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運命の出会い
一夜の思い出
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それからシャルロと女性は、ポツリポツリと他愛ない話をしていた。
女性は頷く事が多く、自分から話す事はあまりしない。
しかし言葉はとても丁寧で、それでいて優しい物腰。
なんとなく怖がっているような目線で、時折シャルロを見てくる女性だが、慣れてくるとちょっとだけ和らいだ目で見てくれるようになった。
お酒も一杯目を飲み干し、2杯目を注文した女性。
ペースは遅いが、飲んでいるお酒はわりと強そうに見える。
「あの。別の場所で、ゆっくりとお話ししませんか? 」
女性が二杯目を半分ほど飲んだところで、シャルロが言った。
ちょっと戸惑った表情を浮かべた女性だったが、少し恥ずかしそうにそっと頷いた。
ホッとしたシャルロは、女性の分の伝票を手に取り席を立った。
会計を済ませて店の外に出てきたシャルロと女性。
「あの…私の分は、お支払い致しますので」
そう言って女性はお財布を取り出そうとしたが、シャルロがその手を止めた。
「いいですよ。今日は、貴女に出会えて嬉しいので僕がご馳走しますのでお気になさらないで下さい」
「あ…有難うございます…」
はにかんだような笑みを浮かべた女性。
だが笑うと、とても魅力的でシャルロの胸がキュンと鳴った。
「それでは行きましょうか。僕が案内しますね」
シャルロは女性に手を差し伸べた。
差し伸べられた手を見て、女性は戸惑った目を浮かべた。
「手を繋いてもらえますか? その方が、僕も安心しますので」
そう言われても女性は手を握る事を躊躇っているようだ。
何となくズキンと悲しい痛みが胸に響いてきたシャルロは、そっと女性の手をとった。
ハッと驚いた女性…。
見上げた視線は嬉しいけど、それを受け入れてはいけない…そんな目をしていた。
眼帯をあてていない方の目は、とても綺麗な緑色の瞳をしている。
その瞳の色がとても愛しくシャルロは感じた。
「どうぞ、何も気にする事はありませんから。僕の手を、握っていて下さい」
そう言いながら、シャルロは女性の手をそっと取った。
大きくて逞しいシャルロの手からは、とても暖かいエネルギーが伝わって来る。
ギュッと握られていると安心できて、それでいてホッとさせられる。
このままこの手を離さないで…
女性はそう思った。
これは夢なのかもしれない。
もし夢なら、このまま永遠に覚めないでほしい…
ずっとこのままでいて…。
そう思いながら、女性はシャルロに手を引かれながらそのまま着いて行った。
途中で車を拾って。
2人が向かった先は、グリーンピアトで一番の高級ホテル「帝国ホテル」だった。
ここは会員制で、貴族や平民でもお金持ちしか利用できないホテル。
大理石や金で出来ている壁や床。
高級そうなじゅうたんが敷いてあり、、丁寧にボーイさんが出迎えてくれる。
ボーイさんも茶色い制服で、学ランのようなデザインでシャキッとしている。
頭には学生帽のようなのを被っている姿は、どこかの兵隊にも見えるが気品が溢れている。
1階にはガラス張りの上品なカフェがあるが、個室になっていて話し声が聞こえないようになっている。
よくここでは、密会が行われている様子。
車から降りると、シャルロは女性を丁寧にエスコートしてくれた。
回転扉から中に入ると、待合室のソファーに女性を座らせ、フロントへ向かったシャルロ。
座らされたソファーは空を飛んでいるように、フワフワと柔らかく女性は夢見心地で座っていた。
天井からは綺麗なシャンデリアが吊るされていて、壁には有名画家が描いた肖像画が飾ってある。
2階へ続くらせん階段には、綺麗な赤い絨毯が敷いてありおとぎ話の世界のような封印気が漂っている。
