12 / 27
命を紡いで愛を紡ぐ…永遠に
生涯を紡ぐ永遠の愛
しおりを挟む
セシレーヌはちょっと赤くなって、そっとお腹に手をあてた…。
「実は…子供ができたの…」
「え? 本当ですか? 」
「ええ。ずっと、不順だったから気が付かなくて。…最近、体調が悪くて調べてもらったら妊娠反応が出ているって言われて。…もうすぐ6週目に入るって、言われたの…」
満面の微笑みを浮かべて、ジュニアールはギュッとセシレーヌを抱きしめた。
「おめでとうございます。…嬉しいです、私と貴女の愛の結晶が来てくれたのですね」
「…うん…」
「お腹の子は、奇跡の子です」
「奇跡の子? 」
「ええ、メイシスの命受け継いでくれた貴女がいたから来てくれたのですよ。鎮魂したメイシスからの、贈り物かもしれませんね」
「そうかもしれない…。でも、結婚式まだ終わっていないし。結婚の報告だって、まだ国民の方にしていないのに…」
「そんな事は気にする事はありませんよ。私の、父と母も授かり婚ですから」
「え? そうなの? 」
「はい。王家は代々、授かり婚が多いと聞いています。私がメイシスと結婚を決めた時には「赤ちゃんが来てっくれたのか? 」て聞かれたくらいでした。「まだです」って答えたら、意外そうな顔をされましたよ」
王家が授かり婚が多いとは意外だ。
でも…
来てくれた命を素直に喜ぼうと、セシレーヌは思った。
「結婚式、早くしませんか? お腹が目立たないうちに、すませた方がいと思うのですが」
「そんな…まだ何も発表していないし…。結婚式は、やらなくてもいいと思うの」
「どうしてですか? 」
「苦手だもん…そうゆうの…」
「何を言っているのですか。貴女の一生に一度の門出じゃないですか。ちゃんとやりましょう。私も、貴女のウェディングドレス姿、ちゃんと見たいですから」
「でも年内。あと2ヶ月、病院の勤務が残っているし。その間に、お腹目立ってくると思うから」
「それでもいいですよ。それに、今6週ならこれから悪阻などで大変です。2か月後なら、少し落ち着いているのではありませんか? 」
「個人差があるから、分からないけど」
「体調を見計らって、結婚式やりましょう。お腹の子も、きっと望んでいますよ」
ヨシヨシと、ジュニアールはセシレーヌの頭を撫でたジュニアール。
セシレーヌはちょっと複雑だったが、一生に一度の事だからと前向きに考える事にした。
それからの日々は、セシレーヌも気を付けながら仕事をしていた。
まだ安定期ではなくボチボチ、悪阻も始まりつつあり時折気分が悪そうにしているセシレーヌを気遣う看護師もいた。
セシレーヌの勤務が終わりにしかづいて来た頃。
看護師の間で
「セシレーヌ先生、もしかして妊娠している? 」
「最近、なんとなくお腹出てきていない? 」
「なんだか胸も大きくなっている感じ」
「気分が悪そうにもしていたし」
などと看護師の間では言われるようになっていた。
もう12週を過ぎて4ヶ月目に入ろうとしている。
それほどお腹が出てきているわけではないが、細身のセシレーヌにしてはちょっとお腹がふっくらしてきたようにみえるようだ。
そんな看護師達の噂もセシレーヌは気にしないまま。
無事に全ての勤務をこなして病院を退職した。
去り行くセシレーヌを惜しむ声も多く、これからどうするのかを聞かれるとセシレーヌは「まだ決めていません」とごまかしていた。
最後までジュニアールと結婚する事は、誰にもバレないままだった。
病院を退職したセシレーヌは、そのままお城に向かった。
「お疲れ様」
と、ジュニアールとミディスが迎えてくれた。
「セシレーヌ様、長い間お疲れ様でございます」
ブック里が丁寧な挨拶をしてくれた。
「ブックルさん、私には気を使わないで下さい」
ちょっと照れてセシレーヌが言った。
「いえ、王妃様になられるお方ですから」
と、ブックルは生真面目に答えた。
何となく気が引けるのもあるが、執事と王妃なら仕方がないだろうとセシレーヌは納得した。
セシレーヌがお城に来てから2週間後。
