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三
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その日の夕食といったら、まさしく盛大という他なく、町中の人たちが次々と現れては消え、消えては現れといった感じで、このまま延々と朝まで続くのではないかと思われるほど凄かった。
「イヤイヤ、よく来てくださった。あんまり他の所からのお客が来ることがないもんでね。みんな嬉しいんだわ」
知らない男の人が、私の肩をポンと軽く叩きながら、まるで昔からの知り合いでもあるかのような気軽さで話しかけてくる。
みんな陽気に笑いながら飲み食いしており、中には踊りだす者もいたくらいだ。
「この人たちは、みんな、あの、人間なんですか?」
失礼があってはならないとの思いから、周りに聞こえないくらいの音量で町長に尋ねた。
「いいや、年寄り以外はキツネやらタヌキやらが混じってますね」
町長の言葉に、私は飲みかけのビールが気管に入ってむせてしまった。
「おやおや、大丈夫ですか?」
「す、すいません・・・。ちょ、町長は驚かないんですか?」
町長はカラカラと大きな声で笑い、
「もう慣れてしまいました。というか、この町は彼らがいないと、もう成り立たないんですよ」
キョトンとしている私に、町長は改まった顔で話し始めた。
「酒の席で話すことではないんですが、この町も、他の自治体が抱えている課題と同じで、若い者が都会に出てしまい、過疎化・高齢化がすすんでいましてね。なんとか地域性を活かした取り組みをして、町全体を盛り上げて、若者達を呼び戻そうとみんなで頑張っていたんですよ。でも、この不景気な時代でしょう・・・。なかなか、これは!というような妙案が思いつかなくってねぇ。あっ、煙草吸っても良かったですか?」
話の流れで、ポケットから取り出した煙草に火を点けた後で、あわてて私に同意を求めた。私は、微笑みながらうなずく。
「私、コレが好きでしてねぇ。普段は公務中や家でも吸わなくても大丈夫なんですが、宴席などでアルコールが入ってしまうとねぇ。このご時世、止めなくちゃいけないと思いつつも、なかなか止められないんですわ」
ちょっと照れて頭を掻きながら言い訳する姿が爽やかで、おそらく私の親くらいの年齢だと思うが、かわいく思えて頬が熱くなってしまう。
そんな私の表情に気づいたようすもなく、町長は話し始めた。
「その時と言うか、今から十五年前のことです。町外れの山、ちょうど現在、高齢者施設が建っているところですわ。そこに一人で住んでいたジイ様の所に、若い娘が一緒に住んで介護をするようになったんです」
町長は、ビールで喉を潤して話しを続けた。
「娘が住み始める一ヵ月程前に、ジイ様、町まで下りる道で転んで腰を強く打ってしまいましてね。それから杖を突いても上手く歩けなくなってしまって、ほとんど寝たきりの状態になってしまったんです。初めのうちは、『ジイ様の親戚だろう』『若いのに偉いね』って、娘のようすを遠巻きに見てみんなで褒めていたんですわ。そしたら、たまたま娘が留守だった時に訪問した保健師が、ジイ様に『親戚の娘さん、今日は留守なんですね』って尋ねると、『あいつは親戚なんかじゃねえ。キツネだ』って答えたんだそうです。保健師が詳しく話を聞くと、信じられない話ですが、ジイ様が若い時、山の中で誰かが仕掛けた罠に捕まっていたところを助けたキツネが、子孫のキツネにジイ様に命を助けてもらったことを伝えていたらしくて、それからずっとジイ様の家の裏山に一族の代表が住んで、恩返しをする機会がないか見守っていたらしいんです。そしてジイ様が動けなくなった時に、若い娘の姿になって身の回りの世話をし始めたんですと。保健師が尋ねて行った時にいなかったのは、裏山にある巣の中で待っている子ギツネ達の様子を見るために、ちょっとだけ帰っていたらしいんですよ。はじめは保健師もジイ様ボケたなと思って聞いていたらしいんですが、そのうち娘の姿になったキツネが戻って来ましてね。『ジイ様ボケてきたんじゃないか。お前さんのことキツネだって言ってるよ』って話すと、『そうだ』と言ってキツネに戻って、また娘になって見せてくれた。保健師はビックリ仰天して、訪問が終わった後、すぐに私のところに来て報告してくれたんです。私も初めは保健師が、訪問中に暑さで幻でも見たんだろうくらいに思っていましたが、私が行った時にも、娘もジイ様もおんなじことを言うんです。娘が変身、他のところでは『化ける』と言いますが、私達の町では、彼らに親愛の情を込めて『変身』って言ってます。その娘が変身するところを見せてもらって、腰が抜けてしまいました。その後も二年ほど娘の姿になってジイ様が亡くなるまで介護が続いたんです。子ギツネ達も男の子や女の子に変身して、みんなでジイ様の介護を手伝ってくれてました。私ね、その時、『これだ!』と思いましてね。ジイ様の介護をしている娘に、他に変身できる動物はいないかって聞いてみたんです。そうしたら、『いる』って言うんですよ。キツネだけじゃなくて、タヌキや猫や犬や蛇や熊、山や町にいる動物達のほとんどが人間の言葉も解かるし、変身できるって言うじゃないですか。そこで、みんなで協力し合ってこの町を良くできないかって、娘の力を借りて呼びかけたんです。まぁ、昔話そのまんまで信じられない話ではありますが、安倍晴明の母親が葛の葉というキツネだっていう話もあるし、有名なところでは夕鶴のつう、鍋島の猫騒動や祇園神社の蛇や他にも動物が人間に変身したっていう話はたくさんありますしね。あれは、お伽噺の中だけの出来事ではなくって、本当のことだったんですね」
町長は煙草を灰皿で消して、一息ついたところにマイクが回ってきた。
「町長、十八番を一曲!」
周りの声と拍手に促され、町長は嬉しそうに「天城越え」を歌いだした。
その後、貸し切り状態の温泉は全館を上げて、歌えや踊れの大騒ぎとなり、クライマックスは、皓太がDA PUMPの『U.S.A.』を歌って踊り、私は『キューティーハニー』を強制的(これは絶対皓太の仕業だ。サークルや会社の飲み会で必ず歌わせられている。どうせなら安室ちゃんを歌わせろっつーの!)に歌わされた。それも、倖田來未の方ではなくて、アニメの方だなんて!・・・でも、悲しき現場職のサガか。場をシラケさせてはなるものかと、ついついノリノリになって歌って踊ってしまう私がいることも事実で・・・。
ようやく宴会がお開きになり、私達がみんなから開放されたのは、かろうじて日をまたぐ前だった。
部屋に戻って三十分後、私はロビーの奥にある大浴場の大きな浴槽に浸かりながら、お湯の流れに心身を委ね、ゆったりとくつろがせている。
全体的な造りからして、この旅館が建ったのはおそらく昭和の中期くらいじゃないかと思う。推測が合っているとすると、時代の割りには比較的女湯が大きめにできている。取材で各地に出張することが多いけれど、その中でも一~二を争うくらいの広さだ。
窓は曇りガラスだが大きくて浴室内に陽が充分に射し込めるような造りだ。男湯との隔たりのある壁が自然石でできており、その上の方から源泉が岩を伝って泳げるくらい広い大浴槽に流れ落ちている。全面が岩でできているため、男湯からも覗かれない安心感がある。もっとも、仮に覗かれたとしても、たちこめる湯煙でほとんど見えないだろうけど。大浴槽の横に浅めの小浴槽、寝風呂と続いていて、流れ落ちるお湯を共有している。十人分の洗い場の向こうには露天風呂に続く扉がある。街中の露天風呂であるため、長さの違う五層の高い竹垣で四方を覆われていて、こちらも覗かれる心配はないようだ。その竹垣の先にある四角く切り取られた空には決して都会では見られないくらいの数の星が瞬きを競い合っている。おそらく昼は昼で空の青と雲の白のコントラストが美しいに違いない。
町中の旅館ではあるけれど、天然の温泉が湧いているらしい。天然の重曹泉で、切り傷、火傷、慢性皮膚病の他、婦人病、老化防止に効能があると浴槽の横に書いてある。疲れが肌に顕著に現れる年齢になってきたので、美肌効果がある湯に浸かれるのはとっても嬉しい。お湯の中で腕をさすった先からツルツルとした感触が、心からも疲れを取ってくれる。それに、何より足を自由に伸ばして入れるお風呂は気持ちがイイ。
「今日一日の体験は、本当のこと?それとも誰かのイタズラ?まさか、モニタリングとかじゃないよね?」
動物が人間に変身して、一緒に生活しているなんて事実、私はなかなか消化しきれないでいる。タヌキが男の子に変身した光景が頭から離れない。実際にこの目で見たコトではあるが、そんなことがありえるのだろうか。いや、事実この町で起こっていることだと、思考がグルグルと脳細胞を駆け巡っていた。
私は大きく深呼吸をひとつついて、お湯の中に頭から身を沈ませた。
「イヤイヤ、よく来てくださった。あんまり他の所からのお客が来ることがないもんでね。みんな嬉しいんだわ」
知らない男の人が、私の肩をポンと軽く叩きながら、まるで昔からの知り合いでもあるかのような気軽さで話しかけてくる。
みんな陽気に笑いながら飲み食いしており、中には踊りだす者もいたくらいだ。
「この人たちは、みんな、あの、人間なんですか?」
失礼があってはならないとの思いから、周りに聞こえないくらいの音量で町長に尋ねた。
「いいや、年寄り以外はキツネやらタヌキやらが混じってますね」
町長の言葉に、私は飲みかけのビールが気管に入ってむせてしまった。
「おやおや、大丈夫ですか?」
「す、すいません・・・。ちょ、町長は驚かないんですか?」
町長はカラカラと大きな声で笑い、
「もう慣れてしまいました。というか、この町は彼らがいないと、もう成り立たないんですよ」
キョトンとしている私に、町長は改まった顔で話し始めた。
「酒の席で話すことではないんですが、この町も、他の自治体が抱えている課題と同じで、若い者が都会に出てしまい、過疎化・高齢化がすすんでいましてね。なんとか地域性を活かした取り組みをして、町全体を盛り上げて、若者達を呼び戻そうとみんなで頑張っていたんですよ。でも、この不景気な時代でしょう・・・。なかなか、これは!というような妙案が思いつかなくってねぇ。あっ、煙草吸っても良かったですか?」
話の流れで、ポケットから取り出した煙草に火を点けた後で、あわてて私に同意を求めた。私は、微笑みながらうなずく。
「私、コレが好きでしてねぇ。普段は公務中や家でも吸わなくても大丈夫なんですが、宴席などでアルコールが入ってしまうとねぇ。このご時世、止めなくちゃいけないと思いつつも、なかなか止められないんですわ」
ちょっと照れて頭を掻きながら言い訳する姿が爽やかで、おそらく私の親くらいの年齢だと思うが、かわいく思えて頬が熱くなってしまう。
そんな私の表情に気づいたようすもなく、町長は話し始めた。
「その時と言うか、今から十五年前のことです。町外れの山、ちょうど現在、高齢者施設が建っているところですわ。そこに一人で住んでいたジイ様の所に、若い娘が一緒に住んで介護をするようになったんです」
町長は、ビールで喉を潤して話しを続けた。
「娘が住み始める一ヵ月程前に、ジイ様、町まで下りる道で転んで腰を強く打ってしまいましてね。それから杖を突いても上手く歩けなくなってしまって、ほとんど寝たきりの状態になってしまったんです。初めのうちは、『ジイ様の親戚だろう』『若いのに偉いね』って、娘のようすを遠巻きに見てみんなで褒めていたんですわ。そしたら、たまたま娘が留守だった時に訪問した保健師が、ジイ様に『親戚の娘さん、今日は留守なんですね』って尋ねると、『あいつは親戚なんかじゃねえ。キツネだ』って答えたんだそうです。保健師が詳しく話を聞くと、信じられない話ですが、ジイ様が若い時、山の中で誰かが仕掛けた罠に捕まっていたところを助けたキツネが、子孫のキツネにジイ様に命を助けてもらったことを伝えていたらしくて、それからずっとジイ様の家の裏山に一族の代表が住んで、恩返しをする機会がないか見守っていたらしいんです。そしてジイ様が動けなくなった時に、若い娘の姿になって身の回りの世話をし始めたんですと。保健師が尋ねて行った時にいなかったのは、裏山にある巣の中で待っている子ギツネ達の様子を見るために、ちょっとだけ帰っていたらしいんですよ。はじめは保健師もジイ様ボケたなと思って聞いていたらしいんですが、そのうち娘の姿になったキツネが戻って来ましてね。『ジイ様ボケてきたんじゃないか。お前さんのことキツネだって言ってるよ』って話すと、『そうだ』と言ってキツネに戻って、また娘になって見せてくれた。保健師はビックリ仰天して、訪問が終わった後、すぐに私のところに来て報告してくれたんです。私も初めは保健師が、訪問中に暑さで幻でも見たんだろうくらいに思っていましたが、私が行った時にも、娘もジイ様もおんなじことを言うんです。娘が変身、他のところでは『化ける』と言いますが、私達の町では、彼らに親愛の情を込めて『変身』って言ってます。