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白魔法と黒魔法
私は真逆の人間
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ジュニアールの姿を見ると、セシレーヌは驚いて目を見開いた。
「セシレーヌさん…やっと会えましたね…」
セシレーヌを見つめるジュニアールのが潤んでいた。
その目を見るとセシレーヌは、メイシスを亡くして泣いていたジュニアールを思い出した。
ズキン!
胸に痛みを感じたセシレーヌは、その場から走り去った。
「あ! ちょっと待って下さい! 」
走り去ったセシレーヌを、ジュニアールは追いかけた。
セシレーヌは全速力で走ってきて、森林の中へやって来た。
「セシレーヌさん! 待って下さい! 」
追いかけて来たジュニアールの声に、走る速度を速めたセシレーヌ。
だが…
「キャッ! 」
何かにつまずいたのか、その場に転んでしまった。
「セシレーヌさん! 大丈夫ですか? 」
転んでしまったセシレーヌに近づいてくるジュニアール。
逃げなくちゃ!
そう思ったセシレーヌだが、思うように足が動かなかった。
「セシレーヌさん! 」
追いついてきたジュニアールは、セシレーヌを覗き込んだ。
「大丈夫ですか? 」
そっとセシレーヌの肩に手を置いたジュニアール。
小刻みにセシレーヌの方が震えていた…。
「こんなに走れるようになったのですね? 」
え?
チラッとセシレーヌはジュニアールを見た。
「セシレーヌさん。落ち着いて下さい、私は全部知っています。貴女が、メイシスの心臓を移植してもらっている事も」
嘘? 知っているの?
ギュッと胸を押さえたセシレーヌ…。
「貴女に初めて会った時に。貴女の後ろに、メイシスがいました。そして私に教えてくれましたよ。貴女に、一番大切な心臓をあげたと」
「ご…ごめんなさい…」
震える声でセシレーヌは謝った。
すると…
パキッ! っと、木の枝が数本折れて落ちてきた。
ジュニアールはその様子を見て、もしかして? と思った。
肩を竦ませているセシレーヌを見ていると、何かに怯えているようにも見えた。
「セシレーヌさん…」
そっと、ジュニアールはセシレーヌを抱きしめた。
ダメ!
そう思ってジュニアールを突き放そうとしたセシレーヌだが、ギュッと強い力で抱きしめられていて離れる事が着なかった。
シュッ! と、何か鋭い刃のような風がジュニアールの頬をよぎった。
タラっと…少しジュニアールの頬から血が流れてきた。
「なるほど…。セシレーヌさんは、黒魔法が使えるのですね? 」
言いながら宥めるように、ジュニアールはセシレーヌの頭を撫でた…。
「セシレーヌさん。謝る事なて、何一つありませんよ。貴女は何も悪くありません。メイシスの心臓が、貴女に受け継がれたのは運命だったのです」
「…運命なんかではありません…私は…王妃様の、大切な命を奪ったのです…」
「いいえ、そうではありません。奪ったのではなく、受け継いでくれただけです。だからこうして、元気になれたのではありませんか。メイシスだって、喜んでいるのですよ。貴女がメイシスの心臓を受け継いでくれたから、私はこうして元気になれたのですよ。私だけじゃありません。他にももっと、沢山の人達が救われているのです」
「でも…私なんて…」
「もういいですから。自分の事を責めないで下さい。…貴女は選ばれたのですから。…それに、もうあなたの心臓ですよ。何も気にしないで下さい」
「でも…もっと一緒に居たかったでしょう? …愛している人だもの…」
「そうですね。でも、メイシスが決めてきた事ですから、逆らえません」
「…だって…あんなに泣いていたじゃないですか…」
泣いていた…。
その言葉を聞いて、ジュニアールはキュンと胸が鳴った。
「もしかして、貴女が自分を責めている本当の理由は…。私が、泣いている姿を見たからですか? 私の事を悲しませたと、そう思って自分を責める事をやめないのですか? 」
パキッと、また木の枝が折れて落ちてきた。
「…男の人が、あんなに泣いている姿を見たのは初めてでした。…王妃様の心臓を頂いて、私は生き延びることが出来ました…。でもその代わりに、悲しんでいる人がいる…。心から愛している人と、永久に会えなくなってしまった人がいる…。だから私は…」
「もういいです、何も言わないで下さい! 」
またギュッとセシレーヌを抱きしめたジュニアールは、感無量だった。
自分の為に、こんなに心を痛めてくれる人がいたんだ…。
悲しみを分かち合ってくれた人がいた。
こんなに優しい人に会ったのは初めてかもしれない。
メイシスが選んだ理由が今なら分かる。
そう思ったジュニアール。
「…私は…国王様に相応しくありません」
そっとジュニアールを突き放したセシレーヌは、そのまま立ち上がった。
