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命を紡ぎ愛を紡いだその先にある物語
運命の縁談申し込み
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命を紡ぎ愛を紡いだ結婚を果たした国王ジュニアールと女医のセシレーヌ。
歳の差7歳とは思えないほど仲睦まじく、結婚しても恋人の様に過ごしていた。
結婚式の時には既に2人の子供も授かっており、世間で言う「授かり婚」ではあったが、そこまでにたどり着くまでの道のりを考えれば「奇跡の子」と思えるほどだった。
結婚式を終えて、既に妊娠5ヶ月に入る事になっていたセシレーヌはお腹も少し目立ち始めていたがジュニアールと共に公務に出掛けずっと寄り添っていた。
初期の頃には悪阻がなかったが、後期に入る頃から食欲が減ってしまったセシレーヌは少量しか食べることが出来ず8ヶ月に入る頃にはあまり公務にも着いてゆく事が出来なくなっていた。
心臓移植をして元気になったとは言え、無理をしては心臓にも負担がかかると医師に言われ安静に過ごす事になった為、遠出は控え近場の公務のみ一緒に行く事にしていた。
安定期に入れば大丈夫と言われていた夜の営みも、セシレーヌの体調を考慮してずっと我慢していたジュニアール。
無事に第一皇子シャルロが誕生して、セシレーヌもホッとしていた。
シャルロが産まれてから1年経過する頃には、すっかり元気になったセシレーヌ。
ジュニアールとの夜の営みも普通にできるようになり、以前にもまして恋人の様に仲睦まじくなっていったセシレーヌとジュニアール。
2人目を作ろうかと話も出ていた。
セシレーヌが心臓移植をしている事もあり、体に負担がかかりすぎると言われ2人目は断念した。
前妻のメイシスの子供ミディスもいる事から、男の子と女の子一人ずつで丁度いいのではないかと周りにも言われていた事から無理をしないで授かった子供達を大切に育て行こうと決めた。
ジュニアールとセシレーヌの愛を沢山受けて、スクスク育ったシャルロ。
年の離れたお姉さんとして、ミディスはできる範囲で子育てに協力してきた。
中等部からは、グリーンピアトでもハイレベルな学校「ボジェット学園」に進学したミディスは、セシレーヌが学んできた医学を専攻して大学は医学部を目指して勉学に励んでした。
無邪気に成長するシャルロを見ながら、勉学に励んでいるミディス。
愛溢れる暖かい家族として、王家は国民からも憧れの家族として注目されていた。
そんな時だった。
ジュニアールとセシレーヌが結婚して20年経過する頃。
南グリーンピアトの貴族が掘り当てた鉱山から毒水が流れ出し、その毒水がグリーンピアト全域に広がり、作物が育たなくなり水が汚染されてしまう事件が発生した。
すぐに鉱山は閉鎖され、極力被害は最小限に抑えたが、汚染された地域は多く東グリーンピアトは田畑は全滅し、西グリーンピアトは海が汚染され魚屋魚介類がとれなくなった。
唯一一番遠くにある北グリーンピアトは何も被害がなく、北グリーンピアトから開発された浄化槽により毒で犯された水は綺麗に浄化されて行った。
西グリーンピアトの海も綺麗に浄化され、ようやく魚や魚介類がとれるようになったのは汚染から3年後だった。
東グリーンピアトの作物も育つようになるまで2年かかり。
中心国グリーンピアトも、あまり作物が育たず魚や魚介類も少なくなり、牛や豚も育つのが少なく食料不足も続いていた。
この状況が改善され元の生活に戻るまで、5年の月日がかかった。
ようやく平和な日々の戻りつつあるグリーンピアトだが。
経済的回復はまだ立たず、王室も赤字を背負っていた。
国民達も景気が回復しつつあるも、毎日が精いっぱいで苦労していたが笑顔は絶やさないで頑張っていた。
第一皇子シャルロも25歳に成長した。
シャルロは法学を専攻して、この国から犯罪を減らしたいと望んでいた。
しかし不況が続いた中、やはり犯罪は減る事が少なかった。
ミディスは医学を専攻して、大学院まで進学し27歳で大学を卒業した。
その後は東グリーンピアトの医師と結婚して、そのまま東グリーンピアトに嫁いで王室を出て行ってしまった。
結婚してすぐに子供も授かり今では二児の母になっている。
シャルロはミディスが結婚した時はまだ16歳で、ミディスが母親になる頃は17歳。
17歳でもう叔父さんと呼ばれるようになってしまったが、子供が好きなシャルロはミディスの子供が遊びに来るととても可愛がってくれている。
そんなシャルロも、そろそろ結婚して欲しいとジュニアールもセシレーヌも望んでいる。
貴族令嬢や資産家の娘から、縁談の申し込みが多くあるが、どの縁談も心が動かないと言ってシャルロはいつも断ってばかりいる。
まだ不況が続く中、王室が赤字を背負っている事を負い目に感じているからだろうか? と、ジュニアールもセシレーヌも心配しているが、結婚を決めるのはシャルロ自身であるゆえに本人に任せようと決めている。
春の日差しが心地よい今日この頃。
1階のテラスに座って本を読んでいるシャルロ。
大学を卒業して3年目のシャルロは現在25歳。
セシレーヌと同じ金色のサラサラショートヘヤーが、とても魅力的。
顔立ちは父のジュニアールに似ている。
スッと面長なシャープの輪郭に高い鼻、優しい口元はいつも笑っているように微笑ましい。
目元はセシレーヌと似ていて、切れ長できりっとしている。
全体的にほんわりした、優しいイケメンタイプ。
背丈はスラっとした長身で、190cmはあるモデルのようなタイプ。
明るブルー系のシャツに、紺色のズボンに軽やかな白いスニーカー姿は平民の若者と変わらないない姿である。
現在は、父のジュニアールを手伝い職務を果たしているが、公式の場には顔を出していない。
公の場が好きではない事と、あまり国民い顔を知られたくないとシャルロが言っている。
その為、シャルロの素顔は小学校3年生以来国民の前には公にされていない。
素顔を知られていないシャルロは、平民の顔をして城下町によく偵察へ行っている。
誰もシャルロを皇子だと気づかず、普通に接してくれる。
酒場では、おかみさんと仲良くなり、城下町の裏情報や景気の様子など教えてもらっている。
のんびりした穏やかなシャルロは、学生の頃から女の子にかなりモテていたが、特定の人は作った事がない。
大学の頃には毎日のように、交際の申し込みがあったがいつも断るばかりである。
貴族令嬢は次のお妃になりたくて必死に縁談を申し込みしてくる者が多い。
しかしシャルロは誰にも心が動かないと言って全て断ってしまうのだ。
「シャルロ、ここに居たのですか? 」
テラスで本を読んでいるシャルロの傍にジュニアールがやって来た。
あれから25年経過しても、若々しいままのジュニアール。
最近では視力が悪くなってきた事から、いつもメガネをかけるようになった。
メガネは黒ぶち眼鏡で、何となくがり勉タイプのようにみえるが、ジュニアールがかけるとキリリッとして見える。
本を閉じシャルロはジュニアールを見た。
「父さん、どうかしたのですか? 」
ジュニアールはシャルロの向かい側に座った。
「シャルロ。まだ、心が動かされる人はいませんか? 」
「え? また結婚の話しですか? それなら今は、そうゆう人がいませんから」
「そうですか。ですが、私もそろそろ何かと疲れが多くなりましてね、書類を読む事も、苦労するようになりました。そろそろ、貴方にも落ち着いてもらい次の王位継承者へと進んで頂きたいと思っているのですが」
「何を言っているのですか? 父さんは、まだまだ現役で頑張れますよ」
やれやれと、ジュニアールは溜息をついた。
「そいえば、貴方に面白い縁談のお話が届いているのですが」
「面白い縁談? どんな縁談ですか? 」
持って来た茶色い封筒をシャルロに差し出したジュニアール。
その封筒を素直に受け取ったシャルロ。
「あっ…」
封筒を受け取ったシャルロはハッと何かを感じたようだ。
封筒の中を取り出したシャルロは、中に入っている書類を読み始めた。
書類を読んでいるシャルロを、ジュニアールはちょっと心配そうに見ていた。
書類に目を通してゆくシャルロの目が、だんだんと大きく見開かれてゆき、キラキラと輝きだしていった。
「いいですね、このお話し」
え?
ジュニアールは驚いた目を向けた。
「承知いたしました。この方との縁談、お受けいたします」
「本当ですか? シャルロ」
「はい。勿論、結婚も承諾します」
「いいのですか? 本当に」
「ええ…。こんなに、心を動かされたのは初めてです。この方と、結婚します」
ジュニアールはちょっと信じられない目をしていた。
しかし、シャルロのキラキラした目を見ていると真剣に考えている事が伝わって来る。
「判りました。では、先方にお返事しておきますね」
そう言って、ジュニアールはその場を去って行った。
シャルロはそっと空を見上げた。
「…やっと巡り会えましたね…」
そう言って空を見上げるシャルロは、とても愛しそうな目をしている…。
ずっと縁談を断り続けてきたシャルロ。
そのシャルロが承諾した結婚とは… …。
歳の差7歳とは思えないほど仲睦まじく、結婚しても恋人の様に過ごしていた。
結婚式の時には既に2人の子供も授かっており、世間で言う「授かり婚」ではあったが、そこまでにたどり着くまでの道のりを考えれば「奇跡の子」と思えるほどだった。
結婚式を終えて、既に妊娠5ヶ月に入る事になっていたセシレーヌはお腹も少し目立ち始めていたがジュニアールと共に公務に出掛けずっと寄り添っていた。
初期の頃には悪阻がなかったが、後期に入る頃から食欲が減ってしまったセシレーヌは少量しか食べることが出来ず8ヶ月に入る頃にはあまり公務にも着いてゆく事が出来なくなっていた。
心臓移植をして元気になったとは言え、無理をしては心臓にも負担がかかると医師に言われ安静に過ごす事になった為、遠出は控え近場の公務のみ一緒に行く事にしていた。
安定期に入れば大丈夫と言われていた夜の営みも、セシレーヌの体調を考慮してずっと我慢していたジュニアール。
無事に第一皇子シャルロが誕生して、セシレーヌもホッとしていた。
シャルロが産まれてから1年経過する頃には、すっかり元気になったセシレーヌ。
ジュニアールとの夜の営みも普通にできるようになり、以前にもまして恋人の様に仲睦まじくなっていったセシレーヌとジュニアール。
2人目を作ろうかと話も出ていた。
セシレーヌが心臓移植をしている事もあり、体に負担がかかりすぎると言われ2人目は断念した。
前妻のメイシスの子供ミディスもいる事から、男の子と女の子一人ずつで丁度いいのではないかと周りにも言われていた事から無理をしないで授かった子供達を大切に育て行こうと決めた。
ジュニアールとセシレーヌの愛を沢山受けて、スクスク育ったシャルロ。
年の離れたお姉さんとして、ミディスはできる範囲で子育てに協力してきた。
中等部からは、グリーンピアトでもハイレベルな学校「ボジェット学園」に進学したミディスは、セシレーヌが学んできた医学を専攻して大学は医学部を目指して勉学に励んでした。
無邪気に成長するシャルロを見ながら、勉学に励んでいるミディス。
愛溢れる暖かい家族として、王家は国民からも憧れの家族として注目されていた。
そんな時だった。
ジュニアールとセシレーヌが結婚して20年経過する頃。
南グリーンピアトの貴族が掘り当てた鉱山から毒水が流れ出し、その毒水がグリーンピアト全域に広がり、作物が育たなくなり水が汚染されてしまう事件が発生した。
すぐに鉱山は閉鎖され、極力被害は最小限に抑えたが、汚染された地域は多く東グリーンピアトは田畑は全滅し、西グリーンピアトは海が汚染され魚屋魚介類がとれなくなった。
唯一一番遠くにある北グリーンピアトは何も被害がなく、北グリーンピアトから開発された浄化槽により毒で犯された水は綺麗に浄化されて行った。
西グリーンピアトの海も綺麗に浄化され、ようやく魚や魚介類がとれるようになったのは汚染から3年後だった。
東グリーンピアトの作物も育つようになるまで2年かかり。
中心国グリーンピアトも、あまり作物が育たず魚や魚介類も少なくなり、牛や豚も育つのが少なく食料不足も続いていた。
この状況が改善され元の生活に戻るまで、5年の月日がかかった。
ようやく平和な日々の戻りつつあるグリーンピアトだが。
経済的回復はまだ立たず、王室も赤字を背負っていた。
国民達も景気が回復しつつあるも、毎日が精いっぱいで苦労していたが笑顔は絶やさないで頑張っていた。
第一皇子シャルロも25歳に成長した。
シャルロは法学を専攻して、この国から犯罪を減らしたいと望んでいた。
しかし不況が続いた中、やはり犯罪は減る事が少なかった。
ミディスは医学を専攻して、大学院まで進学し27歳で大学を卒業した。
その後は東グリーンピアトの医師と結婚して、そのまま東グリーンピアトに嫁いで王室を出て行ってしまった。
結婚してすぐに子供も授かり今では二児の母になっている。
シャルロはミディスが結婚した時はまだ16歳で、ミディスが母親になる頃は17歳。
17歳でもう叔父さんと呼ばれるようになってしまったが、子供が好きなシャルロはミディスの子供が遊びに来るととても可愛がってくれている。
そんなシャルロも、そろそろ結婚して欲しいとジュニアールもセシレーヌも望んでいる。
貴族令嬢や資産家の娘から、縁談の申し込みが多くあるが、どの縁談も心が動かないと言ってシャルロはいつも断ってばかりいる。
まだ不況が続く中、王室が赤字を背負っている事を負い目に感じているからだろうか? と、ジュニアールもセシレーヌも心配しているが、結婚を決めるのはシャルロ自身であるゆえに本人に任せようと決めている。
春の日差しが心地よい今日この頃。
1階のテラスに座って本を読んでいるシャルロ。
大学を卒業して3年目のシャルロは現在25歳。
セシレーヌと同じ金色のサラサラショートヘヤーが、とても魅力的。
顔立ちは父のジュニアールに似ている。
スッと面長なシャープの輪郭に高い鼻、優しい口元はいつも笑っているように微笑ましい。
目元はセシレーヌと似ていて、切れ長できりっとしている。
全体的にほんわりした、優しいイケメンタイプ。
背丈はスラっとした長身で、190cmはあるモデルのようなタイプ。
明るブルー系のシャツに、紺色のズボンに軽やかな白いスニーカー姿は平民の若者と変わらないない姿である。
現在は、父のジュニアールを手伝い職務を果たしているが、公式の場には顔を出していない。
公の場が好きではない事と、あまり国民い顔を知られたくないとシャルロが言っている。
その為、シャルロの素顔は小学校3年生以来国民の前には公にされていない。
素顔を知られていないシャルロは、平民の顔をして城下町によく偵察へ行っている。
誰もシャルロを皇子だと気づかず、普通に接してくれる。
酒場では、おかみさんと仲良くなり、城下町の裏情報や景気の様子など教えてもらっている。
のんびりした穏やかなシャルロは、学生の頃から女の子にかなりモテていたが、特定の人は作った事がない。
大学の頃には毎日のように、交際の申し込みがあったがいつも断るばかりである。
貴族令嬢は次のお妃になりたくて必死に縁談を申し込みしてくる者が多い。
しかしシャルロは誰にも心が動かないと言って全て断ってしまうのだ。
「シャルロ、ここに居たのですか? 」
テラスで本を読んでいるシャルロの傍にジュニアールがやって来た。
あれから25年経過しても、若々しいままのジュニアール。
最近では視力が悪くなってきた事から、いつもメガネをかけるようになった。
メガネは黒ぶち眼鏡で、何となくがり勉タイプのようにみえるが、ジュニアールがかけるとキリリッとして見える。
本を閉じシャルロはジュニアールを見た。
「父さん、どうかしたのですか? 」
ジュニアールはシャルロの向かい側に座った。
「シャルロ。まだ、心が動かされる人はいませんか? 」
「え? また結婚の話しですか? それなら今は、そうゆう人がいませんから」
「そうですか。ですが、私もそろそろ何かと疲れが多くなりましてね、書類を読む事も、苦労するようになりました。そろそろ、貴方にも落ち着いてもらい次の王位継承者へと進んで頂きたいと思っているのですが」
「何を言っているのですか? 父さんは、まだまだ現役で頑張れますよ」
やれやれと、ジュニアールは溜息をついた。
「そいえば、貴方に面白い縁談のお話が届いているのですが」
「面白い縁談? どんな縁談ですか? 」
持って来た茶色い封筒をシャルロに差し出したジュニアール。
その封筒を素直に受け取ったシャルロ。
「あっ…」
封筒を受け取ったシャルロはハッと何かを感じたようだ。
封筒の中を取り出したシャルロは、中に入っている書類を読み始めた。
書類を読んでいるシャルロを、ジュニアールはちょっと心配そうに見ていた。
書類に目を通してゆくシャルロの目が、だんだんと大きく見開かれてゆき、キラキラと輝きだしていった。
「いいですね、このお話し」
え?
ジュニアールは驚いた目を向けた。
「承知いたしました。この方との縁談、お受けいたします」
「本当ですか? シャルロ」
「はい。勿論、結婚も承諾します」
「いいのですか? 本当に」
「ええ…。こんなに、心を動かされたのは初めてです。この方と、結婚します」
ジュニアールはちょっと信じられない目をしていた。
しかし、シャルロのキラキラした目を見ていると真剣に考えている事が伝わって来る。
「判りました。では、先方にお返事しておきますね」
そう言って、ジュニアールはその場を去って行った。
シャルロはそっと空を見上げた。
「…やっと巡り会えましたね…」
そう言って空を見上げるシャルロは、とても愛しそうな目をしている…。
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そのシャルロが承諾した結婚とは… …。
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