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置き去りにしたもの
あの時の話 絵里視点
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パパの知り合いのパーティーに連れて行かれた時に、モデル事務所にスカウトされた。
パパの知り合いの知り合い、有名女優さんがいる事務所の社長からの直々のスカウト。
これ以上のいい話はない。
すぐに担当マネージャーさんを紹介された。
ただ一つ誤算。
「えっ?まだ15歳なの?」
子供モデルに配慮してスケジュールを組むティーン雑誌に私の見た目は合わない。
私の見た目に見合う雑誌は、泊まりや深夜撮影も多くて、15歳の子供なんて使いづらくてお呼びで無い。
せめて16、もしかしたら18歳までは仕事が無いかもしれない。
それまではいつでも仕事が来ても大丈夫なように準備しよう。
しばらくはモデルレッスンを受けながら様々な感性を磨く事になった。同時に服装や持ち物、つまりはオシャレを意識する暮らし。
その延長でピアスを開けた。
それを見てその時付き合っていた貴行がピアスをプレゼントしてくれた。
ファーストピアスを開けてから3週間。
まだ外しちゃいけない時期なのに
「俺のこと好きならピアス変えてくれよ。」
って貴行はいう。
まあいっか。大丈夫だろう。
軽い気持ちでピアスを取り替えた。
すぐに耳は腫れ上がり、痛んだ。
高校生のお小遣いで買える安物のピアスなんてまだ付けちゃダメだった。
だけど貴行はご機嫌で、「似合う似合う」と褒めてくれた。
耳が腫れて痛む事に気付いた翠が病院に行こうって言い始めた。
いや、翠だけじゃない。パパもママもマネージャーさんも、
「それはオシャレではないよ、ちゃんと体を大切にしないとダメ。」
と言っていた。
気持ちは治療に傾いていたけれど、それでもまだ諦めが付かなかった。
貴行に嫌われたくなかった。
心が揺ら揺ら揺れていたその時に、翠が
「そんなピアス似合っていない。」と言ったのだ。
ピアスをくれた貴行の目の前で。
パパの知り合いの知り合い、有名女優さんがいる事務所の社長からの直々のスカウト。
これ以上のいい話はない。
すぐに担当マネージャーさんを紹介された。
ただ一つ誤算。
「えっ?まだ15歳なの?」
子供モデルに配慮してスケジュールを組むティーン雑誌に私の見た目は合わない。
私の見た目に見合う雑誌は、泊まりや深夜撮影も多くて、15歳の子供なんて使いづらくてお呼びで無い。
せめて16、もしかしたら18歳までは仕事が無いかもしれない。
それまではいつでも仕事が来ても大丈夫なように準備しよう。
しばらくはモデルレッスンを受けながら様々な感性を磨く事になった。同時に服装や持ち物、つまりはオシャレを意識する暮らし。
その延長でピアスを開けた。
それを見てその時付き合っていた貴行がピアスをプレゼントしてくれた。
ファーストピアスを開けてから3週間。
まだ外しちゃいけない時期なのに
「俺のこと好きならピアス変えてくれよ。」
って貴行はいう。
まあいっか。大丈夫だろう。
軽い気持ちでピアスを取り替えた。
すぐに耳は腫れ上がり、痛んだ。
高校生のお小遣いで買える安物のピアスなんてまだ付けちゃダメだった。
だけど貴行はご機嫌で、「似合う似合う」と褒めてくれた。
耳が腫れて痛む事に気付いた翠が病院に行こうって言い始めた。
いや、翠だけじゃない。パパもママもマネージャーさんも、
「それはオシャレではないよ、ちゃんと体を大切にしないとダメ。」
と言っていた。
気持ちは治療に傾いていたけれど、それでもまだ諦めが付かなかった。
貴行に嫌われたくなかった。
心が揺ら揺ら揺れていたその時に、翠が
「そんなピアス似合っていない。」と言ったのだ。
ピアスをくれた貴行の目の前で。
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