「私は…魔女の家計の人間です。…感情が高まると、無意識に黒魔法を使ってしまいます。…国王様もいつ、傷つけれるか判りませんので。私には、近づかないで下さい! 」
それだけ言うと、セシレーヌは走り去った。
「待って下さい! 」
追いかけようとしたジュニアールだが。
パキッと、木の枝が数本落ちてきて行く手を阻まれてしまった。
どんどん遠ざかってゆくセシレーヌを見て、ジュニアールはやるせない思いでいっぱいだった。
このままではいけない…
私はここに居てはいけない…
セシレーヌはそう思っていた。
それからまた数日後。
セシレーヌはクラウドルに呼ばれて院長室に行った。
病院では相変わらず大きなマスクをつけて、長い前髪で目を隠しているセシレーヌ。
まだ火傷の跡が消えた事に気づいている者はいないようだが、看護師の間ではチラホラと「セシレーヌ先生、雰囲気変わってない? 」「最近、眼帯外しているようだけど」「なんだか柔らかくなった感じがする」「前より優しくなったような気がするわ」と、セシレーヌの変化に気づいている者がでてきている。
「なんだ? まだそんな大きなマスクしているのか? 」
「だって…」
「もういいじゃないか、隠さなくても」
「騒がれるの嫌だし」
「まぁ、それもそうだがな。それより、お前に南グリーンピアト総合病院からお呼びがかかっているのだが行く気はあるか? 」
「なんで私に? 」
「今回、国王様の執刀をした事で。お前の腕がかなり評価されている。南グリーンピアト総合病院では、心臓外科医に力を入れ始めている。そこで、今回のお前の実績をかって是非来てほしいと言われたんだ」
南グリーンピアト…。
グリーンピアトからの連絡船は月に2回ほど、一度乗り損ねると次の乗船券を買うことが出来るのは半年以降になると言われている。
との夏の領土と呼ばれていて、冬に季節がなく気温も22度以下にはならない温かい領土で、お金持ちが別荘を建てて寒い冬には移住して暮らしているとも言われている。
重病人の静養地でもあるため、多くの優秀な医師が集結している場所でもある南グリーンピアト。
行ってしまえば二度と戻ってこれないかもしれない…
そうなると国王様とも会う事はなくなってしまうのか…。
セシレーヌはフッとため息をついた。
「…そうですね。悪い話ではないと思います。…」
「それじゃあ、引き受けてくれるか? 」
「はい…」
少し戸惑う気持ちもあったが、セシレーヌは承知した。
クラウドルは返事をしたセシレーヌを見て、本当にこれでいいのかと思った。
あれからジュニアールは、何度もクラウドルに会いに来ていた。
セシレーヌにどうしても会わせてほしいと、何度も頼み込んでいた。
とても懸命で誠実なジュニアールの想いは、クラウドルにもとても伝わっていた。
ずっと一人で頑張ってきたセシレーヌ。
顔の火傷も消えて何も負い目を感じる事がなくなった今、幸せになる道を選んでほしいと願っていた。
「セシレーヌさん…やっと会えましたね…」
セシレーヌを見つめるジュニアールのが潤んでいた。
その目を見るとセシレーヌは、メイシスを亡くして泣いていたジュニアールを思い出した。
ズキン!
胸に痛みを感じたセシレーヌは、その場から走り去った。
「あ! ちょっと待って下さい! 」
走り去ったセシレーヌを、ジュニアールは追いかけた。
セシレーヌは全速力で走ってきて、森林の中へやって来た。
「セシレーヌさん! 待って下さい! 」
追いかけて来たジュニアールの声に、走る速度を速めたセシレーヌ。
だが…
「キャッ! 」
何かにつまずいたのか、その場に転んでしまった。
「セシレーヌさん! 大丈夫ですか? 」
転んでしまったセシレーヌに近づいてくるジュニアール。
逃げなくちゃ!
そう思ったセシレーヌだが、思うように足が動かなかった。
「セシレーヌさん! 」
追いついてきたジュニアールは、セシレーヌを覗き込んだ。
「大丈夫ですか? 」
そっとセシレーヌの肩に手を置いたジュニアール。
小刻みにセシレーヌの方が震えていた…。
「こんなに走れるようになったのですね? 」
え?
チラッとセシレーヌはジュニアールを見た。
「セシレーヌさん。落ち着いて下さい、私は全部知っています。貴女が、メイシスの心臓を移植してもらっている事も」
嘘? 知っているの?
ギュッと胸を押さえたセシレーヌ…。
「貴女に初めて会った時に。貴女の後ろに、メイシスがいました。そして私に教えてくれましたよ。貴女に、一番大切な心臓をあげたと」
「ご…ごめんなさい…」
震える声でセシレーヌは謝った。
すると…
パキッ! っと、木の枝が数本折れて落ちてきた。
ジュニアールはその様子を見て、もしかして? と思った。
肩を竦ませているセシレーヌを見ていると、何かに怯えているようにも見えた。
「セシレーヌさん…」
そっと、ジュニアールはセシレーヌを抱きしめた。
ダメ!
