9 / 19
第1話 ホストクラブ
第1話 ホストクラブ
しおりを挟む
笠村と稲垣がタツル、内田、ヘルプに入ったホスト、その近くに座っていたお客等などと、事情聴取を行っていくと、次は麻田玲奈の番になった。
「…次は貴方様です。さぁ…。」
「悪いんだけどさぁ。」
すると、麻田はタバコを吐きながら2人を睨みつけるとため息混じりに答えた。
「もう私これから約束あるし、話はまた今度にしてくれない?」
「いや、すぐ済みますので、もう少し………。」
「嘘。さっきからすぐ済むって言って長い人で15分もかかってるんだけど?」
気づかなかったようで、それを指摘された2人は驚いて目を見開き、互いに顔を見合った。
正直、藍里も事情聴取に耳を傾けていたから、その事実に初めて気づいた。
よく見ている…。
「だからさ。話したいなら、ここに連絡ちょうだい?日にもよるけど、話くらいならいくらでもするから。じゃあね。」
とだけ吐き捨てると、麻田は自らの名刺を笠村に押し付けてさっさと店を出ていってしまった。
「………派手な名刺だな。」
苦笑いをしながら笠村が名刺を確認する。
黒地の紙に、白色で店の名前でもある『アイランド』というロゴに
『麻田 麗奈』
と、黄色の文字で書かれていて、光に照らすとラメがキラキラと輝いていた。
「やっぱ、どうとも思ってないかもな?麗奈さん。ほら。お母さんと仲悪いじゃん?あの噂だって………。」
「おい。やめとけよ。」
藍里の後ろで、小声でそういう声が聞こえてきた。
「あの、あの噂って?」
藍里が振り向いて訪ねると、二人はギョッとした顔をして藍里を見たが、すぐに「なんでもない」と返してそそくさと立ち去ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「え?藍ちゃん知らないの?結構有名だよ!?」
麻田玲子のことを話した藍里は、玲子の噂に関することを尋ねたところ、陽菜は目を丸くして叫んだ。
「麻田玲子は、結婚して子供も生まれたんだけど、その子、女の子だったの!でも、玲子さんは跡継ぎとかそういうのを気にする人だったから、男の子を産みたかったんだって。
でも、2人目の妊娠の時に不慮の事故でお腹の子供がなくなって、子供も産めない身体になっちゃったんだって。
それで、旦那さんと離婚することになって、その子供は玲子さんが引き取ったんだけど男の子として育ててきた。
スカートは絶対はいちゃダメだし、髪の毛も伸ばすのを許さなかった。服も男の子の服で、制服時代には男子の格好。
その子が女の子だって訴えても、『男だ!』って言って許さなかったみたい。」
話を聞いて、藍里は眉間に皺を寄せた。
玲子は、自分の願望を全て子供に押し付けていた。
男の格好をさせて、男として育てる。
なんともひどいやり方である。
「可哀想だよね。ずっと、親の思うままにされてきたみたい。
そんな中、その娘さんは恋をした。相手はホストのライトさん。
けど、それを知った玲子さんは当然それを許さなかった。
けど、今度は娘さんも反抗したんだって。そうしたら、玲子さんは条件を出した。
夜の仕事でトップになってみろ。そうしたら認めてやるって………。」
「そんなことがあったんだ……。」
ポソりと呟いた藍里に、陽菜は身を乗り出すと
「ねぇ、警察は黙ってるけど、本当に殺されちゃったの?玲子さん。」
「うん。まだどうやって毒を入れられたのか分からないの。……一応、チョコレートのお皿を鑑識に回してるけど…。」
「結果待ち?」
藍里は静かに頷く。
「けど、藍ちゃん。あまり詰め込みすぎるのも良くないし、たまには……。」
「藍里ー!陽菜ー!!」
その時だ。そんな大声を出してこちらにやってくる姿が見えた。
香苗である。
「ねぇねぇ!このあと講義ある!?よかったら今からスフレのパンケーキの割引券があって、今日までなんだけど一緒に行かない!?」
「あ!行く行く!陽菜参加しまーす!」
「陽菜きまり!藍里は?」
「ごめん。すっごく行きたいけど、今日バイトが急に入っちゃって…。」
「マジかー。しょうがないよ!気にしないで!」
香苗はにっこりと笑って答えた。
「藍ちゃん!また明日ね!」
そう言い残した陽菜と共に、2人は行ってしまった。
藍里は腕時計に刻まれている時間を確認すると、
