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第23話 写真に埋もれた死体
第23話 写真に埋もれた死体
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翌日。
藍里は、小山内兄妹の家を訪問していた。その隣には、稲垣と笠村が座ってじっと、藍里の言葉を待っていた。
「森野さん。話ってなんですか?」
先に口を開いたのは、怪訝そうな顔で尋ねてきた麻美子だった。
藍里は大きく息を吸って
「今回の小野原めぐみさんを殺害した犯人がわかったんです。」
と、だけ答えた。
「え…?」
「本当ですか?」
麻美子の言葉の後に、真己人が表情を変えずに答えた。
その言葉に頷くと、藍里はゆっくりと話し始めた。
「まず、凶器から説明させてください。凶器は、記録によりますと『3センチ幅のベルトのような物』 です。
その3センチ幅の物……実は、あなた方が所有していたカメラのベルトと全く同じ形状だったのです。」
「俺らにカメラ貸してくれって言ったのはその為か…。で?それで俺らどっちかが犯人だと?」
真己人が、クツリと笑うのに対して、麻美子は心配そうな顔をして真己人を見ていた。
「はい。その為に、ここに来ました。
犯人は、相当恨んでたんでしょう。カメラのベルトで小野原さんの首を絞めたあと、ポラロイドカメラを使って、被害者の写真を撮ってその写真を被害者の体の上に何枚ものせた。さらに、小野原さんが盗作したことで入賞した写真にも、大きく心無いことを書いて、その場に置いたのが、何よりの証拠です。
ここまで恨まれる理由はなんなのか………分かりますよね?あなたがたなら。」
「………まぁな。」
目線をずらして真己人が呟いた。そこまで話した藍里は、カバンから袋を取り出すと、それを2人の前に置いた。
「これは、今回の事件で現場に落ちていた、『犯人の物』と思われる証拠品です。」
それは、証拠品として回収されていたピアスだった。
そのピアスを見て、麻美子は目を見張ってすぐに真己人の方を見る。
真己人は、表情を一切崩さず、それどころか『言うのはわかっていました。』とでも言いそうな程藍里をじっとみていた。
「真己人さん。お手数ですが、あなたが持っているピアス……全て見せてくれませんか?全て。」
強調するかのように藍里がそう言うと、真己人は観念したかのようにポケットに手を入れると取り出したものを コトリ と置いた。
そこにあったのは、現場に落ちていたピアスと全く同じものであった。
「真己人…!?」
絶望的な声と共に、麻美子が立ち上がる。
真己人は、しばらく黙っていたが
「あぁ。そうだよ。俺が小野原めぐみを殺したんだよ。理由はあんたの推理どうり、恨みだ。あいつは……木村には、写真の才能があった。それなのに小野原は、嘲笑いながらそれを奪っていった………。許せなかったんだよ………小野原が………!親友の手柄を横取りされて、許せる奴があるか!!!!」
怒りに満ちた声を絞り出すかのように、真己人はそこまで話すとダン!!と拳をテーブルに叩きつけた。
真己人の荒い息遣いが数回聞こえたかと思うと、真己人はやがて落ち着きを取り戻して肩の力を抜いた。
「刑事さん。これでわかっただろ。俺が小野原めぐみ殺しの犯人だ。………覚悟は出来ている。」
観念したかのように立ち上がり、淡々と喋りだす真己人に、麻美子は食い下がるように真己人に縋り付く。
「嘘だよ!!ねぇ!嘘だって言って!ねぇ真己人!!!」