年明けして暫く経過した頃に、ジュニアールとセシレーヌの婚約が発表された。
国民達はやっと再婚してくれたと、とても安心して大喜びしていた。
出会いのきっかけが手術と書いてあり、納得さる事も多かった。
国立病院ではクラウドル以外は何も知らず、大変驚かれていた。
号外にはセシレーヌの素顔も写っていて、火傷の跡があるセシレーヌしか知らない者が多く驚いていた。
大きなマスクで退職するまで、ずっとマスクを外さなかったセシレーヌ。
いつの間にあんなに酷かった火傷の跡が消えたのだろうか? と不思議で。
クラウドルにセシレーヌが結婚する事を知っていたのか? と、聞いてくる医師達も多かったが何も知りませんとクラウドルは言いとおしていた。
現在、妊娠4ヶ月を経過している事も書かれており、看護師の間ではなんとなくセシレーヌが妊娠しているのではないか? と感じていた者もいて、ずっと隠していたセシレーヌだったが、国王様の子供もであるゆえに騒がれたく無かったのではないか? と話している。
結婚式は発表から翌週に行われるが、セシレーヌが妊娠している事もあり城下町へのパレードは中止になり城内でのみ行われる事になった。
もうすぐ38歳になるジュニアールと、31歳のセシレーヌ。
2人の歳の差は7歳あるが、とてもそんなふうには見えず、とても仲が良く初々しい。
ミディスはセシレーヌを「お母さん」とは呼ばずに「お姉ちゃん」と呼んでいる。
親子になったはずなのに、姉妹みたいなミディスとセシレーヌ。
ジュニアールは、そんな関係でも別に良いと言っている。
ちょっと天然で不思議な国王ジュニアール。
そんなジュニアールが愛した女医さんは、火傷の跡を背負って自分に蓋をしていました。
それに気づいたジュニアールは、伝授された不思議な力で、セシレーヌの火傷の跡を綺麗に消して蓋を開けました。
綺麗な顔に戻ったセシレーヌは、喜びがあふれる中、ジュニアールの愛したメイシスの心臓を移植してもらった事にとても罪悪感を感じていた。
でも、愛する人の命を受け継いでくれていたのが、愛した人だったことを知るとジュニアールは溢れんばかりの喜びでいっぱいになった。
国王様の愛した女医さんは、愛する人の命を受け継いだ人だった。
奇跡が重なり、愛する人の命を受け継いだ人と、今愛し合っているジュニアール。
長い冬を超えて新緑の季節になる頃。
ジュニアールとセシレーヌの下に、新しい命が誕生した。
透明感あふれる白い肌に、まるで天使のような神秘的なエネルギーを持った可愛い男の子。
名前をシャルロとなずけだ。
産まれた時はジュニアールに似ているように見えたが、今はセシレーヌによく似ている顔をしている。
日に日に顔が変わる事から、ミディスにも似ている顔も見えたりとまだ安定していない。
セシレーヌは黒魔法の力はすっかり消えたようで、感情により無意識に黒魔術を使ってしまう事もなくなった。
ジュニアールは相変わらず死者の声が聞けたり、ちょっとした傷を治す事はできるが、さすがに酷い火傷を消したしまうほどの力はもう使っていない。
手術を受けるまでの10年の間は、自分に治癒魔法をかけ体調回復をしていたが。
手術を受けてからは、すっかり元気になり発作を起こす事もなくなった。
セシレーヌも移植された心臓は、ずっかり自分のものとなり元気に動いている。
見えていたメイシスの姿はもう見えなくなったが、いつも守られているのは感じている。
ミディスも弟が産まれてとても喜び、オムツを変えたりミルクを作ったりと手伝ってくれる事も多い。
歳が離れているがミディスににとっては、たった一人の弟で大切な存在である。
相変わらずセシレーヌの事を「お姉ちゃん」と呼んでいるミディス。
シャルとが大きくなる頃には「お母さん」と呼ばないと、混乱されてしまうと言われているが変える気はないようだ。
産まれてきたシャルロが、まだ不思議な能力を受け継いでるのかどうかは分からない。
命を紡いで愛を紡いだジュニアールとセシレーヌの、壮大な愛の元に誕生した奇跡の子供シャルロ。
シャルロはこの先どんな物語を見せてくれるのだろうか?