これは夢なんだからと女性は思っているのか、特に驚く事もなく静かに待っていた。
「お待たせしました、では参りましょうか」
フロントから戻ってきたシャルロが、女性の手を差し伸べた。
素直に手を受け取り、女性はシャルロと一緒にエレベーターに乗って行った。
ガラス張りのエレベーターは、祖tの夜景が綺麗に見える。
どこにも止まることなく一直線に上ってゆき、そのまま最上階へと向かって行った。
エレベーターが到着して扉が開くと、一面に広がるバラ模様のじゅたんが目に入った。
そしてその先には白い大きな扉。
シャルロにエスコートされながら、その扉を開けて入ってゆくと。
そこは別世界の様に広い空間が広がり、壁は爽やかな白、絨毯は明るいグリーン系の高級絨毯、ガラスのテーブルに白いソファー。
テーブルの上には、エルカムドリンクが置いてあり、ソフトドリンクとシャンパンがある。
天井からは綺麗なシャンデリアが吊るされていて、広めのリビングのようにゆったりとくつろげるようになっている。
奥にベッドルームが要されており、キングサイズの様に広くフカフカの布団にふんわりした枕が2つ並んでいる。
入口手前にシャワールームとトイレが別々に設置されている。
女性は夢見心地のままボーっと見ていた。
シャルロはそのまま女性をソファーへと座らせた。
「気にいって頂けましたか? この場所」
シャンパンをグラスに注ぎながらシャルロが言った。
「はい…」
ちょっとボーっとしたまま女性は答えた。
グラスを持って、シャルロも女性の隣に座った。
「もう一度乾杯しましょう」
シャルロに差し出されたグラスを手に取った女性。
カチンとグラスが重なった。
女性はそっとグラスを口にあて、ちょっとだけシャンパンを飲んだ。
そんな女性をじっと見つめているシャルロ…。
「ここは、とても夜景が綺麗に見えますので。…僕が、心から愛した人と一緒に来るのが夢でした」
え?
驚いて女性がシャルロを見ると、優しい笑みを向けてくれた。
「…何か、思い詰めていませんか? ずっと、酒場から気になっていたのです」
グラスをテーブルに置いて、シャルロはそっと女性の左目に手をあてた。
眼帯をあてている女性の目に触れると…。
女性は不安そうな目でシャルロを見ていた。
「大丈夫ですよ。…もう、痛くないですから…」
シャルロはそっと、女性の眼帯を外した。
眼帯の下は綺麗になっていて、きっと痣があったかもしれないと思われるが痣は薄くなっていた。
眼帯を外されると、女性の目が潤んできた。
「僕に話してくれませんか? 貴女が胸に閉まっている事を…一人で、抱え込まないで下さい…。僕にも、貴女の痛みを分けて下さい。全て受け止めますから」
そう言われると、女性はグラスをテーブルに置いた。
「話しなんて…しなくていいです…」
ギュッとシャルロの腕を掴んだ女性。
その手はかすかに震えていた。
「今夜だけ…一緒にいてもらえますか? 」
震えるような声でシャルロに尋ねた女性は、目を潤ませていた。
「今夜だけですか? 僕は、ずっとこの先も貴女と一緒に居たいです」
そう言われると、女性はそっと視線を反らした。
「…私…愛がない結婚をしなくてはならないのです」
「愛のない結婚? 」
「父が大金を渡して、結婚をする事が決まりました。…私、その結婚相手とは関係を持たない事に決めています」
そう言って、真っ直ぐにシャルロを見つめた女性は、シャルロの腕から手を離すと、ジャケットを脱ぎブラウスのボタンを外して、スルっと脱いでしまった。
ブラウスを脱いだ女性は、キャミソールだけになった。
見かけよりずっと痩せていて、白く透明かな触れる艶々の肌をしている。
しかしその肌には、無数の打ち身の痣や何かで切られたような傷跡が残っていた。
その姿を見ると、シャルロは胸がズキンと痛んだ。
どうしてこんなに傷だらけなの?
彼女が何をしたと言うの?