麻美子の言葉を無視して、真己人は呆然と立ち尽くしていた。
笠村は、無言のままスっと立ち上がるとポケットから手錠を取り出した。
しかし……。
「麻美子さんの言う通りです。真己人さん。嘘はやめてください。」
藍里の言葉で笠村の動きはピタリと止まることとなり、目を大きく見開いて藍里を凝視した。それは、稲垣と小山内兄妹も同じで、笠村と同じように目を見開いて藍里を凝視した。
「嘘……?」
笠村が小さく復唱する。
「ええ。私は、『犯人の行動』を言っただけであって、『真己人さんの行動』は言っていません。」
「どういう事だ?」
笠村が怪訝そうな顔で訪ねると、藍里はさらに続けた。
「近くにある、深夜までやっている雑貨店の防犯カメラを確認させて頂きました。そこに、真己人さん。あなたが写っていました。
貴方は、真っ先にピアスとピアッサーを購入されていましたね。
ピアスとピアッサーを購入したあと、私達に供述したように、コンビニに行って宿へ戻った。宿に戻ったあなたは、購入したばかりのピアスの片方を、犯行現場において、どこかでピアッサーで自らの耳にピアス穴を空けた。」
「その、雑貨屋にいたやつは違うやつだ。俺は、学生の頃からピアス穴を空けていて……。」
「それはありません。」
はっきりと否定した藍里は、持ってきたファイルから一枚の写真を取り出すと、2人の前に置く。
横野から預かったあの写真である。
「これは、横野さんからお預かりした写真です。この写真は、事件の前日に撮られています。」
「この写真がなんだっていうんだ!ただの俺達の写真だろ!!」
そこでようやく声を荒らげた真己人だったが、藍里は顔色ひとつ変えずに
「そこに写っているあなたが、あなたが言ったことが嘘であると証明しています。」
と答えた。
「この写真が?」
「貴方は、先程学生時代からピアス穴を空けていたと仰っていました。
けど、この写真………事件前日のあなたの耳には、そんな穴は全く見られませんよ?」
藍里の言葉に、言葉を詰まらせた真己人は、唇を噛んだ。
構わずに藍里は更に続けた。
「貴方は、現場にピアスを残し、更にもう片方を自分が持つことで、疑惑が自分に向くようにした。
真犯人を庇うためにね。」
「やめろ……。」
真己人がボソリと呟く。
しかし、藍里は構わずに続けた。
「その人物は、貴方にとって木村さんと同じくらい守りたいと思っている。だからこそ、今回の事件でその人が犯人だと知っていたか、目撃してしまって隠蔽しようとした。その人は………。」
「やめっ…!」
「もういい!!!!!!!!!!」
真己人の言葉を遮るように声を張り上げたのは、聞いていた麻美子であった。
その声に驚いた一同は、一斉に麻美子の方へと視線が集まった。
麻美子は、カタカタと拳を震わせると、肩で息をしながら
首を横に振る。
「もういい……………もういいんだよ真己人………そっか…………あの時、私がしたこと見てたの……………あんただったんだ………。」
ゆっくりと顔をあげる麻美子。
涙でぐしゃぐしゃになっていて、力なく笑っていた。
「な、なにがだ!?俺は何も知らない!!」
アタフタしながらそう叫んだ真己人だが、麻美子はボロボロと涙を流しながらソファに腰掛けると思い出すかのように語り出した。
「アンタは………小さい頃からそうだったよね。私がなにかしでかすと一緒に怒られてくれたり………庇ってくれたり………そして、今回も…………。」
涙声でそう呟いた麻美子は、手で涙を拭うと、真っ赤に腫れた目で藍里を見つめ
「森野さん。つまりこう言いたいんでしょ?
