4 / 27
運命の始まり
願いとプレゼント
しおりを挟むそれから翌日にジュニアールの手術が行われた。
執刀はセシレーヌ、助手にはクラウドルがついた。
手術の為にセシレーヌはいつも当てている眼帯を外していた。
眼帯の下には酷い火傷の跡が生々しく残っている。
その姿はまるでお化けのようで、目を背けたくなる。
いつもと違うマスクを着けているセシレーヌの頬には、日頃見えない火傷の跡が酷く残っている。
右手はいつもと違う透明な手袋で、そこにも生々しい火傷の跡が見える。
どうやら酷い火傷の跡を隠すために、セシレーヌは日頃は大きなマスクを着けて、眼帯をあて右手は白い手袋をはめて隠しているようだ。
火傷を負って医師になったという事なのだろうか?
セシレーヌがメスを握って手術が始まった。
麻酔で眠っているジュニアールは、とても穏やかな表情で眠っている。
麻酔で眠る前にジュニアールはセシレーヌに
「お約束、楽しみにしていますからね」
と言ってとても嬉しそうに微笑んでいた。
その微笑みのまま眠っているジュニアール。
難しい手術の為長時間に及んだ手術。
だが。
手術は無事に成功に終わった。
初めて大きな手術を引き受けて、相手が国王様と言う偉大な人だっただけにセシレーヌはとても神経が高ぶっていたが無事に成功してホッとしている。
「良かった…」
麻酔でまだ眠っているジュニアールを見て、セシレーヌは素直に微笑んだ。
「有難うね、護ってくれて」
そっと胸に手をあてセシレーヌはお礼を言った。
それからジュニアールが麻酔から目覚めたのは翌日の朝だった。
目が覚めたジュニアールの傍には、ブックルがいた。
「国王様、ご気分はいかかでございますか? 」
ブックルに尋ねられると、ジュニアールはそっと微笑んだ。
「…最高に良い気分です。…」
「それはようございます。手術は大成功でございます。ご安心くださいませ」
「当然ですよ、彼女は最高の医師ですから」
「はい、左様でございますね」
一息ついて、ジュニアールはブックルを見た。
「ブックル。…メイシスの事、覚えていますか? 」
「はい、もちろんでございます」
「メイシスは、脳死で臓器は全てドナー登録により必要な人へ提供されてました。…それは、メイシスが望んだことで私も承知で全てを受け入れていました。…でも、心のどこかではもしかしたらメイシスはいつの日か、目を覚ましたかもしれないと思わない事もありませんでした。…でも今は…メイシスがドナー登録をしていてくれた事を、心から感謝します。…メイシスが、ドナー登録してくれていたおかげで私は…彼女に会えたのですから…」
彼女に会えたというジュニアールは、とても愛しそうな目をしていた。
「国王様…もしかして、お気づきになられましたか? 」
「ええ…。彼女に初めて会った日に、気づきました。…彼女の後ろに、メイシスがいましたから…」
「左様でございましたか。実は私も、あの方を見て驚いたのです。昔の、メイシス様と同じ態度だったので。まるで、メイシス様を見ているようで懐かしかったのです」
「…そうですね。感情を司るあの臓器が、彼女に受け継がれているなら。きっと、メイシスに似てきても不思議ではありませんからね」
「国王様。もう少しお休みください、あの方が来られるのは明日以降だそうですよ」
「そうですか。では、そのときまでゆっくりと休む事にします。彼女を封じている、重い鎧を外してあげなくてはなりませんからね」
そう言ってゆっくりと目を閉じたジュニアールは、再び眠りについた。
手術が終わってから3日後。
ジュニアールは順調に回復して、起きられるようになっていた。
麻酔から目覚めた直後は、まだ起きる事はできなかったが、今は起き上がりベッドから自分で出る事もできるようになった。
食欲もでてきて顔色もすごくよくなってきて、驚く程の回復力だった。
担当のセシレーヌがなかなか来てくれない事で、ジュニアールはどうしたものかと思っていたが、別の手術がはいって忙しく来れないと聞いてほっとしていた。
ようやくセシレーヌがジュニアールの下に来れたのは、手術から7日目の時だった。
すっかり顔色もよくなり、歩く事も出来るようになったジュニアールは手術前より元気になっていた。
「セシレーヌさん、やっと来てくれたのですね。本当は、目が覚めた時に一番にお礼を言いたかったのですよ」
「別にお礼なんて。…」
相変わらず愛想がないセシレーヌに、ジュニアールはそっと微笑みかけた。
「セシレーヌさん、お約束覚えていらっしゃいますね? 手術が成功して、私が無事に助かったら私の願いを叶えてくれると約束した事」
「ああ、覚えているけど? 」
「良かったです。では、さっそく叶えてもらえますか? 」
ジュニアールはベッドからでて、セシレーヌに歩み寄りそっと右手をとった。
なんなの?
