森野探偵事務所物語 ~2~

巳狐斗

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第1話 ホストクラブ

第1話 ホストクラブ

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開店とともに、女性客が押しかけてくるパラダイス。




「いらっしゃいませー!パラダイスへようこそ!」



2列に並んだホスト達が、お客様をお迎えしてその間を女性達が キャイキャイ 言いながら歩いていく。



「い、いらっしゃいませー…。」



その中、藍里はぎこちない動きで頭を下げた。
藍里は『内勤』というアルバイトとして、その時だけ全体を見てほしいということだった。






「本当だったら、内勤は色々なことするんだけど、こういう店は初めてということもあるし、何よりも全体を見て欲しいからね。お客としてソファに留まるのも怪しまれるし、いっその事働きながら、見張って欲しいな。

大丈夫。他の内勤の人には伝えてあるから、ヘルプの導入は任せればいいよ。」





というのが、ライトの考えであった。


打ち合わせ通り、内勤の仕事の一つである飲食の提供をしながら、一人一人のお客様を確認する。


どの人も、資産家だったりキャバ嬢だったり、中には、エステ経営者や投資家たちもいた。




所々から聞こえてくる誕生日を祝うためのシャンパンコールを、藍里は横目で見ながら帰宅されるお客様の金額を計算していた。




「………っと、こんなもんか……合計金額は………23万円!!?」




とんでもない金額を見て、その名の通り驚愕した。




「普通に飲み食いして、5万以上もするシャンパン飲みゃそんくらい行きますよ。」


「ホスト………凄いな。」

藍里は気後れしながらも、伝票を持ってお客様の元へと向かった。









(それにしてもだ!)




藍里はおかしくなりそうな空間の中、必死に頭を働かせて麻田 玲子さんを殺害を目論もうとしている、犯人像を思い浮かべていた。








(犯人は、玲子さんを狙っている。原因は恐らく嫉妬。殺害をするとしたらなんだ?可能性としては毒物だけど、こんな状況で……どうやって盛る?)





犯人の像を予想しながら、藍里はふと、ライトの言葉を思い出した。







「実は、玲子さんのお子さんと僕はお付き合いしてて………玲子さんはその事実を知っているんです。

というか、玲子さんがくっつけたんですが。

だけど、そんな中僕は別に好きな人が出来てしまって………もしかしたらその子供かもしれない。」







嫉妬によるものなら、確かにその子供が………というものも考えられる。





「あ!探偵!アレ!」






そんな時、崇ことRYUがある人を指さした。示した方を向くと、そこには綺麗な身なりをした女性が立っていた。




その人は綺麗な仕草で行くに座る。






「あれ、麻田  麗奈さん!隣町のホステスで、No.1なんだってよ!」






「へぇ。」





藍里はその人を凝視すると、1人のホストの男がヘルプとして現れた。






「あ?麗奈さんに タツルをヘルプに入れるのかよ。大丈夫か?」





「タツル?」





「新米ホスト。つってももう2ヶ月くらいだから、そろそろ客とれてくれねぇと困るけどな。」



ケラケラ笑いながら崇はそう言ったが、ボーイに呼ばれると返事をしてそちらに向かっていった。



タツルと呼ばれた男は、綺麗な金髪をしていて、涙袋が少し幼さを感じる。


極めつけは、左目の近くにホクロがあって、それが、魅力的に感じられる。







「森野さん!」






そのテーブルを穴があくぐらいに見ていたら、不意に名前を呼ばれ、そちらの方をむくと、1人の内勤が慌ただしく近寄ってきた。




「急いでライトさんを呼んで!」



「え?どうしたんですか?」



「来たんだよ…!麻田 玲子さんが…!!」





その男の言葉に、藍里は固まった……。





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