元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい!〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々?特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜     

おいどんべい

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第1章

2度あるものは3度あるものだ 

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お昼寝をしている時…。

ガサガサゴソゴソ

食堂の方から何やら音がしてきた。
クンタを起こさないようにそっと起きると僕は食堂の方へ向かった。
近くにつくとなにやら聞いたことのある声が聞こえてきた。

「うんメェ!うんメェ!やめられない止まらない人間のご飯。でもこの肉野菜炒め焦げすぎな気がするメェなぁ」

うんメェか~ふぅん。

「ひ~つ~じ!またか!今度は逃さないからな!」
「メェェェ!」

羊を見つけた僕はすぐさま魔法で拘束した。

「やぁまたあったね。羊君?」
「1日に何回も会うなんてもうこれは運メェってやつメェね。という事で今回も見逃してもらうって事は…」
「出来るか!羊?数時間前に約束したよなぁ。食料は盗まないって」
「実は3歩歩くと忘れる体質で…」
「にわとりか!それより羊君?約束を破ってきたって事はそれ相応の罰がないといけないよなぁ?」
「待つメェ!オレは魔物だから魔法が使えるメェ!」
「魔法が使える…それがどうしたんだ?羊君?」
「じゅっ従魔になるメェ!そしてあなたを守るメェ!」

従魔…。

「なんか守られるよりも守る側になりそうなんだが?」
「大丈夫メェ!力は強いメェ!結界もはれるメェ!」

結界?結界⁈

「結界がはれるのか?」
「そうメェ!」

結界がはれるという事はなかなかありがたい。
安全面を考えれば結界がはれる魔物が従魔というのはありがたいのだが…。
なんせこの羊、2度も食料泥棒をしてやがる。いや、3度か。
そんなやつを従魔にするなんてあまりにも危険すぎる。

「やっぱ素材として売るからちょっと大人しくしててくれ」

腰からお気に入りのタガーを取り出し刃を羊に向ける。

「従魔にされたらあなたの命令をなんでも聞くメェ」
「ふぅん?なんでも…ねぇ~」
「いや!なんでもは聞かないメェ!殺したり素材にするのはなしメェ」
「うぅん…なら別に従魔にしなくても良いかぁ~」
「待つメェ!じゃあお試しとしてあなたに何かあった時に守るメェ!」

何かあった時ねぇ…。
ふぅん。まぁお試しって事なら良いかぁ。

「じゃあ分かったよ羊。お試ししてみることにする。だけどもし役に立たなかったら羊にはおいしいお肉と素材になってもらう。これで良いな?」
「ありがとうメェ!ところであなたはなんてお名前なんメェ?」

お名前なんメェ?てなんだよ。
なんでも「メェ」ってつけりゃあ良いってもんじゃないのによ。

「僕の名前はロンだ」
「ロン…分かったメェ!オレはシープっていうメェ!よろしくメェ!ロン!」

よろしくメェ~か。
このメェの付け方は僕的にはありだな。

「こちらこそよろしくメェだな」
「素材にされないように頑張るメェ!」
「まぁせいぜい頑張れよ」

犯羊…ならぬシープは僕のお試し従魔ということになったのだった。
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