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オマケ
石がないんです7(終)
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「どうやら上手く出来たみたいね。」
カトリーナ様のご機嫌は良い。
「教えて頂きありがとうございました。」
とブリトーニャはお礼を伝え、
「ご助言ありがとうございます。」
とレイチェルは頭を下げた。
ゴッツウォールの値が高騰している事を聞き、ダーランド補佐官に相談したものの、何もするなと言われ落ち込んでいた。
落ち込んだ気分のままカトリーナ様の前に出てしまった私はカトリーナ様に落ち込んでいるのを見破られて、全て洗いざらい喋らなくてはならなかった。
私の話を聞いたカトリーナ様は、
「…そうねぇ…シュタインとの石の取引きについて調べてご覧なさい。」
となぜかトーニャノにだけアドバイスをくださった。
トーニャが、カタインロジェを調べていく上で、最近になって兄が大量購入をしている事も知ったみたい。
ネックがカタインロジェの産地がラウール様の領地だと言う事だったと思う。
でも、私に策を講じる事を約束してくれたのもカトリーナ様だった。
その時、全く男達は何をしているのか、とカトリーナ様はため息を溢された。
「変なプライドの為に、時間も費用も掛けるなんて無駄な事なのに。」
と。
カタインロジェを採用するか否かを決めるのはエルンスト殿下の気持ち次第だとは思ったけれど、エルを言いくるめたのはカトリーナ様だろうか、それともクラリーチェ様だろうか。
秋の夜会でお2人がどんな話をしたのかを私は知らない。エルの中ではあの夜の事はなかった事になっている。
ラウール様がカトリーナ様に報告していたら別だけど。
私がラウール様の事を推薦すればカドが立つから何も言わないでいなさい、とアドバイスをくれたのはクラリーチェ様。
みんなが私に「何もするな」と言う。
でも、言われた通りに黙ったままでいたら、いつの間にかカタインロジェに決まってしまった。
「なんかね、エルンストじゃなくてステファンの方を突っついたらしいわよ。」
とトーニャが教えてくれた。
一体なにがあったのかはわからない。
ある日突然ステファン殿下がカタインロジェの事を持ち出して、エルはそれに異議を唱えなかった、それだけだった。
「でも、教えてくれて助かったわ。これで漸く借りが返せた。」
とカトリーナ様が嬉しそうに息を吐いた。
「借り…ですか?お義母様が?」
トーニャが訳が分からなさそうに首を傾げてるけど、誰もその疑問には答えない。
「まっ、これでラブレフ夫人も少しはおとなしくなるでしょっ。
ったく、浅はかよね。
ブリトーニャとレイチェル、どちらを取るかを天秤に掛けるだなんて。
両方取るくらいの気概を見せなさいって。
どう?ブリトーニャ、少しは気が晴れた?」
「…私には関わりがないことですから、別に。」
…なんの話?
嬉しそうなカトリーナ様、心底どうでも良いと思っていそうなトーニャ。
「あなた達が仲良くなってくれて嬉しいわ。
まあ周りはかなりアタフタしてると思うけど。
好きなだけ、振り回したいだけ、振り回してやんなさい。
そのうちあなた達に必要な人材は手に入れられるから。」
…なんの話?
何故エルとステファンがラウール様から石を買い上げたら、私達の話になるんだろう?
繋がりはわからないけれど、カトリーナ様はそれでも満足そうだ。
「さて、この課題はこれで終わり、まあ合格ね。次の課題は…」
カトリーナ様は次の課題を話し始めようとしてる。
というか、私は何もしてないし、この石の件が課題だなんて思ってもいなかったんだけど?
テーブルの下で誰かが私の手を掴んだ。トーニャだ。
「頑張りましょ、その…2人で。」
私は何もしてないけど…?
