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王都見物
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「今日の公務はお休みだ。」
朝食の席で唐突にアリ殿下が言い出した。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ、俺がいなくても兄上と宰相がうまくやる。城下に行かないか?リーンはまだ王都見てないだろう?」
そういえば、着いてすぐここへ連れてこられた。登城を嫌がるレイン様を王都見物でお尻を叩いたから、まだ王都は見ていなかった事を思い出した。それから城からは一歩も出ていない。
「アレンとクリス。2人とも準備して。リーンもめいいっぱいおしゃすると良い。では後でね。」
殿下はにこやかに微笑まれた。
簡単に身支度を整え、馬車寄せに行くとアレンさんとクリス様が既に待っていた。
クリス様は男装だった。いや違う、こちらが本来の姿か。
「本性はバレていました。」
恥ずかしげにクリス様は笑った。
アレン様から着替えるように渡された服が男性物だったので、驚いたふりをしたそうだ。
「そうですか?私は普段のあなたの方が驚きますけどね。」とアレン様にしれっと返されたそうだ。
斬られるかと思いましたが、それはなかったです、どうやら見て見ぬふりをしていた様ですね、ともクリス様は話した。
「クリスのこといつからお気付きになりましたの?」
「もちろん初めからだよ。」
馬車に乗り込んで2人きりになったときに聞いてみたら、答えはあっさりしたものだった。
「なぜ気付かないフリを?」
「リーンが何も言わなかったし、レインの人選だから。レインの好きにさせただけ。」
変な事をしようとしたら多分いつでも斬っていたよ、と私の額にキスをしながら笑って言った。
「クリスの剣の腕は強いのか?」
ええ、とても強いですよ、と答えると
「勝てるかな…。」と呟いた。
「クリスと戦うことなんてきっと無いですよ。」と笑い飛ばすと、
それはわからないよ、とまたキスされる。
「殿下!見て下さい。」
甘過ぎる雰囲気に耐えきれず、話を変えようと景色へと目を向ける。
「まだ、殿下、なんだな。」
とどこか寂しそうに言われると罪悪感が押し寄せてくる。
「なかなか慣れないものですね、すみません。」
どうしてもアリと呼ぶ事に抵抗が拭えない。
そう呼んでしまえばきっともっと離れられなくなりそうな気がするから。
「まだ諦めて無いよ。往生際は悪いんだ。」
またキスされそうになって、慌てて手で覆う。
「もう止めて下さい。しつこいですよ。」
「しつこいのは直らないんだから諦めて。」
手首を優しく掴まれて横にずらされる。
真っ直ぐに見つめてくる殿下の瞳に釘付けにされる。
そっと唇に殿下の唇が落とされた。
「まあいい。今日は気にせず楽しもう。
ひとつ注文している商品を受け取ったら、俺の用事は終わるから、その後はどこでも行きたい所に行こう。見たいものはあるかい?」
「…布が見たいです。」
また布か…なんて言われちゃうかな、と思うけど。
殿下がクスッと笑う。
「本当に好きなんだな。」
「仕方ありません。気になるものは気になるんです。」
多分だけど。
レイン様と王都を見て回ってもそれは見物や遊びではなくて「市場調査」になったと思う。
王都には色々な人が集まるから、どんな服を着ているのか、どんな布が売られているのか、どんなものが好まれているのかを見て回っていたはずで…。
「殿下は何か見たいものは無いんですか?」
「うーん、リーンの笑顔、かな?」
「また…すぐそうやってふざける。」
「あはは、結構本気なんだけど。」
「…揶揄わないでください。」
軽く睨んでから、ワザとニッコリと笑ってみせた。
朝食の席で唐突にアリ殿下が言い出した。
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ、俺がいなくても兄上と宰相がうまくやる。城下に行かないか?リーンはまだ王都見てないだろう?」
そういえば、着いてすぐここへ連れてこられた。登城を嫌がるレイン様を王都見物でお尻を叩いたから、まだ王都は見ていなかった事を思い出した。それから城からは一歩も出ていない。
「アレンとクリス。2人とも準備して。リーンもめいいっぱいおしゃすると良い。では後でね。」
殿下はにこやかに微笑まれた。
簡単に身支度を整え、馬車寄せに行くとアレンさんとクリス様が既に待っていた。
クリス様は男装だった。いや違う、こちらが本来の姿か。
「本性はバレていました。」
恥ずかしげにクリス様は笑った。
アレン様から着替えるように渡された服が男性物だったので、驚いたふりをしたそうだ。
「そうですか?私は普段のあなたの方が驚きますけどね。」とアレン様にしれっと返されたそうだ。
斬られるかと思いましたが、それはなかったです、どうやら見て見ぬふりをしていた様ですね、ともクリス様は話した。
「クリスのこといつからお気付きになりましたの?」
「もちろん初めからだよ。」
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「なぜ気付かないフリを?」
「リーンが何も言わなかったし、レインの人選だから。レインの好きにさせただけ。」
変な事をしようとしたら多分いつでも斬っていたよ、と私の額にキスをしながら笑って言った。
「クリスの剣の腕は強いのか?」
ええ、とても強いですよ、と答えると
「勝てるかな…。」と呟いた。
「クリスと戦うことなんてきっと無いですよ。」と笑い飛ばすと、
それはわからないよ、とまたキスされる。
「殿下!見て下さい。」
甘過ぎる雰囲気に耐えきれず、話を変えようと景色へと目を向ける。
「まだ、殿下、なんだな。」
とどこか寂しそうに言われると罪悪感が押し寄せてくる。
「なかなか慣れないものですね、すみません。」
どうしてもアリと呼ぶ事に抵抗が拭えない。
そう呼んでしまえばきっともっと離れられなくなりそうな気がするから。
「まだ諦めて無いよ。往生際は悪いんだ。」
またキスされそうになって、慌てて手で覆う。
「もう止めて下さい。しつこいですよ。」
「しつこいのは直らないんだから諦めて。」
手首を優しく掴まれて横にずらされる。
真っ直ぐに見つめてくる殿下の瞳に釘付けにされる。
そっと唇に殿下の唇が落とされた。
「まあいい。今日は気にせず楽しもう。
ひとつ注文している商品を受け取ったら、俺の用事は終わるから、その後はどこでも行きたい所に行こう。見たいものはあるかい?」
「…布が見たいです。」
また布か…なんて言われちゃうかな、と思うけど。
殿下がクスッと笑う。
「本当に好きなんだな。」
「仕方ありません。気になるものは気になるんです。」
多分だけど。
レイン様と王都を見て回ってもそれは見物や遊びではなくて「市場調査」になったと思う。
王都には色々な人が集まるから、どんな服を着ているのか、どんな布が売られているのか、どんなものが好まれているのかを見て回っていたはずで…。
「殿下は何か見たいものは無いんですか?」
「うーん、リーンの笑顔、かな?」
「また…すぐそうやってふざける。」
「あはは、結構本気なんだけど。」
「…揶揄わないでください。」
軽く睨んでから、ワザとニッコリと笑ってみせた。
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