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十三
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翌日の九時過ぎに、私達は役場へと向かった。
「おはようございます。よく来てくださいました」
町長は今までと変わらず、眼光は鋭いけれど優しい笑顔で私達を迎えてくれた。
「それでは、早速ですが答えを聞かせてもらってもよろしいですかな?」
応接セットの対座に座りながら、まずは町長が切り出した。
前回と同様に、私達が着席すると、まもなく光恵さんが冷えた麦茶を持ってきてくれた。皓太は彼女の方をチラチラ見ながら目で合図を送っている。どうやら上手くいっているらしい。光恵さんも頬を赤くしながら私達に微笑んだ。
私は光恵さんが去るのを待って、緊張でカラカラになっている口の中に麦茶を一口含ませて渇きを潤した。
「まず、私の心に引っかかっていたことから話します。この三日間、町長をはじめ町の皆さんからいろいろなお話を伺いました。皆さんお忙しい中、足を止めてお話していただき、本当にありがたかったです。人間の皆さんも動物の皆さんも、それぞれ町の現状にはとっても満足していらっしゃるようでした」
町長は笑みを浮かべながら頷いている。
「正直、それが私には不思議でなりませんでした。本当に皆さん不満はないのかなって。でも、聞いていくうちに、それぞれ個人的な不満はありながらも、町全体のことや将来のことを考えると、この方法がこの町にとって最善の策なんだと考えているようでした。それに、皆さんがそれぞれ、誰かの役に立っている、この町の役に立っているという誇りを強く持たれているのがわかりました。その気持ちが話していてひしひしと私にも伝わってきました。私も個人的には凄く良い取り組みをなさっていると思いますし、人間と動物という種を超えた者同士が助け合えるということを、全国、いえ世界中に広められることができて、それが実現されればどんなに良いことだろうと思います。」
町長は身を乗り出し、膝の上で両手を組んで私を見つめている。私の心臓の鼓動が激しくなる。言葉が緊張で震えてしまわないよう、町長と目を合わせずに話を続ける。
「私はこの取り組みが理想的だと思えば思うほど、そして、みなさんのこの町を誇りに思う気持ちが伝わるたびに、この町のみなさんのことが好きで好きでたまらなくなってしまいました。私もこのままここに住みたいと思ったくらいです」
私は麦茶をもう一口含み、再び喉を潤してから話しを続けた。
「でも、この町が好きになればなるほど、私にはこの町の現状を記事にすることはできないという思いが強くなりました。期待させてしまって本当に申し訳ありません。現在の日本の現状を考えると、今この取り組みを記事にして紹介したとしても、良くて誰にも信じてもらえずに多くの記事の中に埋もれてしまうか、最悪な場合は、マスコミがこの町に押し寄せてきて、それこそ興味本位で町の皆さんや動物達に取材攻勢を仕掛けるかのどちらかでしょう。おそらく私は最悪の場合の方が強いんじゃないかと思います。動物達の変身するところがテレビで流されたりするかもしれませんし、それを見た人々がこの町に押しかけてきて動物達に変身を要求したりするかもしれません。そうなると、町の取り組みの素晴らしさよりも、動物達の皆さんが全国的に見世物になってしまう可能性の方がはるかに大きいです。私はこの町の取り組みの素晴らしさを紹介したい。でも、変身するということの方が話題となり、それだけで終わってしまうんじゃないかと思うと怖いんです。それだけは絶対阻止したいんです。人間の都合で動物達を振り回したくないし、傷つけたくない。せっかく上手く動物達との関係を保っている皆さんを悪者にしたくないんです。この町の方は町長を中心として、動物達のことを信頼して、いろいろな面で頼っています。動物達も皆さんを信頼しています。けど、この町の皆さんのように、昔から動物達との交流があり、変身を受け入れ、純粋に動物達と接することができる人達が全国にどのくらいいるでしょうか。毎日の新聞やテレビを観ていても、親や子ども、家族や友人を殺したり、平気で騙したりする事件が後を絶ちません。私はみなさんが考えているよりもはるかに少ないと思います。ですから、現在の日本や世界各国の精神レベルでは、この取り組みを公表しても正しく扱われることはないと思いますし、まず、理解することができないと思います。リスクの大きさを考えると、それを背負ってでも、この素晴らしい取り組みを公表する価値は、今の世の中にはないんじゃないかと思います。もう少し世の中が、自分の利益よりも相手のことを考えて行動するようになるまで、それでも動物達にとっては危険なリスクが常に伴うと思いますけど、公表することを待ってみてはいかがでしょうか。人権、人権と表向きには声を大にして叫びながらも、利益を前にしたり都合が悪くなったりすると、平気で裏切ってしまう世の中です。最も動物達には人権という言葉が適切なのかはわかりませんけど」