そう思ってセシレーヌはいつもの不愛想な表情のままジュニアールを見ていた。
「この手で、沢山の人を救ってこられたのですね。この手袋の下は、火傷の跡がありますね? 」
はぁ? なんで?
驚いた目を向けたセシレーヌに、ジュニアールは優しく微笑んだ。
「先ずはここにある、貴女の重たい鎧を外してゆきますね」
ぽわっと暖かい温もりがセシレーヌの右手を包み込んだ。
なに? 何が起こっているの?
判らないままセシレーヌは、温かい温もりを感じてここ地良さを感じていた。
「手袋、外してもいいですか? 」
「なんで? 」
「もう必要ありませんから」
そう言ってセシレーヌの手袋を外すジュニアール。
外されたセシレーヌの右手は、白くて綺麗な肌をした手だった。
「なにこれ…」
どうなっているの? と、セシレーヌが驚いていると。
「次は、そのマスクを外しましょう」
そう言いながら、ジュニアールはセシレーヌの両頬を両手で包み込んだ。
何とも言えない温かい光に包まれてゆくのを感じたセシレーヌ。
(セシレーヌ、もういいから幸せになりなさい…)
不意に耳元で聞こえた女性の声に、セシレーヌはハッと驚いた。
「さ、もういいですよ。そんな大きなマスクで、もう、素敵なお顔を隠さないで下さい」
そう言って、そっと、ジュニアールはセシレーヌのマスクを外した。
マスクの下は…。
魅力的な唇に、シャープな輪郭で綺麗な顔立ちのセシレーヌ。
手術の時に見えた火傷のような跡は消えていた。
綺麗なセシレーヌの顔を見ると、ジュニアールは満足そうに頷いた。
「とても綺麗ですね。胸がきゅんとします」
愛しそうな目をして、見つめられてセシレーヌは驚いて自分の顔に触れてみた。
すると、肌がすべすべになりつるんとしていた。
「どうなってんの? これ…」
訳が分からない顔をしているセシレーヌを、嬉しそうな笑顔でジュニアールは見ていた。
「最後に、あと1つですね」
フワリと、セシレーヌの右目に触れると、ジュニアールはそっと微笑んだ。
「もう何も我慢しなくて、いいんですよ。本当の貴女を解放して下さい」
また暖かい光がセシレーヌを包み込んだ…。
「さぁ、この眼帯も取りましょう」
ジュニアールがセシレーヌの右目の眼帯を外してゆく…。
左目と同じ綺麗な目が見える…瞳は優しい緑色…
こうして素顔を見ると、とても雑な言葉使いをするようには見えないセシレーヌ。
綺麗で優しい顔で、とても上品な女性に見える。
セシレーヌの素顔に、ジュニアールも見惚れていた。
「どうなっているの? 」
困惑しているセシレーヌを、ジュニアールはそっと抱き寄せた。
なんで抱きしめの?
ダメ!
そう思いジュニアールを突き放そうとしたセシレーヌだが、ギュッと強く抱きしめられていて離れることが出来なかった。
「これで、貴女を封じるものはなくなりましたよ」
そっと身体を離して、ジュニアールはセシレーヌに愛しい眼差しを向けた。
その眼差しに、セシレーヌの胸がどきどきとうるさいくらい高鳴っていた。
何がどうなっているのか判らないセシレーヌは、うるさい鼓動を必死に抑えようとしていたが一向におさまってくれなく困っていた。
「次は、私のお願いを聞いて下さいますか? 」
「な、なんなの? お願いって」
スッとジュニアールの表情がとても真剣な表情に変わった。
「私と、結婚して下さい」
「はぁ? 」
結婚? 何を言っているの?
からかわれている? それとも、これは夢?
顔の火傷が消えたのも、手の火傷が消えたのも…目の前にいる国王様が言っている事も…夢だから?
「セシレーヌさん。初めてお会いした時、私の魂がとても喜びました。貴女を間近で見た時、胸がキュンと鳴りました。…もう、10年もこんな気持ち忘れていたので、すぐには気が付きませんでした。でも、手術前にもう一度貴女を見て確信しました。…私は、心から貴女を愛していると…」
愛している? こんな私を?
「なに言っているの? 冗談だろ? そんな事…」
「いいえ、本気です。手術が無事に成功して、元気になったら一番に。貴女の火傷の跡を、消してあげたいと思っていました。火傷の跡は、貴女の鎧です。その鎧を消して、本当の貴女を開放したいと思いました。そして…この先、貴女の事をずっと幸せにしてあげたいと思ったのです」
なにこれ…夢にしてはおかしすぎる…
なんでこうなるの?