でも、「うん、そうね。頑張ろうね。」としか答え方がわからない。
…これがクラリーチェ様が仰っていた、「おいおいでいいのよ。」になる…訳がないと思うんだけど。
でも、みんなが落ち着くべきところに落ち着いたと安堵してるんだから…まあいっか。
カトリーナ様のご機嫌は良い。
「教えて頂きありがとうございました。」
とブリトーニャはお礼を伝え、
「ご助言ありがとうございます。」
とレイチェルは頭を下げた。
ゴッツウォールの値が高騰している事を聞き、ダーランド補佐官に相談したものの、何もするなと言われ落ち込んでいた。
落ち込んだ気分のままカトリーナ様の前に出てしまった私はカトリーナ様に落ち込んでいるのを見破られて、全て洗いざらい喋らなくてはならなかった。
私の話を聞いたカトリーナ様は、
「…そうねぇ…シュタインとの石の取引きについて調べてご覧なさい。」
となぜかトーニャノにだけアドバイスをくださった。
トーニャが、カタインロジェを調べていく上で、最近になって兄が大量購入をしている事も知ったみたい。
ネックがカタインロジェの産地がラウール様の領地だと言う事だったと思う。
でも、私に策を講じる事を約束してくれたのもカトリーナ様だった。
その時、全く男達は何をしているのか、とカトリーナ様はため息を溢された。
「変なプライドの為に、時間も費用も掛けるなんて無駄な事なのに。」
と。
カタインロジェを採用するか否かを決めるのはエルンスト殿下の気持ち次第だとは思ったけれど、エルを言いくるめたのはカトリーナ様だろうか、それともクラリーチェ様だろうか。
秋の夜会でお2人がどんな話をしたのかを私は知らない。エルの中ではあの夜の事はなかった事になっている。
ラウール様がカトリーナ様に報告していたら別だけど。
私がラウール様の事を推薦すればカドが立つから何も言わないでいなさい、とアドバイスをくれたのはクラリーチェ様。
みんなが私に「何もするな」と言う。
でも、言われた通りに黙ったままでいたら、いつの間にかカタインロジェに決まってしまった。
「なんかね、エルンストじゃなくてステファンの方を突っついたらしいわよ。」
とトーニャが教えてくれた。
一体なにがあったのかはわからない。
ある日突然ステファン殿下がカタインロジェの事を持ち出して、エルはそれに異議を唱えなかった、それだけだった。
「でも、教えてくれて助かったわ。これで漸く借りが返せた。」
とカトリーナ様が嬉しそうに息を吐いた。
「借り…ですか?お義母様が?」
トーニャが訳が分からなさそうに首を傾げてるけど、誰もその疑問には答えない。
「まっ、これでラブレフ夫人も少しはおとなしくなるでしょっ。
ったく、浅はかよね。
ブリトーニャとレイチェル、どちらを取るかを天秤に掛けるだなんて。
両方取るくらいの気概を見せなさいって。
どう?ブリトーニャ、少しは気が晴れた?」
「…私には関わりがないことですから、別に。」
…なんの話?
嬉しそうなカトリーナ様、心底どうでも良いと思っていそうなトーニャ。
「あなた達が仲良くなってくれて嬉しいわ。
まあ周りはかなりアタフタしてると思うけど。
好きなだけ、振り回したいだけ、振り回してやんなさい。
そのうちあなた達に必要な人材は手に入れられるから。」
…なんの話?
何故エルとステファンがラウール様から石を買い上げたら、私達の話になるんだろう?
繋がりはわからないけれど、カトリーナ様はそれでも満足そうだ。
「さて、この課題はこれで終わり、まあ合格ね。次の課題は…」
カトリーナ様は次の課題を話し始めようとしてる。
というか、私は何もしてないし、この石の件が課題だなんて思ってもいなかったんだけど?
テーブルの下で誰かが私の手を掴んだ。トーニャだ。
「頑張りましょ、その…2人で。」
私は何もしてないけど…?
でも、「うん、そうね。頑張ろうね。」としか答え方がわからない。
…これがクラリーチェ様が仰っていた、「おいおいでいいのよ。」になる…訳がないと思うんだけど。
でも、みんなが落ち着くべきところに落ち着いたと安堵してるんだから…まあいっか。
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王女ターン?
母国で冷遇されていた王女。
彼女を救いたい、守りたい。
だから当時の婚約者を捨てた。
王妃、王太子は元婚約者より王女を選んだ。
寧ろ嫁いできた王女に心変わりだけでいいような。
美談ですか?
婚約者を切り捨て王女を救う王妃と王太子。
冷遇から抜け出し王太子に溺愛される王女物語。
心優しい王太子。
元婚約者にも今は別の相手がいて、今や4人仲睦まじく…
って自分を捨てた相手が他の女性と仲睦まじくしていてその女性が不遇な生い立ちで、自分にも愛してくれる相手がいても、仲睦まじく…いやムリムリ。
主人公どんだけ聖母?マザー・テレサ?
右の頬を打たれたら左の頬も差し出しなさい。
いや、主人公両頬どころかクビまで差し出してるようなもの。
捨てられ主人公のお相手男性すら、王妃の差金?と疑っちゃうレベルで王女に都合よく動いてます。
王妃のこの王女へ向ける過剰な愛情って何からどこからくるものなんでしょう。
国のためというより、王妃の私情っぽいですよね。
結局、王妃は主人公を王家に絶対服従使える駒としか見てない感ましましに。
何か守ってみせる!とか宣ってた王妃。
ただ王女が可愛いからでいいような、守ってあげたいと思うってそういうことですよね?
冷遇ヒロインが幸せに物語好きですが…
主人公犠牲の上の幸せはどうなんだろう。
二組のそれぞれの愛を描かれたかった、こんな幸せの形もあるのでしょうが…
主人公を捨てた、がある限り良かったね!王女様💗にはなれないかなぁ。
王太子もなんやかやすぐ王女好きになってたみたいですし(笑)
王女冷遇秘話より、王女実はめちゃ性格良い子で皆んな絆されちゃった💗の方が……
お返事ありがとうございます。
王妃を悪だとは思いません。
ただ、どこまでも王族。
人間を駒、(それは自分の息子である王太子ですら)にしか思っていない。
非常に冷徹な人だとは思います。
もちろん、今を選んだのはレイチェル自身。
王太子、レイチェルはお互いにいろいろ諦め折り合いをつけた上の今の幸せなんでしょう。
もちろんそれも幸せのカタチだとは思います。
ただ皆んな仲良し?にモヤりました、だって引き裂かれ愛し合ってた婚約者同士がその引き裂かれた婚約者のパートナーとわだかまりなく仲良くなれるのか。
彼女の出現(王妃はブリちゃんファースト)で引き裂かれたのに?って自分ならムリな環境だなぁと思って投稿致しました。
続きも楽しみにしてます💕
お返事いただきありがとうございます。
4人には仲良くしてくれないと困りますが、でも仲良く出来なければそれはそれでまた違うお話しが書けそうですよね。
続き、頑張りますね。
レイチェルはこれハッピーエンドなんですかね?
幸せ?
レイチェルと王太子の幸せを踏みにじった王妃、その他の方々。
レイチェルの心配してました?してませんよね。
エルの母親はレイチェルには味方がいるそのことを彼女は認め、信じないといけないとか宣ってますが。
自分を裏切った人たちを信じられますか?
貴方達は出来るのか。
さらに愛し合っていた王太子の正妃の話し相手って。
王妃と王弟妃とは前提から違うのに、それを強要できる王妃素晴らしい人格者ですね。
これがレイチェルを心配してる人、信じらる人たちですか?
自分たちの都合よくレイチェルを使ってるだけ。
心配してるのブリちゃんが自国に馴染めるようにってブリちゃんのことだけですよね?
王太子が捧げた短剣の意味、王太子の心。
息子より、ブリちゃん大事なんでしょうね、王妃。
王族は全てを飲み込まなくてはいけない、王族だけでそれをすればいい、何故レイチェルに強いるのか。
てか、王妃?そんなつらい目にあってきたんですか?
形としてエルの妻にはなってしまったけど、どんだけレイチェル踏みにじればいいのか、この王妃。
よほどレイチェルのこと内心嫌いだったんでしょうね。
で、ブリちゃんがお気に召したから、あっさり息子の幸せも無視でブリちゃん正妃に。
愛する人が他の人と幸せにしてる姿を見続けろ、その手助けを強いるのが心配?
さらに、エルもレイチェルのためを思うなら自分の元にあんなことして留め置くより市井に逃してあげるべきでしたよね。
自分がレイチェル欲しかっただけ。
レイチェルは王太子の婚約がつらくて死のうとまでしたのに。
王太子もなんだかんだ結局、ブリちゃん受け入れてるようですし。
終わり良ければ全て良し?
なんだかすっきりしません。
ご感想ありがとうございます。
そうですね、カトリーナ酷いですよね。ですが、私の中ではカトリーナは悪役ではありません。
婚約者選定の最初の10人、すでに王族の選定後なので、他国に嫁がせる予定のアデリーナを除き誰が選ばれてもカトリーナは受け入れたと思います。
しかし持ち上がった領土問題、カトリーナはそちらを片付ける事を優先しました。
領土問題を片付けるにあたりブリトーニャを受け入れなければならない、その結果レイチェルを遠ざけるしかなくなっただけです。
カトリーナはステファンが納得さえすれば、ラウールにレイチェルを託すつもりでした。
全てはエルンストの暴走です。
それを許したのはカトリーナではなくクラリーチェだと思って下さい。
レイチェルの幸せの道はいくつかありました。ラウールに嫁ぐのもそうだし、ステファンを思って修道院で静かに暮らすんでも。
選んだその道の中でいかに幸せを見つけるか?だと思います。
レイチェル、不幸ですかね?
傷付いたけれど時間をかけてエルンストに癒された、気持ちに区切りをつけてエルンストと歩く道を選んだ、ダメですかね?
レイチェルだけじゃなくて、ブリトーニャも自分を認めていないキッテンの貴族達を信じなければこの先やっていけません。
レイチェルやブリトーニャが信じなければならないのは王族ではなく貴族や国民達なんです。
せっかくご感想いただいたので真摯にお答えしたい気持ちはあるのですが、この里帰りで少し、それから2人のお披露目会とか棚上げされている島の事とか書きたい事がいくつかあるんです。
その中でお答えにすることになればいいな、と思います。
もう少しお時間をいただけませんか?