かれる事だろう…これは長くなりそうだと深い息を吐き、王座の間へと続く重い扉に手をかけた














































✧••┈┈┈┈┈┈••✧


4時間にも及ぶ話し合いを終え、漸く王座の間から解放されたアデルはシェフ達のいる厨房へと足を運ぶ。こんな所に王子が来るとは思いもしていなかったシェフ達は突然の訪問に何か粗相があっただろうかと狼狽しはじめる。やぁ、と軽く手を上げたアデルの元に料理長が駆け寄れば、彼は柔らかな笑顔を浮かべ口を開いた


「今晩の食事なんだけど、変更しても構わないかな」

「はっ、はい、それは勿論!王子がお望みの御食事を提供するのが私共の務めでございますから」

「ありがとう。それじゃあ...パンを一つとスープ…あとは茹でた卵を一つと…そうだな、薄切りの肉を一切れ、それを四人前お願いね。あ、ジャムもあった方が良いか……食後のデザートにはいちごを」

「……はい?」


凡そ王子の口から出される事がないであろうラインナップに料理長は思わず眉を顰めアデルを見上げる。聞き間違いだろうかともう一度聞き返すが彼は同じ事を繰り返すだけだ


「その並べられてる料理は全部父と母、それから衛兵達にでもあげて。僕とアイオリアとアヴェンタは今言ったものでいい」

「し、しかし…そんな粗末な御食事を王子達にお出しする訳には」

「良いから、用意して」

「..かしこまりました」

「用意が出来たら部屋の前に置いておくだけでいい」

「はい」

「うん、頼んだよ」


これで今晩の食事は良し…変更を申し出た後は早々に厨房から足を運び出し弟達とリアンの居る私室へと急ぐ。急に豪華な料理を出されても、あの子はきっと遠慮して食べてはくれない。2人に買いに行かせた服もそう…城の者に一から繕わせるよりも、街の店で買ったものならば気後れせずに身に付ける事が出来るだろう。身の丈にあったもので少しばかり贅沢な程度が今のあの子には丁度いいのだと、アデルは一人頷いた
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