今から楽しみである。
グリーンピアトにまた新しい伝説が生まれた…
END
「実は…子供ができたの…」
「え? 本当ですか? 」
「ええ。ずっと、不順だったから気が付かなくて。…最近、体調が悪くて調べてもらったら妊娠反応が出ているって言われて。…もうすぐ6週目に入るって、言われたの…」
満面の微笑みを浮かべて、ジュニアールはギュッとセシレーヌを抱きしめた。
「おめでとうございます。…嬉しいです、私と貴女の愛の結晶が来てくれたのですね」
「…うん…」
「お腹の子は、奇跡の子です」
「奇跡の子? 」
「ええ、メイシスの命受け継いでくれた貴女がいたから来てくれたのですよ。鎮魂したメイシスからの、贈り物かもしれませんね」
「そうかもしれない…。でも、結婚式まだ終わっていないし。結婚の報告だって、まだ国民の方にしていないのに…」
「そんな事は気にする事はありませんよ。私の、父と母も授かり婚ですから」
「え? そうなの? 」
「はい。王家は代々、授かり婚が多いと聞いています。私がメイシスと結婚を決めた時には「赤ちゃんが来てっくれたのか? 」て聞かれたくらいでした。「まだです」って答えたら、意外そうな顔をされましたよ」
王家が授かり婚が多いとは意外だ。
でも…
来てくれた命を素直に喜ぼうと、セシレーヌは思った。
「結婚式、早くしませんか? お腹が目立たないうちに、すませた方がいと思うのですが」
「そんな…まだ何も発表していないし…。結婚式は、やらなくてもいいと思うの」
「どうしてですか? 」
「苦手だもん…そうゆうの…」
「何を言っているのですか。貴女の一生に一度の門出じゃないですか。ちゃんとやりましょう。私も、貴女のウェディングドレス姿、ちゃんと見たいですから」
「でも年内。あと2ヶ月、病院の勤務が残っているし。その間に、お腹目立ってくると思うから」
「それでもいいですよ。それに、今6週ならこれから悪阻などで大変です。2か月後なら、少し落ち着いているのではありませんか? 」
「個人差があるから、分からないけど」
「体調を見計らって、結婚式やりましょう。お腹の子も、きっと望んでいますよ」
ヨシヨシと、ジュニアールはセシレーヌの頭を撫でたジュニアール。
セシレーヌはちょっと複雑だったが、一生に一度の事だからと前向きに考える事にした。
それからの日々は、セシレーヌも気を付けながら仕事をしていた。
まだ安定期ではなくボチボチ、悪阻も始まりつつあり時折気分が悪そうにしているセシレーヌを気遣う看護師もいた。
セシレーヌの勤務が終わりにしかづいて来た頃。
看護師の間で
「セシレーヌ先生、もしかして妊娠している? 」
「最近、なんとなくお腹出てきていない? 」
「なんだか胸も大きくなっている感じ」
「気分が悪そうにもしていたし」
などと看護師の間では言われるようになっていた。
もう12週を過ぎて4ヶ月目に入ろうとしている。
それほどお腹が出てきているわけではないが、細身のセシレーヌにしてはちょっとお腹がふっくらしてきたようにみえるようだ。
そんな看護師達の噂もセシレーヌは気にしないまま。
無事に全ての勤務をこなして病院を退職した。
去り行くセシレーヌを惜しむ声も多く、これからどうするのかを聞かれるとセシレーヌは「まだ決めていません」とごまかしていた。
最後までジュニアールと結婚する事は、誰にもバレないままだった。
病院を退職したセシレーヌは、そのままお城に向かった。
「お疲れ様」
と、ジュニアールとミディスが迎えてくれた。
「セシレーヌ様、長い間お疲れ様でございます」
ブック里が丁寧な挨拶をしてくれた。
「ブックルさん、私には気を使わないで下さい」
ちょっと照れてセシレーヌが言った。
「いえ、王妃様になられるお方ですから」
と、ブックルは生真面目に答えた。
何となく気が引けるのもあるが、執事と王妃なら仕方がないだろうとセシレーヌは納得した。
セシレーヌがお城に来てから2週間後。
年明けして暫く経過した頃に、ジュニアールとセシレーヌの婚約が発表された。
国民達はやっと再婚してくれたと、とても安心して大喜びしていた。
