若松2D協奏曲

枝豆

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ジャズ演奏

体育館音響室

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体育館の音響室に入るためには、当たり前だけど体育館棟に行く。
体育館の入り口周りでは色々な部活のユニホームを着た人たちが、準備をしている。
体育館用のスニーカーに履き替えながら周りを見遣る。
パッと目を引くのは白時に緑色でアクセントが入ったバスケ部の練習着。
ついその中に和津くんを探す。
…いない、か。

少し残念に思いながら、トランペットが入ったケースを持ち直した。

「和津くん!」
中に入るとそこには和津くんが、床に座り込んでシューズの紐を結んでいた。つい嬉しくなって声を掛ける。

名前を呼ばれて見上げた和津くんはとてもビックリした顔をしてた。
「翠!どうしたの?」
「しばらくそこの音響室で練習するの。」
「ふーん、そうなんだ…。
…2人で?」
やや間があって、後ろに立つ北条くんを見つけて聞かれる。
視線に気付いた北条くんがペコリとお辞儀をした。

「ううん、後1時間くらいしたら、もう1人来るから、3人。」
「…そうか。」
「あっ、1年生の北条拓実くん。今度同じグループでアンサンブルやる事になって。」
「あっ、そうなんだ。わかった、頑張って。」
「うん、じゃ和津くんも練習頑張ってね。」

邪魔しちゃ悪いから。ちょっとだけ話して舞台の横にある音響室の鍵を開けて、中に入った。

音響室は普段は放送部や演劇部の備品倉庫を兼ねている、3畳くらいの小さな部屋。窓は小さいものが2つ、1つは舞台に、1つは体育館を向いている。
「暑いねえ。」
長らく使われていなかったのか、埃っぽく熱気が篭っている。
「しばらく開けておきましょうか?」
「うん、そだね。」
2つの窓と扉を全開にする。
耳にピックアップマイクのイヤホンを嵌めて、基本の音出しから始めていく。

「翠先輩、さっきの人。応援団の太鼓の人ですよね。」
「あっ、和津くん。うん、そうだよ。和津くんがどうかした?」
「あっ、いえ。なんでもないです。」
「じゃ、練習始めよう?」
「…はい。」
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