「行くか。」
と呟いて立ち上がった。
「…次は貴方様です。さぁ…。」
「悪いんだけどさぁ。」
すると、麻田はタバコを吐きながら2人を睨みつけるとため息混じりに答えた。
「もう私これから約束あるし、話はまた今度にしてくれない?」
「いや、すぐ済みますので、もう少し………。」
「嘘。さっきからすぐ済むって言って長い人で15分もかかってるんだけど?」
気づかなかったようで、それを指摘された2人は驚いて目を見開き、互いに顔を見合った。
正直、藍里も事情聴取に耳を傾けていたから、その事実に初めて気づいた。
よく見ている…。
「だからさ。話したいなら、ここに連絡ちょうだい?日にもよるけど、話くらいならいくらでもするから。じゃあね。」
とだけ吐き捨てると、麻田は自らの名刺を笠村に押し付けてさっさと店を出ていってしまった。
「………派手な名刺だな。」
苦笑いをしながら笠村が名刺を確認する。
黒地の紙に、白色で店の名前でもある『アイランド』というロゴに
『麻田 麗奈』
と、黄色の文字で書かれていて、光に照らすとラメがキラキラと輝いていた。
「やっぱ、どうとも思ってないかもな?麗奈さん。ほら。お母さんと仲悪いじゃん?あの噂だって………。」
「おい。やめとけよ。」
藍里の後ろで、小声でそういう声が聞こえてきた。
「あの、あの噂って?」
藍里が振り向いて訪ねると、二人はギョッとした顔をして藍里を見たが、すぐに「なんでもない」と返してそそくさと立ち去ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「え?藍ちゃん知らないの?結構有名だよ!?」
麻田玲子のことを話した藍里は、玲子の噂に関することを尋ねたところ、陽菜は目を丸くして叫んだ。
「麻田玲子は、結婚して子供も生まれたんだけど、その子、女の子だったの!でも、玲子さんは跡継ぎとかそういうのを気にする人だったから、男の子を産みたかったんだって。
でも、2人目の妊娠の時に不慮の事故でお腹の子供がなくなって、子供も産めない身体になっちゃったんだって。
それで、旦那さんと離婚することになって、その子供は玲子さんが引き取ったんだけど男の子として育ててきた。
スカートは絶対はいちゃダメだし、髪の毛も伸ばすのを許さなかった。服も男の子の服で、制服時代には男子の格好。
その子が女の子だって訴えても、『男だ!』って言って許さなかったみたい。」
話を聞いて、藍里は眉間に皺を寄せた。
玲子は、自分の願望を全て子供に押し付けていた。
男の格好をさせて、男として育てる。
なんともひどいやり方である。
「可哀想だよね。ずっと、親の思うままにされてきたみたい。
そんな中、その娘さんは恋をした。相手はホストのライトさん。
けど、それを知った玲子さんは当然それを許さなかった。
けど、今度は娘さんも反抗したんだって。そうしたら、玲子さんは条件を出した。
夜の仕事でトップになってみろ。そうしたら認めてやるって………。」
「そんなことがあったんだ……。」
ポソりと呟いた藍里に、陽菜は身を乗り出すと
「ねぇ、警察は黙ってるけど、本当に殺されちゃったの?玲子さん。」
「うん。まだどうやって毒を入れられたのか分からないの。……一応、チョコレートのお皿を鑑識に回してるけど…。」
「結果待ち?」
藍里は静かに頷く。
「けど、藍ちゃん。あまり詰め込みすぎるのも良くないし、たまには……。」
「藍里ー!陽菜ー!!」
その時だ。そんな大声を出してこちらにやってくる姿が見えた。
香苗である。
「ねぇねぇ!このあと講義ある!?よかったら今からスフレのパンケーキの割引券があって、今日までなんだけど一緒に行かない!?」
「あ!行く行く!陽菜参加しまーす!」
「陽菜きまり!藍里は?」
「ごめん。すっごく行きたいけど、今日バイトが急に入っちゃって…。」
「マジかー。しょうがないよ!気にしないで!」
香苗はにっこりと笑って答えた。
「藍ちゃん!また明日ね!」
そう言い残した陽菜と共に、2人は行ってしまった。
藍里は腕時計に刻まれている時間を確認すると、
「行くか。」
と呟いて立ち上がった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる