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置き去りにしたもの
すれ違いを解く
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静かにゆっくり話せるようにとカラオケボックスを選んだと和津くんからメッセージが来た。
みんなで図書館に行くはずだったのを取り止めてカラオケボックスに向かう。
皇子くんには言えないので、優ちゃんを頼った。
優ちゃんは何も言わずに対応を引き受けてくれた。
全部終わったら優ちゃんにはちゃんと話さないと、って思う。
やっと絵里ちゃんに謝れる。そう思うと早く行きたい、待たせちゃいけない。
だけど…。
許して貰えなかったらどうしよう…という気持ちもある。
謝罪はする方が楽だ。
言いたいことを言って相手の反応を見れば良い。許して貰えなくても、謝罪をしたというのが往々にして免罪符になりがちだ。
謝罪される方は辛い。相手を許せない気持ちが強ければ強いほどに心にストレスが掛かる。
許せないのに許さなければいけないような思いになるストレス。謝られているのにそれを受け入れられないのもまたストレスだ。
…絵里ちゃんにはどう伝わるか。
それだけが心配だった。
入り口に和津くんが立っていた。
心配して待っていてくれたんだ。
「…多分だけど、大丈夫。絵里は落ち着いている。ちゃんと自分の気持ちを伝えられると思うよ。」
と声を掛けてくれる。
「うん、ありがとう。頑張るね。」
少しでも安心させるようにと微笑んでみせた。
こっち、と和津くんがカラオケボックスの廊下を案内してくれる。
奥の奥のドアの前にたった。
扉の窓ガラスから、座っている絵里ちゃんが見えた。
チラリとこちらを見上げて、目があった。
ゴクリ。
思わず息を飲んだ。
「開けるよ。」
和津くんが扉をゆっくりと開けた。
みんなで図書館に行くはずだったのを取り止めてカラオケボックスに向かう。
皇子くんには言えないので、優ちゃんを頼った。
優ちゃんは何も言わずに対応を引き受けてくれた。
全部終わったら優ちゃんにはちゃんと話さないと、って思う。
やっと絵里ちゃんに謝れる。そう思うと早く行きたい、待たせちゃいけない。
だけど…。
許して貰えなかったらどうしよう…という気持ちもある。
謝罪はする方が楽だ。
言いたいことを言って相手の反応を見れば良い。許して貰えなくても、謝罪をしたというのが往々にして免罪符になりがちだ。
謝罪される方は辛い。相手を許せない気持ちが強ければ強いほどに心にストレスが掛かる。
許せないのに許さなければいけないような思いになるストレス。謝られているのにそれを受け入れられないのもまたストレスだ。
…絵里ちゃんにはどう伝わるか。
それだけが心配だった。
入り口に和津くんが立っていた。
心配して待っていてくれたんだ。
「…多分だけど、大丈夫。絵里は落ち着いている。ちゃんと自分の気持ちを伝えられると思うよ。」
と声を掛けてくれる。
「うん、ありがとう。頑張るね。」
少しでも安心させるようにと微笑んでみせた。
こっち、と和津くんがカラオケボックスの廊下を案内してくれる。
奥の奥のドアの前にたった。
扉の窓ガラスから、座っている絵里ちゃんが見えた。
チラリとこちらを見上げて、目があった。
ゴクリ。
思わず息を飲んだ。
「開けるよ。」
和津くんが扉をゆっくりと開けた。
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