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溢れた話
ローラ
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モーリウスの16歳の誕生日の日、エリールでは時期領主の成人に喜び沸き立っていた。
領地代行夫人のローラは朝から張り切って、領主館の使用人達にキビキビと指示を飛ばしている。
「成人の節目だ。存分に祝ってやりたい。」
男手ひとつで大切な息子を育ててきた領主レインの言葉に、エリールの女達は俄然やる気を出していた。
テーブルに華やかさを足そうと、温室へと歩き出した使用人の背中を見送り、厨房の確認のために玄関ホールを横切ろうとした時、執事に呼び止められた。
「ローラ様、フラン奥様からの先触れです。夕方こちらに戻る、と。」
「はぁ?」
つい、はしたない返事になってしまったのは許して欲しい。
「…待って!どうしましょう。」
「…仕方ないのでは。」
執事の言葉にも苦渋の色が濃い。
確かにそうだ、仕方ない。
ここは領主館だ、本来ならば領主夫人の采配で全てが動く場所であり、代行夫人の出る幕はない。
…例えそれが数年間全く姿を見せなかった奥方であっても。
放っておいたとはいえ、一人息子の成人の祝いである。
「…アイリスには?」
「…既に知らせてあります。」
「…そう、ありがとう。」
全く忌々しい、何も今日帰ってこなくてもいいじゃないか!
アイリスとアイリーンにも祝いの言葉を掛けさせてやりたかったのに!
「ローラ、ごめんなさい。帰るわね。」
小さい女の子を連れたアイリスがホールに現れた。
アイリーンは俯いて悲しそうな顔をしている。今日のためにあつらえたのだろう、淡い水色のドレスを纏っているのが、余計に痛々しい思いを引き出す。
「…アイリス。」
何も掛けてあげられる言葉が出ないので、優しく肩に手を載せて…。
大丈夫わかってる、と言っているかのようにアイリスは静かに微笑んだ。
せめてお菓子だけでも持たせようと少し待たせた。
まだ時間はある、そう思ったのは甘かった。
少し話しをしている間に、外へと駆け出したリーンの悲鳴が聞こえ、慌てて外へと出て行くと、雪の上に倒れたリーンを踏みつけているフランの姿があった。
まだ昼前だ、おそらくフランに謀られたのだ。
「ローラ、なぜここにネズミがいる。」
チラリとアイリスを見ながらフランは挨拶もせずに言い放つ。
「あらっ、ネズミなんてどこにもいませんわ、フラン様。」
今の状況を責めてはいけない。長年の経験でそれが逆効果なのはここにいる全員が知っている。なんとか穏便にフランをここから離さなくてはならない。
「長旅でお疲れでしょう?ここは冷えるし。お茶を飲んでいる間に湯の支度をしましょう。」
「お前の指図は受けん!ここは我の家だ。」
察した執事が、
「奥様、おかえりなさいませ。
お疲れのところ申し訳ありませんが、モーリウス様のお祝いのことで、いくつかご相談したいことがありますので…。」
と重ねて声を掛ける。
フンっ、とフランは鼻を鳴らした。
「そうだったな。可愛いモーリの祝いだったな。」
その言葉にローラは、良かった、気が削がれたか、と安堵する。
しかしフランはやめなかった。
「祝いの場にネズミは要らぬ、この屋敷は掃除もまともに出来んのか。」
更にグリグリと踵に力を込めてリーンを踏みつけたのだ。
「フラン様!おやめ下さい。相手は幼な子ではありませんか。」
耐えかねてアイリスがアイリーンの上に覆い被さる。
「子ではない!ネズミじゃ!」
「奥様!」
こうなっては仕方がないので、ローラはフランの肩を抱いてそっと引き寄せる。
フランは最後に強くアイリスを蹴り飛ばした。
「ドブネズミめ、さっさと死ね!」
それだけ言い放つとフランは
「モーリはどこだ、モーリを呼べ。」