町長の顔を見れない。でも、最後まで言わないわけにはいかない。どんな顔をして聞いているのだろう、怒っていないだろうか、失望していないだろうかという不安が私の口を動かしている。
「今、町長がすべきことは、この取り組みを世の中に広めることではなく、この町の次の世代に正しい形でバトンをつなげること、そして将来的にも動物達を人間達の欲望から守ることだと思います」
背中に汗がどっと流れた。町長に私の想いが伝わっただろうか。私は麦茶の残りを一気に飲み干して町長の返事を待った。実際にはほんの数秒の間だったと思うけれど、私にはその数秒の沈黙が永遠に続くかのように長く感じられた。
「知り合って間もないのに、そこまで私達のことを、いえ、この町のことを真剣に考えてくださり感謝します。ありがとうございます。それと、たいへん悩ませてしまいましたことに、改めてお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げ、町長が優しい穏やかな声で語りかける。
「いえ、私の方こそご期待に応えられなくて本当に申し訳ありません」
私は相変わらず町長を見ることができないでいる。
「あなたの考えは最もだと思います。確かにそうですね。私はこの十三年の取り組みの中で、町民だけでなく、動物達のことも第一に考えてきたつもりでしたが、あなたのように深くは考えていませんでした。やはり人間の立場でしか考えられていなかったんでしょうね。私も日頃お世話になっている動物達が見世物になるなんてことはしたくないです。もっと良く考えてからお手紙を差し上げれば良かったですね。わざわざご足労いただいて、本当に申し訳ないです」
「私はこの町に来て本当に良かったと思っています。こんな素晴らしい取り組み、素晴らしい人や動物達、素晴らしい町が日本にあることを知ることができましたから。ぜひ続けていってほしいです」
「そうですね。私だけではなく、私の次の町長、その次の町長と代々続けていくことの方が重要ですよね。公表するのは、その上で世の中の情勢を見ながらですね。その時までにもっと良い取り組みになるように動物達と力を合わせて頑張りますよ。その時は、また取材に来ていただけますよね」
「はい、ちょくちょくお伺いしたいです。この取り組みは、私のイチオシの特ダネですから、誰にも譲る気はありません」
町長の声を上げて笑う姿を見て、私の緊張もようやくほぐれた。
「おはようございます。よく来てくださいました」
町長は今までと変わらず、眼光は鋭いけれど優しい笑顔で私達を迎えてくれた。
「それでは、早速ですが答えを聞かせてもらってもよろしいですかな?」
応接セットの対座に座りながら、まずは町長が切り出した。
前回と同様に、私達が着席すると、まもなく光恵さんが冷えた麦茶を持ってきてくれた。皓太は彼女の方をチラチラ見ながら目で合図を送っている。どうやら上手くいっているらしい。光恵さんも頬を赤くしながら私達に微笑んだ。
私は光恵さんが去るのを待って、緊張でカラカラになっている口の中に麦茶を一口含ませて渇きを潤した。
「まず、私の心に引っかかっていたことから話します。この三日間、町長をはじめ町の皆さんからいろいろなお話を伺いました。皆さんお忙しい中、足を止めてお話していただき、本当にありがたかったです。人間の皆さんも動物の皆さんも、それぞれ町の現状にはとっても満足していらっしゃるようでした」
町長は笑みを浮かべながら頷いている。
「正直、それが私には不思議でなりませんでした。本当に皆さん不満はないのかなって。でも、聞いていくうちに、それぞれ個人的な不満はありながらも、町全体のことや将来のことを考えると、この方法がこの町にとって最善の策なんだと考えているようでした。それに、皆さんがそれぞれ、誰かの役に立っている、この町の役に立っているという誇りを強く持たれているのがわかりました。その気持ちが話していてひしひしと私にも伝わってきました。私も個人的には凄く良い取り組みをなさっていると思いますし、人間と動物という種を超えた者同士が助け合えるということを、全国、いえ世界中に広められることができて、それが実現されればどんなに良いことだろうと思います。」
町長は身を乗り出し、膝の上で両手を組んで私を見つめている。私の心臓の鼓動が激しくなる。言葉が緊張で震えてしまわないよう、町長と目を合わせずに話を続ける。
「私はこの取り組みが理想的だと思えば思うほど、そして、みなさんのこの町を誇りに思う気持ちが伝わるたびに、この町のみなさんのことが好きで好きでたまらなくなってしまいました。私もこのままここに住みたいと思ったくらいです」
私は麦茶をもう一口含み、再び喉を潤してから話しを続けた。
