異世界で猫に拾われたので

REON

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chapter.5

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「いらっしゃい。朝に来るのとは珍しいじゃないか」
「娘の衣装を買い揃えに来た」
「ああ。一気に暑くなったしな」

三人が向かったのはギルド近くの食堂。
カウンターの中から顔を覗かせた店主に答える天虎。
帝都に来た時は、熱病が流行っていた時に初めて立ち寄ったこの食堂で食事をすることが多い。

「今日は娘さんの他にもお連れさんが一緒なんだな」
「私の元で鍛えるために預かっている」
「お弟子さんってことか?」
「弟子……そういうことになるな」

さすが立派な白鷹を連れた青年の弟子と言うか。
まだ若いだろう少年が肩に乗せた黒鷹もまた立派な。

「ん?いつもの娘はどうした」
「依頼を出しにギルドへ行ってる」
「依頼?」

三人が席に着くと店主がメニューを持って来たのをみて、漸くそこでいつもの給仕が居ないことに気付いた天虎。

「最近暑いだろう?うちもメニューを夏用に変えたはいいが、商店に入荷される野菜や肉の種類が安定してなくてな。ギルドに依頼して冒険者に狩ってきて貰うことにしたんだ」

店主の話を聞いてメニューを確認するブランシュ。
確かに温かいメニューより冷たいメニューが増えている。

「他の肉や野菜では駄目なのか」
「依頼しても手に入らないということなら仕方ないが、毎年夏になると出している料理に違う肉や野菜を使って出すのもな。それが好きで来てくれた人に申し訳ないだろう?」

分かる。
使うお野菜やお肉を変えてしまうと味や食感が変わるし、それはもう別のお料理になってしまうから。
おじさんはそのお料理を食べに来た人をがっかりさせたくないんだと思う。

同じく料理を作る者として納得の理由に頷くブランシュ。
お客さまが喜んでくれるお料理を作るために妥協したくないおじさんは素晴らしい料理人だと。

「食事の後に行って残っていたら私が依頼を受けよう」
「え?高ランクの冒険者が受けるような依頼じゃないぞ?」
「そろそろ魔物と戦わせる頃合いだと思っていたところだったからな。弱い魔物ならちょうどいい」

ああ、少年の訓練か。
天虎がライノを見て店主は納得する。

「依頼を受けてくれるのはありがたいが……大丈夫なのか?弱いと言っても私が依頼を出した魔物はCランクだが」

布で隠しているということは目を怪我したか何かで見えないんだろうと思った店主は心配そうにライノを見る。

「ご安心ください。目が見えない訳ではありません」

目元に布を巻いているから心配されてるのかと気付いたライノは布を少しずらして店主を見る。

「あれ?そうなのか。てっきり怪我をしてるのかと」
「視覚以外の五感を鍛えるために目を隠しているだけだ」
「それはまたとてつもないことをさせてるな」
「出来ることしかさせていない」

つまりこの少年なら出来ると思っていると。
弟子にしただけあって信頼しているようだ。

「じゃあ残っていたら頼む」
「ああ。その前に美味い料理を食べてからな」
「張り切って作ろう」

豪快に笑う店主にブランシュもニコニコ笑った。

それから数十分。

「ただいま戻りました!」

メニューを見て注文したあとまたライノは布で目を隠し、三人で会話しながら料理が運ばれて来るのを待っていると、ギルドに行っていた給仕が戻って来る。

「あ、ブランさんとブランシュちゃん。いらっしゃいませ。いつもありがとうございます」
「ああ」

まだ早朝で天虎たちしか居らず、店に入ってすぐ気付いた給仕は真っ先に挨拶をしてチラリとライノを見る。
怪我をしてしまったのかと思いつつも余計なことは言わず軽く頭を下げて厨房へ入って行った。

「依頼を出してきました」
「ありがとう。食事をした後に行ってまだ依頼が残ってたらブランさんが受けてくれるそうだ」
「え?ブランさんってAランクでしたよね?高ランクの冒険者が受けるほど難しい依頼じゃないですよ?」