と大声で指示を出しながらホールへと入って行った。
「大丈夫?ごめんなさい助けてあげられなくて。」
駆け寄ってアイリスとアイリーンに声を掛けた。
「仕方ないわ。間が悪かったのよ。」
アイリスはアイリーンを抱え上げ立ち上がる。
この場で2人を慰めていればいつまたフランが戻ってくるかわからない。
それがわかっているからローラはアイリスに寄り添う事なく、アイリスもアイリーンを慰める事なく急いでこの場を去るのだ。
敷地を出るまでは安心できない。
どうしてこんなことに…。
この屋敷の主はアイリスだったかもしれないのに。
ルーナ…。なぜ逝ってしまったの…。
今更言っても仕方がない事は分かっているが、あんな事さえなければ…とフランと顔を合わせるたびに思ってしまう。
いや、違う。それはモーリを否定する事にもなる。
板挟みになる葛藤の中で、どうしようもない思いが絡みついた。
結局あのままフランは雪解けまで館に留まった。あんなに長く辛い冬はなかった。
そんなことを思い出したのは、雪晴れの日に突然目の前に現れたこの美しい貴婦人のせいだ。
「皇太后自らエリールに赴くなんて、しかも人質のような扱いなのに。」
空いたカップにお茶を注ぎながら話しかけた。
「でなければホセもアイリスも王都へは行かなかったでしょう。私の身が帰ってこられることへの保証になるのならば喜んでそうします。
それに私は一応幽閉中の身だから、気分転換にはちょうど良いと思うのよ。」
にこやかに笑う王太后殿下に以前のような憂いは見られない。
あの憂い顔も美しかったが、どこか吹っ切った清々しい顔立ちは同性でも見惚れてしまいそうだ。
「息子の晴れ姿が見れないのはお辛いでしょうに。」
「いや、私の不甲斐なさの償いにしては安いくらいよ。」
アイリスとホセは、新国王陛下に召喚されて今朝方王都に向かって旅立った。
まさか軍隊をこのように使ってまで、母を使者に仕立て上げて来るとは思わなかったし、攫うように2人を連れていくとは思っていなかった。
あの王子の執着は異常だ。
初めは頑なにエリールを離れる事を渋っていた2人は呆れ果てて、使者としてやってきた王太后と苦笑いで入れ替わったのだ。
「雪解けまで2人は帰って来れませんよ。」
全くもう!工房を放り出してあの家族は何をやってるんだか!
「あら、それは尚更都合がいいわ。それまでにはきっと新しい趣味と新しい友人が出来ていると思うもの。」
王太后は驚いた私の目を悪戯心を隠さずに見つめて、肩をすくめた。
「ローラ、あなたといればきっとあっという間に春になるわ。」
と美しい貴婦人は華のような笑顔を見せた。
領地代行夫人のローラは朝から張り切って、領主館の使用人達にキビキビと指示を飛ばしている。
「成人の節目だ。存分に祝ってやりたい。」
男手ひとつで大切な息子を育ててきた領主レインの言葉に、エリールの女達は俄然やる気を出していた。
テーブルに華やかさを足そうと、温室へと歩き出した使用人の背中を見送り、厨房の確認のために玄関ホールを横切ろうとした時、執事に呼び止められた。
「ローラ様、フラン奥様からの先触れです。夕方こちらに戻る、と。」
「はぁ?」
つい、はしたない返事になってしまったのは許して欲しい。
「…待って!どうしましょう。」
「…仕方ないのでは。」
執事の言葉にも苦渋の色が濃い。
確かにそうだ、仕方ない。
ここは領主館だ、本来ならば領主夫人の采配で全てが動く場所であり、代行夫人の出る幕はない。
…例えそれが数年間全く姿を見せなかった奥方であっても。
放っておいたとはいえ、一人息子の成人の祝いである。
「…アイリスには?」
「…既に知らせてあります。」
「…そう、ありがとう。」
全く忌々しい、何も今日帰ってこなくてもいいじゃないか!
アイリスとアイリーンにも祝いの言葉を掛けさせてやりたかったのに!