「でも、この町が好きになればなるほど、私にはこの町の現状を記事にすることはできないという思いが強くなりました。期待させてしまって本当に申し訳ありません。現在の日本の現状を考えると、今この取り組みを記事にして紹介したとしても、良くて誰にも信じてもらえずに多くの記事の中に埋もれてしまうか、最悪な場合は、マスコミがこの町に押し寄せてきて、それこそ興味本位で町の皆さんや動物達に取材攻勢を仕掛けるかのどちらかでしょう。おそらく私は最悪の場合の方が強いんじゃないかと思います。動物達の変身するところがテレビで流されたりするかもしれませんし、それを見た人々がこの町に押しかけてきて動物達に変身を要求したりするかもしれません。そうなると、町の取り組みの素晴らしさよりも、動物達の皆さんが全国的に見世物になってしまう可能性の方がはるかに大きいです。私はこの町の取り組みの素晴らしさを紹介したい。でも、変身するということの方が話題となり、それだけで終わってしまうんじゃないかと思うと怖いんです。それだけは絶対阻止したいんです。人間の都合で動物達を振り回したくないし、傷つけたくない。せっかく上手く動物達との関係を保っている皆さんを悪者にしたくないんです。この町の方は町長を中心として、動物達のことを信頼して、いろいろな面で頼っています。動物達も皆さんを信頼しています。けど、この町の皆さんのように、昔から動物達との交流があり、変身を受け入れ、純粋に動物達と接することができる人達が全国にどのくらいいるでしょうか。毎日の新聞やテレビを観ていても、親や子ども、家族や友人を殺したり、平気で騙したりする事件が後を絶ちません。私はみなさんが考えているよりもはるかに少ないと思います。ですから、現在の日本や世界各国の精神レベルでは、この取り組みを公表しても正しく扱われることはないと思いますし、まず、理解することができないと思います。リスクの大きさを考えると、それを背負ってでも、この素晴らしい取り組みを公表する価値は、今の世の中にはないんじゃないかと思います。もう少し世の中が、自分の利益よりも相手のことを考えて行動するようになるまで、それでも動物達にとっては危険なリスクが常に伴うと思いますけど、公表することを待ってみてはいかがでしょうか。人権、人権と表向きには声を大にして叫びながらも、利益を前にしたり都合が悪くなったりすると、平気で裏切ってしまう世の中です。最も動物達には人権という言葉が適切なのかはわかりませんけど」
町長の顔を見れない。でも、最後まで言わないわけにはいかない。どんな顔をして聞いているのだろう、怒っていないだろうか、失望していないだろうかという不安が私の口を動かしている。
「今、町長がすべきことは、この取り組みを世の中に広めることではなく、この町の次の世代に正しい形でバトンをつなげること、そして将来的にも動物達を人間達の欲望から守ることだと思います」
背中に汗がどっと流れた。町長に私の想いが伝わっただろうか。私は麦茶の残りを一気に飲み干して町長の返事を待った。実際にはほんの数秒の間だったと思うけれど、私にはその数秒の沈黙が永遠に続くかのように長く感じられた。
「知り合って間もないのに、そこまで私達のことを、いえ、この町のことを真剣に考えてくださり感謝します。ありがとうございます。それと、たいへん悩ませてしまいましたことに、改めてお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした」
深々と頭を下げ、町長が優しい穏やかな声で語りかける。
「いえ、私の方こそご期待に応えられなくて本当に申し訳ありません」
私は相変わらず町長を見ることができないでいる。
「あなたの考えは最もだと思います。確かにそうですね。私はこの十三年の取り組みの中で、町民だけでなく、動物達のことも第一に考えてきたつもりでしたが、あなたのように深くは考えていませんでした。やはり人間の立場でしか考えられていなかったんでしょうね。私も日頃お世話になっている動物達が見世物になるなんてことはしたくないです。もっと良く考えてからお手紙を差し上げれば良かったですね。わざわざご足労いただいて、本当に申し訳ないです」
「私はこの町に来て本当に良かったと思っています。こんな素晴らしい取り組み、素晴らしい人や動物達、素晴らしい町が日本にあることを知ることができましたから。ぜひ続けていってほしいです」
「そうですね。私だけではなく、私の次の町長、その次の町長と代々続けていくことの方が重要ですよね。公表するのは、その上で世の中の情勢を見ながらですね。その時までにもっと良い取り組みになるように動物達と力を合わせて頑張りますよ。その時は、また取材に来ていただけますよね」
「はい、ちょくちょくお伺いしたいです。この取り組みは、私のイチオシの特ダネですから、誰にも譲る気はありません」
町長の声を上げて笑う姿を見て、私の緊張もようやくほぐれた。
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