その娘が変身するところを見せてもらって、腰が抜けてしまいました。その後も二年ほど娘の姿になってジイ様が亡くなるまで介護が続いたんです。子ギツネ達も男の子や女の子に変身して、みんなでジイ様の介護を手伝ってくれてました。私ね、その時、『これだ!』と思いましてね。ジイ様の介護をしている娘に、他に変身できる動物はいないかって聞いてみたんです。そうしたら、『いる』って言うんですよ。キツネだけじゃなくて、タヌキや猫や犬や蛇や熊、山や町にいる動物達のほとんどが人間の言葉も解かるし、変身できるって言うじゃないですか。そこで、みんなで協力し合ってこの町を良くできないかって、娘の力を借りて呼びかけたんです。まぁ、昔話そのまんまで信じられない話ではありますが、安倍晴明の母親が葛の葉というキツネだっていう話もあるし、有名なところでは夕鶴のつう、鍋島の猫騒動や祇園神社の蛇や他にも動物が人間に変身したっていう話はたくさんありますしね。あれは、お伽噺の中だけの出来事ではなくって、本当のことだったんですね」
町長は煙草を灰皿で消して、一息ついたところにマイクが回ってきた。
「町長、十八番を一曲!」
周りの声と拍手に促され、町長は嬉しそうに「天城越え」を歌いだした。
その後、貸し切り状態の温泉は全館を上げて、歌えや踊れの大騒ぎとなり、クライマックスは、皓太がDA PUMPの『U.S.A.』を歌って踊り、私は『キューティーハニー』を強制的(これは絶対皓太の仕業だ。サークルや会社の飲み会で必ず歌わせられている。どうせなら安室ちゃんを歌わせろっつーの!)に歌わされた。それも、倖田來未の方ではなくて、アニメの方だなんて!・・・でも、悲しき現場職のサガか。場をシラケさせてはなるものかと、ついついノリノリになって歌って踊ってしまう私がいることも事実で・・・。
ようやく宴会がお開きになり、私達がみんなから開放されたのは、かろうじて日をまたぐ前だった。
部屋に戻って三十分後、私はロビーの奥にある大浴場の大きな浴槽に浸かりながら、お湯の流れに心身を委ね、ゆったりとくつろがせている。
全体的な造りからして、この旅館が建ったのはおそらく昭和の中期くらいじゃないかと思う。推測が合っているとすると、時代の割りには比較的女湯が大きめにできている。取材で各地に出張することが多いけれど、その中でも一~二を争うくらいの広さだ。
窓は曇りガラスだが大きくて浴室内に陽が充分に射し込めるような造りだ。男湯との隔たりのある壁が自然石でできており、その上の方から源泉が岩を伝って泳げるくらい広い大浴槽に流れ落ちている。全面が岩でできているため、男湯からも覗かれない安心感がある。もっとも、仮に覗かれたとしても、たちこめる湯煙でほとんど見えないだろうけど。大浴槽の横に浅めの小浴槽、寝風呂と続いていて、流れ落ちるお湯を共有している。十人分の洗い場の向こうには露天風呂に続く扉がある。街中の露天風呂であるため、長さの違う五層の高い竹垣で四方を覆われていて、こちらも覗かれる心配はないようだ。その竹垣の先にある四角く切り取られた空には決して都会では見られないくらいの数の星が瞬きを競い合っている。おそらく昼は昼で空の青と雲の白のコントラストが美しいに違いない。
町中の旅館ではあるけれど、天然の温泉が湧いているらしい。天然の重曹泉で、切り傷、火傷、慢性皮膚病の他、婦人病、老化防止に効能があると浴槽の横に書いてある。疲れが肌に顕著に現れる年齢になってきたので、美肌効果がある湯に浸かれるのはとっても嬉しい。お湯の中で腕をさすった先からツルツルとした感触が、心からも疲れを取ってくれる。それに、何より足を自由に伸ばして入れるお風呂は気持ちがイイ。
「今日一日の体験は、本当のこと?それとも誰かのイタズラ?まさか、モニタリングとかじゃないよね?」
動物が人間に変身して、一緒に生活しているなんて事実、私はなかなか消化しきれないでいる。タヌキが男の子に変身した光景が頭から離れない。実際にこの目で見たコトではあるが、そんなことがありえるのだろうか。いや、事実この町で起こっていることだと、思考がグルグルと脳細胞を駆け巡っていた。
私は大きく深呼吸をひとつついて、お湯の中に頭から身を沈ませた。
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