「ローラ、ごめんなさい。帰るわね。」
小さい女の子を連れたアイリスがホールに現れた。
アイリーンは俯いて悲しそうな顔をしている。今日のためにあつらえたのだろう、淡い水色のドレスを纏っているのが、余計に痛々しい思いを引き出す。
「…アイリス。」
何も掛けてあげられる言葉が出ないので、優しく肩に手を載せて…。
大丈夫わかってる、と言っているかのようにアイリスは静かに微笑んだ。
せめてお菓子だけでも持たせようと少し待たせた。
まだ時間はある、そう思ったのは甘かった。
少し話しをしている間に、外へと駆け出したリーンの悲鳴が聞こえ、慌てて外へと出て行くと、雪の上に倒れたリーンを踏みつけているフランの姿があった。
まだ昼前だ、おそらくフランに謀られたのだ。
「ローラ、なぜここにネズミがいる。」
チラリとアイリスを見ながらフランは挨拶もせずに言い放つ。
「あらっ、ネズミなんてどこにもいませんわ、フラン様。」
今の状況を責めてはいけない。長年の経験でそれが逆効果なのはここにいる全員が知っている。なんとか穏便にフランをここから離さなくてはならない。
「長旅でお疲れでしょう?ここは冷えるし。お茶を飲んでいる間に湯の支度をしましょう。」
「お前の指図は受けん!ここは我の家だ。」
察した執事が、
「奥様、おかえりなさいませ。
お疲れのところ申し訳ありませんが、モーリウス様のお祝いのことで、いくつかご相談したいことがありますので…。」
と重ねて声を掛ける。
フンっ、とフランは鼻を鳴らした。
「そうだったな。可愛いモーリの祝いだったな。」
その言葉にローラは、良かった、気が削がれたか、と安堵する。
しかしフランはやめなかった。
「祝いの場にネズミは要らぬ、この屋敷は掃除もまともに出来んのか。」
更にグリグリと踵に力を込めてリーンを踏みつけたのだ。
「フラン様!おやめ下さい。相手は幼な子ではありませんか。」
耐えかねてアイリスがアイリーンの上に覆い被さる。
「子ではない!ネズミじゃ!」
「奥様!」
こうなっては仕方がないので、ローラはフランの肩を抱いてそっと引き寄せる。
フランは最後に強くアイリスを蹴り飛ばした。
「ドブネズミめ、さっさと死ね!」
それだけ言い放つとフランは
「モーリはどこだ、モーリを呼べ。」
と大声で指示を出しながらホールへと入って行った。
「大丈夫?ごめんなさい助けてあげられなくて。」
駆け寄ってアイリスとアイリーンに声を掛けた。
「仕方ないわ。間が悪かったのよ。」
アイリスはアイリーンを抱え上げ立ち上がる。
この場で2人を慰めていればいつまたフランが戻ってくるかわからない。
それがわかっているからローラはアイリスに寄り添う事なく、アイリスもアイリーンを慰める事なく急いでこの場を去るのだ。
敷地を出るまでは安心できない。
どうしてこんなことに…。
この屋敷の主はアイリスだったかもしれないのに。
ルーナ…。なぜ逝ってしまったの…。
今更言っても仕方がない事は分かっているが、あんな事さえなければ…とフランと顔を合わせるたびに思ってしまう。
いや、違う。それはモーリを否定する事にもなる。
板挟みになる葛藤の中で、どうしようもない思いが絡みついた。
結局あのままフランは雪解けまで館に留まった。あんなに長く辛い冬はなかった。
そんなことを思い出したのは、雪晴れの日に突然目の前に現れたこの美しい貴婦人のせいだ。
「皇太后自らエリールに赴くなんて、しかも人質のような扱いなのに。」
空いたカップにお茶を注ぎながら話しかけた。
「でなければホセもアイリスも王都へは行かなかったでしょう。私の身が帰ってこられることへの保証になるのならば喜んでそうします。
それに私は一応幽閉中の身だから、気分転換にはちょうど良いと思うのよ。」
にこやかに笑う王太后殿下に以前のような憂いは見られない。
あの憂い顔も美しかったが、どこか吹っ切った清々しい顔立ちは同性でも見惚れてしまいそうだ。
「息子の晴れ姿が見れないのはお辛いでしょうに。」
「いや、私の不甲斐なさの償いにしては安いくらいよ。」
アイリスとホセは、新国王陛下に召喚されて今朝方王都に向かって旅立った。
まさか軍隊をこのように使ってまで、母を使者に仕立て上げて来るとは思わなかったし、攫うように2人を連れていくとは思っていなかった。
あの王子の執着は異常だ。
初めは頑なにエリールを離れる事を渋っていた2人は呆れ果てて、使者としてやってきた王太后と苦笑いで入れ替わったのだ。
「雪解けまで2人は帰って来れませんよ。」
全くもう!工房を放り出してあの家族は何をやってるんだか!
「あら、それは尚更都合がいいわ。それまでにはきっと新しい趣味と新しい友人が出来ていると思うもの。」
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