今回の小野原めぐみの殺人犯は……小山内麻美子だって……。」
と、確認した。静かに頷いた藍里は、視線を泳がせていたがそれを見透かしたのか、
「いいよ。犯行のこと。言っちゃって?」
と答えた。少し遠慮がちになりながらも、藍里は口を開いた。
「あなたは、小野原さんの部屋に訪室したあと、自分のカメラのベルトで首を絞めて小野原さんを殺害。
その後、ポラロイドカメラで遺体を撮影して、写真で埋めるように、小野原さんの体の上に大量にかぶせた。けど、それでも恨みがなかなか晴れず、あの、入賞した写真に暴言を書いてそのまま部屋を後にした。……そのあとのことは全く知らないはず。というのも、その後の真己人さんの起こした行動は、麻美子さん。あなたは一切知らなかったのですから。」
そこまで聞き終えた麻美子は、頭を垂れると
「ご名答です。」
とだけ答えた。
「けど、どうして私だと、断定出来たんですか?そこだけが分かりません。」
麻美子の質問。藍里はカメラのベルトを取り出すと、麻美子の前にそっとおいた。
「これは、あなた方のカメラのベルトです。ですが当然、これだけではどちらのベルトが使われたかなんてわかりません。
ところが、ここを見てください。」
そう言って藍里はひとつのベルトを指さした。
そこには、所々にキラキラと光るものが見えた。
「小野原 めぐみは、パパ活で2人のパパにあっていました。1人は木村さんの父親。そして、もう1人が佐々木 健という方です。
その方は、その日に、小野原めぐみに高いマニキュアを買い与えていました。
恐らく、そのマニキュアがものすごく気に入ったのでしょうね。
宿に戻ると、すぐにそれを爪に塗った。そして、まだ乾かないうちに、あなたに絞め殺された。
このラメは、小野原さんが抵抗する時についたのでしょうね。」
そこまで説明すると、麻美子は『あの時マニキュア臭かったのそれかー。』と、納得した様子だった。そして、悲しい顔をすると、ゆっくりと口を開いた。
「一樹はさ………話したけど、ホントにカメラバカなの。
あの写真だって、あの瞬間を撮りたいがために、時間ない中交通費や宿泊費の為にバイトして……時間や天気を気にして………何時間もあそこに待機して、やっととれた1枚だったの。
まっさきに私に見せてくれて、すごく綺麗で………たった一枚の写真の為に、そこまで頑張れる一樹がかっこよかった………。
なのに、めぐみは………その写真が入賞するって勘づいて………参考にしたいからって嘘言って………なに食わぬ顔で、あの写真を自分の名前にして、投稿したの…!!
一樹がお金と時間をかけて手に入れたあの1枚を…!
やっとの思いで撮れたのに……!
許せなかった……なんの努力もしないで……いつも美味しいところだけ持っていくめぐみが……!許せなかったの…!」
涙をボロボロと流して、それと共に膝をついて泣きじゃくる麻美子。それを、じっと見つめる真己人。
その部屋には、しばらく麻美子の嗚咽が聞こえてきていた………。
藍里は、小山内兄妹の家を訪問していた。その隣には、稲垣と笠村が座ってじっと、藍里の言葉を待っていた。
「森野さん。話ってなんですか?」
先に口を開いたのは、怪訝そうな顔で尋ねてきた麻美子だった。
藍里は大きく息を吸って
「今回の小野原めぐみさんを殺害した犯人がわかったんです。」
と、だけ答えた。
「え…?」
「本当ですか?」
麻美子の言葉の後に、真己人が表情を変えずに答えた。
その言葉に頷くと、藍里はゆっくりと話し始めた。
「まず、凶器から説明させてください。凶器は、記録によりますと『3センチ幅のベルトのような物』 です。
その3センチ幅の物……実は、あなた方が所有していたカメラのベルトと全く同じ形状だったのです。」
「俺らにカメラ貸してくれって言ったのはその為か…。で?それで俺らどっちかが犯人だと?」
真己人が、クツリと笑うのに対して、麻美子は心配そうな顔をして真己人を見ていた。
「はい。その為に、ここに来ました。
犯人は、相当恨んでたんでしょう。カメラのベルトで小野原さんの首を絞めたあと、ポラロイドカメラを使って、被害者の写真を撮ってその写真を被害者の体の上に何枚ものせた。さらに、小野原さんが盗作したことで入賞した写真にも、大きく心無いことを書いて、その場に置いたのが、何よりの証拠です。
ここまで恨まれる理由はなんなのか………分かりますよね?あなたがたなら。」
「………まぁな。」
目線をずらして真己人が呟いた。そこまで話した藍里は、カバンから袋を取り出すと、それを2人の前に置いた。
「これは、今回の事件で現場に落ちていた、『犯人の物』と思われる証拠品です。」
それは、証拠品として回収されていたピアスだった。
そのピアスを見て、麻美子は目を見張ってすぐに真己人の方を見る。
真己人は、表情を一切崩さず、それどころか『言うのはわかっていました。』とでも言いそうな程藍里をじっとみていた。