出会いのきっかけが手術と書いてあり、納得さる事も多かった。
国立病院ではクラウドル以外は何も知らず、大変驚かれていた。
号外にはセシレーヌの素顔も写っていて、火傷の跡があるセシレーヌしか知らない者が多く驚いていた。
大きなマスクで退職するまで、ずっとマスクを外さなかったセシレーヌ。
いつの間にあんなに酷かった火傷の跡が消えたのだろうか? と不思議で。
クラウドルにセシレーヌが結婚する事を知っていたのか? と、聞いてくる医師達も多かったが何も知りませんとクラウドルは言いとおしていた。
現在、妊娠4ヶ月を経過している事も書かれており、看護師の間ではなんとなくセシレーヌが妊娠しているのではないか? と感じていた者もいて、ずっと隠していたセシレーヌだったが、国王様の子供もであるゆえに騒がれたく無かったのではないか? と話している。
結婚式は発表から翌週に行われるが、セシレーヌが妊娠している事もあり城下町へのパレードは中止になり城内でのみ行われる事になった。
もうすぐ38歳になるジュニアールと、31歳のセシレーヌ。
2人の歳の差は7歳あるが、とてもそんなふうには見えず、とても仲が良く初々しい。
ミディスはセシレーヌを「お母さん」とは呼ばずに「お姉ちゃん」と呼んでいる。
親子になったはずなのに、姉妹みたいなミディスとセシレーヌ。
ジュニアールは、そんな関係でも別に良いと言っている。
ちょっと天然で不思議な国王ジュニアール。
そんなジュニアールが愛した女医さんは、火傷の跡を背負って自分に蓋をしていました。
それに気づいたジュニアールは、伝授された不思議な力で、セシレーヌの火傷の跡を綺麗に消して蓋を開けました。
綺麗な顔に戻ったセシレーヌは、喜びがあふれる中、ジュニアールの愛したメイシスの心臓を移植してもらった事にとても罪悪感を感じていた。
でも、愛する人の命を受け継いでくれていたのが、愛した人だったことを知るとジュニアールは溢れんばかりの喜びでいっぱいになった。
国王様の愛した女医さんは、愛する人の命を受け継いだ人だった。
奇跡が重なり、愛する人の命を受け継いだ人と、今愛し合っているジュニアール。
長い冬を超えて新緑の季節になる頃。
ジュニアールとセシレーヌの下に、新しい命が誕生した。
透明感あふれる白い肌に、まるで天使のような神秘的なエネルギーを持った可愛い男の子。
名前をシャルロとなずけだ。
産まれた時はジュニアールに似ているように見えたが、今はセシレーヌによく似ている顔をしている。
日に日に顔が変わる事から、ミディスにも似ている顔も見えたりとまだ安定していない。
セシレーヌは黒魔法の力はすっかり消えたようで、感情により無意識に黒魔術を使ってしまう事もなくなった。
ジュニアールは相変わらず死者の声が聞けたり、ちょっとした傷を治す事はできるが、さすがに酷い火傷を消したしまうほどの力はもう使っていない。
手術を受けるまでの10年の間は、自分に治癒魔法をかけ体調回復をしていたが。
手術を受けてからは、すっかり元気になり発作を起こす事もなくなった。
セシレーヌも移植された心臓は、ずっかり自分のものとなり元気に動いている。
見えていたメイシスの姿はもう見えなくなったが、いつも守られているのは感じている。
ミディスも弟が産まれてとても喜び、オムツを変えたりミルクを作ったりと手伝ってくれる事も多い。
歳が離れているがミディスににとっては、たった一人の弟で大切な存在である。
相変わらずセシレーヌの事を「お姉ちゃん」と呼んでいるミディス。
シャルとが大きくなる頃には「お母さん」と呼ばないと、混乱されてしまうと言われているが変える気はないようだ。
産まれてきたシャルロが、まだ不思議な能力を受け継いでるのかどうかは分からない。
命を紡いで愛を紡いだジュニアールとセシレーヌの、壮大な愛の元に誕生した奇跡の子供シャルロ。
シャルロはこの先どんな物語を見せてくれるのだろうか?
今から楽しみである。
グリーンピアトにまた新しい伝説が生まれた…
END
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる