若松2D協奏曲

枝豆

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文化祭

翠視点

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文化祭の日の吹部は忙しい。

1日4回コンサートがある。
2回は体育館で、2回は音楽室で。

服装はコンクールと同じ、白のパンツスーツで、髪はしっかりと纏め上げる。

初めはアンサンブルグループ、私は金管八重奏で参加する。
有名なCM曲は割とノリの良い曲だから、最初に出て会場を温める。ワザと扉は閉めないのは金管の大音量で人を集める為。
木管の流れるようなクラッシックの少曲、打楽器だけの勇壮な曲、最後は出演者みんなで有名な海賊映画をやって…。
約30分ほどのミニコンサート。

終わったらそのまま体育館に移動して、今度はコンクールの課題曲を含めて、みんなで5曲…。

さくら市の広報課の取材を遥先輩が受ける。
「全国大会金賞目指してがんばります!」

…嶋田さんは今日は忙しそうだ。

朝一番で菜々子ちゃんが吹部の3人にバッグを渡してくれた。

自分で描いたのは気恥ずかしいので、可愛い恐竜のデザインにしている。
「ハラダノザウルス」という架空の恐竜はボッテリとしたボディに黒縁の眼鏡と特徴的な前髪がポイント。
原田先生を知っている人には大ウケだった。

これに無理やり楽譜と楽器のケアセットを詰め込んで、今日一日持ち歩くことにした。
中野さんは猫ちゃんの、楽譜のは西さんが持っている。

北斗くんの
「吹部のジャケット着て持ち歩いてよ。」
というのを間に受けて。

宣伝になるかわからなかったけれど、
「あれ?お揃い?」
若菜先輩と遥先輩がめざとく見つけて声を掛けてくれる。

「今年のうちのクラスの商品なんです。」
「へえ、可愛い。」
「後で買ってください。」
とプッシュしておく。

「あっ、あれ。さっきの…。」
という声が聞こえた。
振り向くと制服を着た中学生の女の子。
「…やっぱり買えば良かった…。」
と言っている。

中野さんが、
「買ってよ。」
と声を掛けている。

うふふ。
私達には何も出来ない、と言っていた中野さんが、宣伝してる。

目が合うとプイッと恥ずかしそうにソッポを向かれて、またうふふ、と笑ってしまう。


「お昼、どこで食べる?」
「えー、ブースでしょう。」
「…だよね。」

コンサートが終わってお昼までの1時間と少し。
みんなの所に向かう。

去年は準備だけ、クラスには「お客さん」として行っただけ。
今年はちゃんと?クラスの一員として参加出来るのが、嬉しい。

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