若松2D協奏曲

枝豆

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コハク島

ゴールデンウィーク

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ゴーデンウィークって何してる?

それは北斗くんの一言から始まった。

「えっ?部活だよ。」
「うん、それは知ってる。けど休みの日あるよね?」

北斗くん達が所属するバスケ部と、優ちゃんが所属するバドミントン部は体育館を他の部とわけあう為、部活は半分くらいの日しかない。後は少し遠征とか練習試合があるくらい、入部したての1年生のためにゴールデンウィークまでは緩いスケジュールなのだそうだ。

だが。翠の吹奏楽部は音楽室を独占している。休みは1日、設備点検のために学校に入れない日だけ。
明けて直ぐにある体育祭発表に向けての練習が始まる。

「水曜日だけか…。あっ、その日は優ちゃんも部活無いよね?」
「うん。だからどこか行こうって話はしてる。」
「それ!俺らも混ぜて!」
横から口出して来たのは和津くん。

バスレクですっかり仲良くなった北斗くんは、休み時間に私たちの席に来るようになった。

「あっ!バレた。」
優ちゃんが頭を抱える仕草をする。
本当に嫌がっている感じはない、そもそも誘おうかどうしようか?ってところまで話はしていた。
「良いじゃん、みんなで遊ぼうぜ。」
「なぁ、どこに行こうと思ってた?」
「いや、まだ何も。」
ゴーデンウィークはどこも混んでる、あんまり遠くには行けないし。
無難に映画?街ブラ?なんて話はしてたけど、これに男の子を誘うのは付き合わせるみたいで気が引けてもいた。

「なあ、じゃあコハク島行かない?」
コハク島というのはここからわりと近い観光地で、学校の最寄りの駅がある路線の下りの終点。
「潮干狩りどう?俺のばあちゃんが浜で海の家してるから、お昼はそこで食べれば良い。」

「いいじゃん、楽しそう!」
と優ちゃんが乗った。優ちゃんがいいなら反対する理由はない。ううん、むしろ楽しそう!
うん、じゃあ決まり!と、ゴーデンウィークの貴重な1日休みの予定が決まった。
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