そう思ってジュニアールを突き放そうとしたセシレーヌだが、ギュッと強い力で抱きしめられていて離れる事が着なかった。
シュッ! と、何か鋭い刃のような風がジュニアールの頬をよぎった。
タラっと…少しジュニアールの頬から血が流れてきた。
「なるほど…。セシレーヌさんは、黒魔法が使えるのですね? 」
言いながら宥めるように、ジュニアールはセシレーヌの頭を撫でた…。
「セシレーヌさん。謝る事なて、何一つありませんよ。貴女は何も悪くありません。メイシスの心臓が、貴女に受け継がれたのは運命だったのです」
「…運命なんかではありません…私は…王妃様の、大切な命を奪ったのです…」
「いいえ、そうではありません。奪ったのではなく、受け継いでくれただけです。だからこうして、元気になれたのではありませんか。メイシスだって、喜んでいるのですよ。貴女がメイシスの心臓を受け継いでくれたから、私はこうして元気になれたのですよ。私だけじゃありません。他にももっと、沢山の人達が救われているのです」
「でも…私なんて…」
「もういいですから。自分の事を責めないで下さい。…貴女は選ばれたのですから。…それに、もうあなたの心臓ですよ。何も気にしないで下さい」
「でも…もっと一緒に居たかったでしょう? …愛している人だもの…」
「そうですね。でも、メイシスが決めてきた事ですから、逆らえません」
「…だって…あんなに泣いていたじゃないですか…」
泣いていた…。
その言葉を聞いて、ジュニアールはキュンと胸が鳴った。
「もしかして、貴女が自分を責めている本当の理由は…。私が、泣いている姿を見たからですか? 私の事を悲しませたと、そう思って自分を責める事をやめないのですか? 」
パキッと、また木の枝が折れて落ちてきた。
「…男の人が、あんなに泣いている姿を見たのは初めてでした。…王妃様の心臓を頂いて、私は生き延びることが出来ました…。でもその代わりに、悲しんでいる人がいる…。心から愛している人と、永久に会えなくなってしまった人がいる…。だから私は…」
「もういいです、何も言わないで下さい! 」
またギュッとセシレーヌを抱きしめたジュニアールは、感無量だった。
自分の為に、こんなに心を痛めてくれる人がいたんだ…。
悲しみを分かち合ってくれた人がいた。
こんなに優しい人に会ったのは初めてかもしれない。
メイシスが選んだ理由が今なら分かる。
そう思ったジュニアール。
「…私は…国王様に相応しくありません」
そっとジュニアールを突き放したセシレーヌは、そのまま立ち上がった。
「私は…魔女の家計の人間です。…感情が高まると、無意識に黒魔法を使ってしまいます。…国王様もいつ、傷つけれるか判りませんので。私には、近づかないで下さい! 」
それだけ言うと、セシレーヌは走り去った。
「待って下さい! 」
追いかけようとしたジュニアールだが。
パキッと、木の枝が数本落ちてきて行く手を阻まれてしまった。
どんどん遠ざかってゆくセシレーヌを見て、ジュニアールはやるせない思いでいっぱいだった。
このままではいけない…
私はここに居てはいけない…
セシレーヌはそう思っていた。
それからまた数日後。
セシレーヌはクラウドルに呼ばれて院長室に行った。
病院では相変わらず大きなマスクをつけて、長い前髪で目を隠しているセシレーヌ。
まだ火傷の跡が消えた事に気づいている者はいないようだが、看護師の間ではチラホラと「セシレーヌ先生、雰囲気変わってない? 」「最近、眼帯外しているようだけど」「なんだか柔らかくなった感じがする」「前より優しくなったような気がするわ」と、セシレーヌの変化に気づいている者がでてきている。
「なんだ? まだそんな大きなマスクしているのか? 」
「だって…」
「もういいじゃないか、隠さなくても」
「騒がれるの嫌だし」
「まぁ、それもそうだがな。それより、お前に南グリーンピアト総合病院からお呼びがかかっているのだが行く気はあるか? 」
「なんで私に? 」
「今回、国王様の執刀をした事で。お前の腕がかなり評価されている。南グリーンピアト総合病院では、心臓外科医に力を入れ始めている。そこで、今回のお前の実績をかって是非来てほしいと言われたんだ」
南グリーンピアト…。
グリーンピアトからの連絡船は月に2回ほど、一度乗り損ねると次の乗船券を買うことが出来るのは半年以降になると言われている。
との夏の領土と呼ばれていて、冬に季節がなく気温も22度以下にはならない温かい領土で、お金持ちが別荘を建てて寒い冬には移住して暮らしているとも言われている。
重病人の静養地でもあるため、多くの優秀な医師が集結している場所でもある南グリーンピアト。
行ってしまえば二度と戻ってこれないかもしれない…
そうなると国王様とも会う事はなくなってしまうのか…。
セシレーヌはフッとため息をついた。
「…そうですね。悪い話ではないと思います。…」
「それじゃあ、引き受けてくれるか? 」
「はい…」
少し戸惑う気持ちもあったが、セシレーヌは承知した。
クラウドルは返事をしたセシレーヌを見て、本当にこれでいいのかと思った。
あれからジュニアールは、何度もクラウドルに会いに来ていた。
セシレーヌにどうしても会わせてほしいと、何度も頼み込んでいた。
とても懸命で誠実なジュニアールの想いは、クラウドルにもとても伝わっていた。
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