「真己人さん。お手数ですが、あなたが持っているピアス……全て見せてくれませんか?全て。」
強調するかのように藍里がそう言うと、真己人は観念したかのようにポケットに手を入れると取り出したものを コトリ と置いた。
そこにあったのは、現場に落ちていたピアスと全く同じものであった。
「真己人…!?」
絶望的な声と共に、麻美子が立ち上がる。
真己人は、しばらく黙っていたが
「あぁ。そうだよ。俺が小野原めぐみを殺したんだよ。理由はあんたの推理どうり、恨みだ。あいつは……木村には、写真の才能があった。それなのに小野原は、嘲笑いながらそれを奪っていった………。許せなかったんだよ………小野原が………!親友の手柄を横取りされて、許せる奴があるか!!!!」
怒りに満ちた声を絞り出すかのように、真己人はそこまで話すとダン!!と拳をテーブルに叩きつけた。
真己人の荒い息遣いが数回聞こえたかと思うと、真己人はやがて落ち着きを取り戻して肩の力を抜いた。
「刑事さん。これでわかっただろ。俺が小野原めぐみ殺しの犯人だ。………覚悟は出来ている。」
観念したかのように立ち上がり、淡々と喋りだす真己人に、麻美子は食い下がるように真己人に縋り付く。
「嘘だよ!!ねぇ!嘘だって言って!ねぇ真己人!!!」
麻美子の言葉を無視して、真己人は呆然と立ち尽くしていた。
笠村は、無言のままスっと立ち上がるとポケットから手錠を取り出した。
しかし……。
「麻美子さんの言う通りです。真己人さん。嘘はやめてください。」
藍里の言葉で笠村の動きはピタリと止まることとなり、目を大きく見開いて藍里を凝視した。それは、稲垣と小山内兄妹も同じで、笠村と同じように目を見開いて藍里を凝視した。
「嘘……?」
笠村が小さく復唱する。
「ええ。私は、『犯人の行動』を言っただけであって、『真己人さんの行動』は言っていません。」
「どういう事だ?」
笠村が怪訝そうな顔で訪ねると、藍里はさらに続けた。
「近くにある、深夜までやっている雑貨店の防犯カメラを確認させて頂きました。そこに、真己人さん。あなたが写っていました。
貴方は、真っ先にピアスとピアッサーを購入されていましたね。
ピアスとピアッサーを購入したあと、私達に供述したように、コンビニに行って宿へ戻った。宿に戻ったあなたは、購入したばかりのピアスの片方を、犯行現場において、どこかでピアッサーで自らの耳にピアス穴を空けた。」
「その、雑貨屋にいたやつは違うやつだ。俺は、学生の頃からピアス穴を空けていて……。」
「それはありません。」
はっきりと否定した藍里は、持ってきたファイルから一枚の写真を取り出すと、2人の前に置く。
横野から預かったあの写真である。
「これは、横野さんからお預かりした写真です。この写真は、事件の前日に撮られています。」
「この写真がなんだっていうんだ!ただの俺達の写真だろ!!」
そこでようやく声を荒らげた真己人だったが、藍里は顔色ひとつ変えずに
「そこに写っているあなたが、あなたが言ったことが嘘であると証明しています。」
と答えた。
「この写真が?」
「貴方は、先程学生時代からピアス穴を空けていたと仰っていました。
けど、この写真………事件前日のあなたの耳には、そんな穴は全く見られませんよ?」
藍里の言葉に、言葉を詰まらせた真己人は、唇を噛んだ。
構わずに藍里は更に続けた。
「貴方は、現場にピアスを残し、更にもう片方を自分が持つことで、疑惑が自分に向くようにした。
真犯人を庇うためにね。」
「やめろ……。」
真己人がボソリと呟く。
しかし、藍里は構わずに続けた。
「その人物は、貴方にとって木村さんと同じくらい守りたいと思っている。だからこそ、今回の事件でその人が犯人だと知っていたか、目撃してしまって隠蔽しようとした。その人は………。」
「やめっ…!」
「もういい!!!!!!!!!!」
真己人の言葉を遮るように声を張り上げたのは、聞いていた麻美子であった。
その声に驚いた一同は、一斉に麻美子の方へと視線が集まった。
麻美子は、カタカタと拳を震わせると、肩で息をしながら
首を横に振る。
「もういい……………もういいんだよ真己人………そっか…………あの時、私がしたこと見てたの……………あんただったんだ………。」
ゆっくりと顔をあげる麻美子。
涙でぐしゃぐしゃになっていて、力なく笑っていた。
「な、なにがだ!?俺は何も知らない!!」
アタフタしながらそう叫んだ真己人だが、麻美子はボロボロと涙を流しながらソファに腰掛けると思い出すかのように語り出した。
「アンタは………小さい頃からそうだったよね。私がなにかしでかすと一緒に怒られてくれたり………庇ってくれたり………そして、今回も…………。」
涙声でそう呟いた麻美子は、手で涙を拭うと、真っ赤に腫れた目で藍里を見つめ
「森野さん。つまりこう言いたいんでしょ?
今回の小野原めぐみの殺人犯は……小山内麻美子だって……。」
と、確認した。静かに頷いた藍里は、視線を泳がせていたがそれを見透かしたのか、
「いいよ。犯行のこと。言っちゃって?」
と答えた。少し遠慮がちになりながらも、藍里は口を開いた。
「あなたは、小野原さんの部屋に訪室したあと、自分のカメラのベルトで首を絞めて小野原さんを殺害。
その後、ポラロイドカメラで遺体を撮影して、写真で埋めるように、小野原さんの体の上に大量にかぶせた。けど、それでも恨みがなかなか晴れず、あの、入賞した写真に暴言を書いてそのまま部屋を後にした。……そのあとのことは全く知らないはず。というのも、その後の真己人さんの起こした行動は、麻美子さん。あなたは一切知らなかったのですから。」
そこまで聞き終えた麻美子は、頭を垂れると
「ご名答です。」
とだけ答えた。
「けど、どうして私だと、断定出来たんですか?そこだけが分かりません。」
麻美子の質問。藍里はカメラのベルトを取り出すと、麻美子の前にそっとおいた。
「これは、あなた方のカメラのベルトです。ですが当然、これだけではどちらのベルトが使われたかなんてわかりません。
ところが、ここを見てください。」
そう言って藍里はひとつのベルトを指さした。
そこには、所々にキラキラと光るものが見えた。
「小野原 めぐみは、パパ活で2人のパパにあっていました。1人は木村さんの父親。そして、もう1人が佐々木 健という方です。
その方は、その日に、小野原めぐみに高いマニキュアを買い与えていました。
恐らく、そのマニキュアがものすごく気に入ったのでしょうね。
宿に戻ると、すぐにそれを爪に塗った。そして、まだ乾かないうちに、あなたに絞め殺された。
このラメは、小野原さんが抵抗する時についたのでしょうね。」
そこまで説明すると、麻美子は『あの時マニキュア臭かったのそれかー。』と、納得した様子だった。そして、悲しい顔をすると、ゆっくりと口を開いた。
「一樹はさ………話したけど、ホントにカメラバカなの。
あの写真だって、あの瞬間を撮りたいがために、時間ない中交通費や宿泊費の為にバイトして……時間や天気を気にして………何時間もあそこに待機して、やっととれた1枚だったの。
まっさきに私に見せてくれて、すごく綺麗で………たった一枚の写真の為に、そこまで頑張れる一樹がかっこよかった………。
なのに、めぐみは………その写真が入賞するって勘づいて………参考にしたいからって嘘言って………なに食わぬ顔で、あの写真を自分の名前にして、投稿したの…!!
一樹がお金と時間をかけて手に入れたあの1枚を…!
やっとの思いで撮れたのに……!
許せなかった……なんの努力もしないで……いつも美味しいところだけ持っていくめぐみが……!許せなかったの…!」
涙をボロボロと流して、それと共に膝をついて泣きじゃくる麻美子。それを、じっと見つめる真己人。
その部屋には、しばらく麻美子の嗚咽が聞こえてきていた………。
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