指名依頼を受けて高難度の依頼をこなす天虎のギルドランクは既にBからAになっていて、いつも支払いの時に使っているギルドカードの色でランクを知っている給仕は手を洗いながら大きく首を傾げる。

「一緒に来た弟子の訓練にちょうどいいそうだ」
「怪我をしてるのに戦わせるってことですか?」
「目元のあれは怪我じゃない」
「え?」
「視覚以外の五感を鍛えるために目を隠してるらしい」
「ええ……凄い訓練をさせられてますね」

冒険者は怪我を負うことも多いから包帯を巻いている人も珍しくないけれど、まさかそんな理由で布を巻いていたとは思わず女給は驚いた顔をする。

「まだ年若い少年だが、高ランクのブランさんが訓練にちょうどいいと判断するだけの実力がある子なんだろう」
「将来有望なんですね」
「ああ。あの少年は色々な意味で将来有望だろうな」
「色々な意味?」

また首を傾げる給仕に店主は苦笑する。
あの容姿なら女性から引く手数多だろう。
そういう意味でも将来有望。


「お待たせしました」
「少年の料理だな」
「そのようですね。私の前にお願いします」
「はい」

給仕が最初に運んで来たのはトーストのセット。
こんがりと焼けたトーストの香りで分かったライノは給仕へ自分の前に置いてくれるよう頼む。
人との接触を嫌悪するライノは万が一にも手が触れるということがないよう受け取ることが出来ない。

ライノの前のテーブルにトーストの乗った皿やサラダとスクランブルエッグが乗った皿やカトラリーを置く給仕。
怪我ではなく鍛錬のためにわざわざ布を巻いていることを聞いたから、チラリと顔を確認しながら。

最初はそんな興味本位で。
その後はその容姿のよさが気になりチラチラと見る。
目元は布で隠れていて見えないけれど、見えている部分だけでも容姿端麗だと分かる。

そんな給仕をジッと見るブランシュ。
黒鷹さんが居るから魅了体質は効かないはずなのに、と。
あの時の侍女のように抱き着こうとしたら止めようとライノを見ている給仕をジッと見ていると、視線に気付いたのかブランシュと目が合った給仕は軽く頭を下げて歩いて行った。

『あれ?違った?』
『ん?なにが?』

何かするでもなく去った給仕の後ろ姿を見て首を傾げるブランシュに天虎はフッと笑う。
珍しく届いた料理ではなく給仕を見ていると思えば、少年を心配していたのかと。

【あの給仕はヒトの子が言う面食いというやつなのだろう。光の一族の少年と食事をした時も気にしていたからな】
『ヴァルお兄さんの時も?魅了は関係ないってこと?』
【ああ。ヒトの子が如何にも好みそうな容姿のいい少年だから気になって見ていただけで、魅了体質は関係ない】
『なんだ。良かった』

魅了体質は関係ないと聞いてブランシュはホッとする。
ライノとしては魅了されて見ていた訳ではないならいいのかと複雑な心境だけれど。

「冷める前に食べろ」
「はい。お言葉に甘えてお先に頂戴いたします」

そう答えてライノは苦笑した。


三人とも食事を終え、会計のタイミングでライノはブランシュを抱っこして店主に頭だけ下げると出入口の傍で待つ。
自分を見ていたらしい給仕をなるべく避けるために。

「今日も美味かった」
「そう言って貰えると作った甲斐がある」

いつも通りギルドカードで会計をしながら会話をする天虎と店主を他所にチラリとライノの方を見る給仕。

「ああ見ると仲のいい兄妹のようですね」
「少年の方は娘を伴侶にするつもりなようだがな」
「え?ブランシュちゃんと歳が離れてますよね?」
「歳?あの少年も未成年だが?それに、好きになることに年齢は関係ないと思うがな。私の娘は容姿だけでなく中身も愛らしいのだから好意を抱いてしまうのも仕方のないことだ」

給仕に答えてドヤる天虎を店主は笑う。
相変わらず娘を溺愛しているなと。

「父親の許可を貰うのが何よりも苦戦しそうだ」
「私を倒せるようになったら考えてやる」
「娘が婚期を逃さないようほどほどにな」
「あの少年も含め、相手の男次第だ」

ブランシュが年頃になって望むなら嫁がせるつもりはあるが、守れもしない弱い男に嫁がせるつもりはない。
娘は神々と大精霊から愛される清浄の祝い子なのだから。

「このままギルドに行って依頼を確認して来よう」
「ああ。残っていたらよろしく頼む」

最後にそう店主と話して店を出た。

「ご馳走いただき恐縮です。美味しくいただきました」
『ご馳走さまでした』
「腹が満たされたなら何よりだ」

ご馳走になったことに感謝を伝えたライノとブランシュに天虎は軽く返す。

「先にギルドへ行って店主の依頼が残っているか確認する。そのあとにお前の手紙を預けて買い物に回ろう」
「はい」

今日の目的はブランシュとライノの衣装を買うこと。
ただ、依頼は先に受けておかないと用事を済ませた後に行ってもなくなっている可能性が高いから、真っ先に行くのはギルド本部。

すれ違う人を避けながらギルドに向かう三人。
白髪と黄金色の目の特徴的な容姿をしていて肩に白鷹の魔物を乗せている背の高い青年と、色違いの黒鷹の魔物を肩に乗せ布で目隠しをしているアイスブルー髪の盲目少年。
青年が腕に抱いてる、白く長い髪と白い肌と黄金色の瞳の少女も含め、眉目秀麗で容姿端麗。

そんな三人が目立たない訳もなく、初めて見た人も以前にも見かけたことがある人も興味津々に三人を眺める。
街の人も冒険者も老若男女関係なく。

反対に、見知らぬヒトの子に興味がない天虎も、幼い頃から見られ慣れているライノも、白鷹と黒鷹の精霊が珍しくて見ていると勘違いしているブランシュも、その視線を気にすることもなければ見返すこともしなかったけれど。

帝都ギルド本部のリバースに着いて中に入った三人。
本部の冒険者たちにはもうお馴染みになっている天虎とブランシュの二人に目隠しをした盲目の少年が増えているとあって、興味津々にライノを眺める者も。

そんな三人が向かったのは依頼が貼られた掲示板。
いつもは真っ直ぐカウンターに向かうのに、今日は通常依頼を受けるんだろうかと顔を見合わせる冒険者もちらほら。
高ランクの天虎が何の依頼を受けるのか気になって、既に依頼を受けた後なのにコソコソと確認に行く。

「どうですか?まだ残ってましたか?」
「少し待て。貼られている依頼の数が多い」

確認に来る冒険者とは逆に天虎たちが来る前から掲示板の前に居て依頼書を見ていた冒険者たちは、見下ろされるほど背が高い天虎から背後に立たれるとひんやり寒気がして、何を言われた訳でもないのにスススっと横に避け場所を譲る。

『あ!まだあったよ!ジェム亭!』

冒険者たちが本能的に恐れを感じていることなど露知らず、天虎に抱っこされているブランシュが食堂の名前が書かれた依頼書を見つけて掲示板を指さし教える。

「あの食堂はジェム亭というのか」
「え?よく行かれているのでは?」
「名前を気にしたことがなかった」
「ええ……ブランシュは知っていたのに」

C級のスタンプが押された依頼書を見て初めて食堂の名前を知ったらしい天虎に苦笑するライノ。
思えば帝都で朝食を摂ろうと話していた時も『帝都に行った時に寄る食堂』としか言っていなかったと気付いて。

「これはどのようにして依頼を受けるんだ?」
「依頼書を取って受付に持って行きます」

周りで聞き耳を立てていた冒険者たちは、Aランクなのに通常依頼の受け方を知らなかった天虎に内心驚く。
今は指名依頼だけで生計を立てているのだとしても、そこに辿り着くまでに通常依頼もこなしてきているはずなのに。

そのように冒険者の常識を知らないことに驚く人も居れば、AランクなのにC級の依頼を受けるのかと驚く人も。
駆け出し以外のパーティなら依頼をこなせる程度の内容がC級に振り分けられるから、普段から依頼料も危険度も高い依頼をこなす高ランク冒険者が受けるような依頼ではない。

どこぞの若い冒険者が問題を起こした際に天虎がインベントリから複数の魔物を出していたことや、人に結果を見せられる特別な鑑定を使えることや、出した魔物の生息地が全て天虎の森になっていたことは人から人に伝わっていって、今では天虎の森の危険な魔物を狩る単独ハンターだと知られている。
だから同じA級や1等級上のS級の依頼を受けるのではと期待していたのに。

「ファシェが五匹か。もう少し骨のある魔物で訓練させたかったが、依頼が残っていたら受ける約束を破る訳にもいかない。せめて肩慣らしくらいにはなるよう布は外さず戦え」
「承知しました」

ええ、目の見えない少年の方が受けるの!?
C級の依頼なのに!?
Aランクの単独ハンターが受けるなら簡単な依頼だけれど、どう見てもまだ若い盲目の少年が戦うと聞けば驚く。

ファシェは中型の魔物ながらすばしっこく、鋭い牙で突進攻撃をしてくるけれど、厄介なのは群れで行動すること。
動きは単純でも群れになってあらゆる方向から突進してくるから、舐めてかかると大怪我をする。

「受注はブランさまが行いますか?それとも私が?」
「ギルドカードを持ってるのか」
「はい。領地で魔物と戦う機会もありますから」

右脚のレッグホルスターからギルドカードを出すライノ。
公爵家の嫡男として、領地に何か起きた時にすぐ手助けに入れるよう当然登録してある。

『あれ?前まで天虎さんが持ってたのと同じ色』
『ギルドランクはね。真の実力は天と地ほど違う』

ライノのギルドランクはB。
銀色のギルドカードを見て言ったブランシュにライノは念話で答えながら苦笑する。
神に人の実力を基準にしたランクを付けること自体が間違っていて、SSランクの冒険者でも勝てるはずがない。

「つまりA級までは受けられるということだな」
「規則で言えばそういうことになりますね。目が見えている状態では受けたことがありますが、視覚に頼れない今の状態でも達成できるかは分かりません」

冒険者のランクは7階級。
依頼に割り振られているランクのことは等級と言って、階級の等級+1等級上の依頼まで受けられる。
BランクのライノはA級、Aランクの天虎はS級まで。

ライノのランクを知った天虎は店主と約束した依頼書を先に掲示板から取ると、そのままA級の依頼書を見る。
それを見て冒険者たちは『この人、まだ若くて目も見えない少年にA級の魔物と戦わせるつもりだ』とドン引き。

少年がBランクというのも驚きだけれど、目が見えている状態の時に受けたということは健常な頃にBランクまで上がったということで、怪我をしたのか今は布で目隠しをしていて何も見えていないのだから、その頃のような実力は出せない。
むしろファシェですら今の少年には危険なのにA級の魔物と戦わせるなど、訓練にしては過酷すぎる。

「A級を受けるのは構わないのですが、魔物の生息地によって数日から数十日かかると思います。野営に必要な物はこのあと一人で別行動をさせて貰って買い揃えるとして、依頼を終えて帝都に帰還したことはどのようにお知らせしますか?」

強い魔物は帝都から離れた場所に居ることが殆ど。
A級となると野営をしたり宿に宿泊したりしながら何泊かかかるから、その間は森に帰っているだろう天虎へ帝都に戻って来たことを知らせるにはどうすればいいのか。
天虎との伝達手段となる結晶を預かっているのはユハナ公で、ライノは天虎に伝達を送る手段がない。

「一人で行くつもりなのか?」
「え?違うのですか?訓練と言われたので」
「魔物を狩ることが訓練だ。Bランクなら遠征に出るなど今更だろう?狩りはお前一人にやらせるが、一緒には行く」
「ブランシュはどうするのですか?」
「当然連れて行くが?」