戸惑っているセシレーヌを見て、ジュニアールはそっとセシレーヌの顎をとった。
「信じてもらえませんか? もしかして、夢だと思っているのですか? 」
「…だって…ありえないもん…こんな私に…」
「では、本当だと先ずは実感して下さい…」
スーッとジュニアールの顔が近づいてきて…
そっとセシレーヌの唇にジュニアールに唇が重なった…。
え?????
キス???????
ちょっと! なにしているの?
セシレーヌはギュッとジュニアールの腕を掴んで、そのまま突き放そうとしたが、逆に抱きしめられてしまい離れることが出来なくなってしまった。
ジュニアールの優しい唇が、セシレーヌの唇を吸い上げて行く…。
ダメと判っていても離れることが出来ず、セシレーヌはスッと体の力抜けるのを感じた。
吸い上げられた唇からスルリとジュニアールが入ってきて、口の中を犯されてしまう…。
優しくて暖かなエネルギーに包まれて、そこから「好き」「愛している」という思いが伝わってきて、セシレーヌは今まで重たかった心が軽くなってゆくのを感じた。
ゆっくりと唇が離れてゆくのを感じて、離れたくない気持ちが込みあがってきたセシレーヌ。
「…夢ではないと、分かって頂けましたか? 」
そう語りかけたジュニアールの声が上ずっていた。
ズルっと鼻をすする音が聞こえて、セシレーヌはちょっとだけ視線を上げた。
すると。
ジュニアールが泣いている姿が目に入り、ハッとして顔を上げたセシレーヌ…。
「すみません。…嬉しくて…生きていて本当に良かったと、心から想えました」
なんで?
そう思ったセシレーヌの頬にも涙が伝った…。
「…私はダメです…。私は…相応しくありません…。もう…二度と、お会いしませんから…」
そのままセシレーヌは病室を出て行った。
廊下を足早に歩いて来たセシレーヌは、頭が混乱していた。
なんで? なんで私なんかに結婚して下さいなんて言うの?
こんな私に…
ふと、足を止めてセシレーヌは窓ガスに写った自分を見た。
マスクに眼帯をあてていた自分を姿はなく、綺麗になったかを見るとドキッとなった。
「あんなに酷い火傷を消してしまうなんて。…」
そっと、自分を顔に触れてみたセシレーヌ。
(わぁ! 気持ち悪い)
(お化けだ! )
(逃げろ!)
小学生の時からずっと、化け物扱いされみんなが逃げて行っていた。
(お前、その顔でよく生きていられるよな)
(自分だったら死んじゃうよ)
中学になったら、男子生徒からはそんな言葉を平気で言われ続けていた。
高校生になると大きなマスクを着け、眼帯をあて人に関わらないようにしてきたセシレーヌ。
医師になってからも誰にも関わる事はしないと決めて、ずっと一人でいた。
「セシレーヌさん! 待って下さい! 」
ジュニアールの声にハッと我に返ったセシレーヌ。
近づいてくるジュニアールに気づいて、再び足早に歩き出したシレーヌを、ジュニアールは追いかけて来た。
「なんで追いかけてくるの! 」
セシレーヌがそう呟いた時。
ドン! と誰かにぶつかった。
「ご、ごめんなさい…」
驚いて顔を上げると、そこにはクラウドルがいた。
「あ…」
クラウドルは綺麗になったセシレーヌを見て、目を見開いて驚いた。
「セシレーヌ? お前…顔、どうしたんだ? 」
「あ…こ、これは…」
「火傷の跡、すっかり消えているじゃないか。まるで魔法だなぁ」
「魔法? 」
「セシレーヌさん! 」
近づて来たジュニアールに、セシレーヌは背を向けたまま肩を竦めた。
「国王様。どうなさったのですか? 病室にお戻り下さい」
「いえ、セシレーヌさんが逃げてしまわれたので追いかけて来たのです」
「え? 」
クラウドルはセシレーヌを見た。
セシレーヌは困った顔をして俯いていた。
「セシレーヌさん。あの、ちゃんと話をさせてもらえませんか? きっと貴女は、大きな勘違いをしている筈ですから」
セシレーヌとジュニアールを見て、クラウドルな何かあったのだと察っした。
セシレーヌの苦しそうな顔を見ると、何があったのかは予想がついたクラウドル。
「国王様、申し訳ございません。ここは一度、お戻り下さい。セシレーヌも、何か混乱しているようでございます。少し落ち着いてから、お話をして頂きたいのです」
ジュニアールはセシレーヌの背中をじっと見つめた。
「判りました。…セシレーヌさん、私の気持ちはどんなことがあっても変わりません。…貴女の中にある、大切なエネルギーに正直になって下さい。…貴女はもう、幸せになっていいのですから」
幸せになっていい…
その言葉はとても嬉しい。
でも…
俯いたままセシレーヌは何も答えなかった。
クラウドルに連れられて、ジュニアールはそのまま病室へ戻って行った。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる