夢遊病の妹は俺が護る!!

人間無味

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プロローグ:僕と妹だけの秘密

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 「ねぇ、お兄ちゃん。靴下、また私の洗濯物と一緒に回したでしょ」


 僕の名前は、北原卓也きたはらたくや。マジでどこにでもいる、量産型の高校二年生。


 そして今、凄まじい嫌悪感を顔に露呈させながら俺に文句を言っているのは北原ももきたはらもも。僕の妹である。


 妹とは歳が三年離れており、ももは中学二年生。思春期真っ盛りということもあり、いつも喧嘩___というか僕が一方的に叱られる事が多々ある。母が言うには「ももはあんたをお父さんの代わりだと思ってるのよ、だからある程度の文句は愛情表現としてありがたく受け取りなさい」と言うが、この至極嫌そうな顔を見ているととてもそうは思えない。黙ってりゃ普通に可愛い妹なんだがな...。


 納得のいかない表情をあらわにしていると、ももがそれまで以上に顔をムーッとさせ、艶やかな黒髪をかきあげながら俺に言った。


 「お兄ちゃん、聞いてる?と・に・か・く、私とお兄ちゃんの洗濯物は別々!分かった?」

 ソフトテニス部とは思えないほど白くて綺麗なももの人差し指が俺の眼前に来る。「へいへい、次から気を付ける」と言って立ちあがり、俺は自分の部屋へ戻ることにした。

俺の部屋は、一段につきギシギシとオプションサウンドが付いてくる魔法の階段を登った二階の一番奥にある。ももの部屋が隣にあり、母は一階の和室で寝ている。ここまでくれば俺の家庭が母子家庭なのは察しがついたと思う。そう、今は母とももと俺の三人で、祖父が遺してくれた築六十年の木造建築に住んでいる。ギシギシ言う階段も、天井にネズミの大群が文明を築いている事だって、雨風もしのげて家賃も払わなくていいんだから関係ないよね!【泣】


 部屋に戻った俺はというと、いつものように小説とマンガを小一時間読み漁り、少しスマホをいじる。ただいまの時刻は十一時半。そろそろかな。いつものアイツが来る時間だ。

 俺の部屋のドアがギィィと開く。俺は驚きもせず、ただ身構えていた。ドアが全て開ききり、ドアを開けた張本人が「失礼します」もなしに代わりに「おにぃ、ゴメンね」とだけ言って俺の部屋に入ってきた。そう、俺の部屋に入ってきたのは、紛れもなくももだった。




 「おにぃ、さっきはゴメンね。私、おにぃのこと臭いなんて思ってないからね、ホントだよ?」

 甘すぎる声が俺の耳の中いっぱいに広がっていく。さっきまでのツンツン対応はシベリア半島付近に飛んでいったのか?全く。分からない人のために説明すると、俺の妹【北原もも】は寝ている間、無意識に外を歩いたり、思わぬ行動をとってしまう夢遊病という病である。

 原因は分からない。初めてももが夢遊病を見せたのは一年前の夏。これまでにないむさ苦しさで起きた俺は目を疑った。俺しか居ないはずの部屋にももが居るのだ。しかもベッド上、俺のすぐ隣に。薄い無地の白シャツから何やら見えてはいけないモノが見えそうな気がして俺は慌てて反対を向いた。その日を境に毎日、ももは夢遊病になっては、俺の部屋に来ている。始めは隣で寝ているだけだったからいい。しかし、今は動くのだ、まるで起きているかのように。しかも、ある程度したら満足するのか自分の部屋に戻っていくため、朝起きたももには昨夜の記憶はない。そして、最大の問題は____________________________。



 「おにぃ、私のこと、すき?」

 なんか夢遊病の間だけ滅茶苦茶デレデレになるのである!!!!冒頭にも言ったが、俺の妹は黙ってれば普通に可愛い。デレデレされれば可愛さは二倍、いや、五倍に跳ね上がる。お母さんは一階。二階には俺とももだけ。

 俺は、おれは!!!!!!

 実の妹に手を出してしまいそうな毎日を送っているんだァァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!!!




次回!最終回!俺と妹の夜の行方!お楽しみに!!
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