妖精や精霊がブランシュを守護する森の中ならまだしも、外での狩りに置いて行くはずもない。

『私も行っていいの?』
【ああ。私が居るのだから危険はない】

それを聞いてブランシュの表情がぱあっと明るくなる。
一緒に狩りへ連れて行って貰えると。

『野営?するの初めて。ディアちゃん以外はみんな野営したことがあるって言ってたけど、私にも出来るかな』
【野営?】
『お泊まりしてお外でお料理するんでしょ?』

野営するつもりはなかった天虎は固まる。
わざわざ野営せずとも天虎なら目的の魔物の生息地までワープすれば一瞬で行けるから。

これは悪いことをしたなと思うライノ。
一人で行って狩って来るという試験的なものだと思っていたから野営の話もしたけれど、天虎も行くなら転移の魔法を使って行けると分かっているから。

「一泊で戻って来れる場所にしよう」
「お任せします」

冒険者の光の一族と同じ経験をすることに胸をふくらませるブランシュに『ワープで行き来するから野営はしない』とは言えず、魔物の種類ではなく距離で選ぶ天虎。
今日も娘には甘いなとライノは苦笑した。


依頼書を二枚持って三人が受付に向かったあと、その後ろ姿を眺める冒険者たち。

「思ったけど、あの子なんで歩けてるんだ?」
「え?」
「目が見えないはずなのに人も物も避けて歩いてる」

ふと気付いた冒険者が言うと、他の冒険者たちも言われてみればと気付く。

「透けて見えてるとか?」
「でも視覚に頼れない今の状態だと達成できるか分からないとか言ってなかった?」
「言ってた。でも見えてるみたいに歩いてる」

杖をついて障害物を確認しながら歩いている訳でもないのに人が居ればぶつからないよう横にずれてすれ違っているし、椅子やテーブルの位置も見えてるかのようにぶつかることもなくスタスタと歩いている。

「あの人に訓練をつけて貰ってるみたいだし、普通の少年じゃないのは確か。目が見えない人がファシェと戦うだけでも危ないのに、A級依頼を受けるのは構わないって言ってたし」

つまり勝てる自信があるということ。
目が見えていて経験も積んでいる大人のパーティでもA級依頼を受ける時は話し合ってから決めるのに、思いつきで行かされそうになっているのに『構わない』と言えるのも、パーティではなく一人で行こうとしていたことも、普通ではない。

「師範が天虎の森の魔物を単独で狩るハンターだからね」
「普通じゃない人がとる弟子も普通じゃないってことか」

有名なのに誰も正体を知らない兄妹。
でも大抵の者は知ろうとしない方がいいと感じている。
冒険者として死線をくぐり抜けてきた者ならなおさら、誰に忠告されるまでもなく本能的に。

「でもいい人なんだよなァ」
「そうそう。若い冒険者と揉めたのもアイツらがギルド職員に暴行しようとしたことを怒ってだったし」
「揉めたというより窘めただけね。攻撃されたのに反撃せずに窘めただけで許してあげるんだから器が大きい」

普通じゃない人でも悪い人じゃない。
むしろ器が大きい

「弟子も綺麗な子だったよね」
「うん。顔採用なの?ってくらいに美形少年」
「あの子多分貴族だよね。立ち振る舞いが綺麗だったし」
「もしかしてあの兄妹も貴族なのかな」
「そうは見えないけど、この前もソレイユ公と居たくらいだから上流階級の貴族と関わりはありそう」

三人が居なくなっても冒険者たちの雑談は続く。

「今日も妹ちゃんが天使だった」
「初めて傍で見たけどほんとお人形さん」
「分かる。愛くるしい妹ちゃんを影から見守りたい」
「見た?ニコニコ笑ってた時の顔」
「見た見た!危うく抱きしめるところだった!」
「お触りは禁止だからね。迷惑をかけるのは禁止」

傍には近寄らないけど見守り隊になっている冒険者も。
遠くから兄妹を見守り心臓を撃ち抜かれるまでがセット。

今や天虎とブランシュは帝都ギルドの名物兄妹。
美形で強くて器の大きい兄と、存在そのものが可愛い妹。
その二人に加わった弟子も美形で謎めいているのだから、冒険者たちが会話に花が咲かせるのも当然のこと。

流行病も落ち着いた今の帝都ギルドは平和。
平和な時だからこそ気軽に楽しめる会話は暫く続いた。

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