血がつながっていなくてもGeoff様とMegお嬢様はまるで兄妹のようでしたよ。~Catalina Rercaro~

園田美栞

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この屋敷って…

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 暫くして、そっと廊下を覗き誰もいないのを確認し、Donnaは少し歩こうと出て行った。だがすぐ後ろに人がいることに気づかなかった。彼女は声をかけられると吃驚して小さな悲鳴を上げた。振り返れば同じような顔をして固まっている男の人がいた。

「どうかしたんですか?」

とその男の人は聞いてきた。慌てて来た道を戻ろうかと思ったがそれは臆病者だと考えてDonnaは笑顔を作って答えた。

「ちょっと外の空気を吸いに…」

「…そうですか。夜景がきれいなところがあるので、案内しましょうか?」

その男の人はEmilyが言っていた通り優しいこの屋敷の主人に思われた。だが主らしくなく慣れていないのか少しおどおどした様子だった。それを見て少し落ち着いたDonnaは彼のあとについて行った。

 確かにそこは夜の星空が輝き綺麗で遠くには街の明かりが見えた。

「遠くまで見渡せるんです。以前ここに住んでいた方が言っていました」

Nicolasは目を細めてそう言った。森からは虫たちの囁きが聞こえ、遠くからは狼の泣き声が聞こえる。

「ここの近くに怖いお屋敷があるって聞いたことがあるわ」

「Catalina Rercaroですか?」

「確かそんな名前だった気がするわね…」

「ここですよ」

Donnaは一瞬どこをさしているのかわからなかった。きょとんとしているとNicolasは微笑んで頷いた。それに驚き、Donnaは怖がった。

「大丈夫ですよ、ここの屋敷に稀に変わったお客様が来るだけなんです」

「変わったって?」

そう聞くDonnaにNicolasは困った顔をしながらも、この森にすむ不思議な生き物たちの話をした。

「彼らは普段隠れて過ごしています。それが大雨で家が失われたり、家族がいなくなった時に助けを求めに来たりするんです」

DonnaはNicolasの心の優しさに感動し「不思議な生き物」というものに会ってみたいと思うようになった。

「全てが安全なわけではないんですよ。君が一人であの森に彷徨っていた時は驚いた。何かあったのですか?」

彼女はこの人には話してもいいかなと思った。共感してもらえなくてもこの屋敷にいる以上伝えなければならないかもしれない。彼女はそう思って今までのことを簡単に説明した。

「こんなことを貴方に話すなんて恥ずかしいわ。隣の領主の家柄の事情だなんて。こんな話持ち込んでもよかったんでしょうかって思うのよ」

自分を責めるように外を眺めながら言う彼女に

「話させたのは自分です。どうか自分を責めないでください。好きなだけここにいるといいでしょう。それに聞かなかったことにしてくれと言うならばそうすることに致しますよ」

「貴方ってやけに丁寧なのね」

「俺はもともと君のような家柄の男ではないんです」

「でも市民の支持があってのことでしょう?信頼されているんだわ」

「その信頼もすぐに壊れてしまうかもしれません。あまりこういうの慣れていないんです」

「私、このお屋敷好きよ」

「以前ここに住んでおられた方の話をしましょうか?」

話題を変えようとDonnaは努め、Nicolasもそれを察して提案をした。彼女はぜひ聞きたいと言い彼の案内する部屋へと向かった。

 【※1話の内容が含まれています。そちらを読んだほうが恐らくわかると思います】
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