シャルロが驚いていると、女性はそっと目を伏せた。
「いやですよね、こんな体…。貴女になら、この体を見せてもいいって思ったのですが…」
目を伏せたまま、女性はブラウスを手に取ろうとしたが、その手をシャルロが止めた。
ゆっくりと、女性はシャルロを見た…。
女性は頷く事が多く、自分から話す事はあまりしない。
しかし言葉はとても丁寧で、それでいて優しい物腰。
なんとなく怖がっているような目線で、時折シャルロを見てくる女性だが、慣れてくるとちょっとだけ和らいだ目で見てくれるようになった。
お酒も一杯目を飲み干し、2杯目を注文した女性。
ペースは遅いが、飲んでいるお酒はわりと強そうに見える。
「あの。別の場所で、ゆっくりとお話ししませんか? 」
女性が二杯目を半分ほど飲んだところで、シャルロが言った。
ちょっと戸惑った表情を浮かべた女性だったが、少し恥ずかしそうにそっと頷いた。
ホッとしたシャルロは、女性の分の伝票を手に取り席を立った。
会計を済ませて店の外に出てきたシャルロと女性。
「あの…私の分は、お支払い致しますので」
そう言って女性はお財布を取り出そうとしたが、シャルロがその手を止めた。
「いいですよ。今日は、貴女に出会えて嬉しいので僕がご馳走しますのでお気になさらないで下さい」
「あ…有難うございます…」
はにかんだような笑みを浮かべた女性。
だが笑うと、とても魅力的でシャルロの胸がキュンと鳴った。
「それでは行きましょうか。僕が案内しますね」
シャルロは女性に手を差し伸べた。
差し伸べられた手を見て、女性は戸惑った目を浮かべた。
「手を繋いてもらえますか? その方が、僕も安心しますので」
そう言われても女性は手を握る事を躊躇っているようだ。
何となくズキンと悲しい痛みが胸に響いてきたシャルロは、そっと女性の手をとった。
ハッと驚いた女性…。
見上げた視線は嬉しいけど、それを受け入れてはいけない…そんな目をしていた。
眼帯をあてていない方の目は、とても綺麗な緑色の瞳をしている。
その瞳の色がとても愛しくシャルロは感じた。
「どうぞ、何も気にする事はありませんから。僕の手を、握っていて下さい」
そう言いながら、シャルロは女性の手をそっと取った。
大きくて逞しいシャルロの手からは、とても暖かいエネルギーが伝わって来る。
ギュッと握られていると安心できて、それでいてホッとさせられる。
このままこの手を離さないで…
女性はそう思った。
これは夢なのかもしれない。
もし夢なら、このまま永遠に覚めないでほしい…
ずっとこのままでいて…。
そう思いながら、女性はシャルロに手を引かれながらそのまま着いて行った。
途中で車を拾って。
2人が向かった先は、グリーンピアトで一番の高級ホテル「帝国ホテル」だった。
ここは会員制で、貴族や平民でもお金持ちしか利用できないホテル。
大理石や金で出来ている壁や床。
高級そうなじゅうたんが敷いてあり、、丁寧にボーイさんが出迎えてくれる。
ボーイさんも茶色い制服で、学ランのようなデザインでシャキッとしている。
頭には学生帽のようなのを被っている姿は、どこかの兵隊にも見えるが気品が溢れている。
1階にはガラス張りの上品なカフェがあるが、個室になっていて話し声が聞こえないようになっている。
よくここでは、密会が行われている様子。
車から降りると、シャルロは女性を丁寧にエスコートしてくれた。
回転扉から中に入ると、待合室のソファーに女性を座らせ、フロントへ向かったシャルロ。
座らされたソファーは空を飛んでいるように、フワフワと柔らかく女性は夢見心地で座っていた。
天井からは綺麗なシャンデリアが吊るされていて、壁には有名画家が描いた肖像画が飾ってある。
2階へ続くらせん階段には、綺麗な赤い絨毯が敷いてありおとぎ話の世界のような封印気が漂っている。
これは夢なんだからと女性は思っているのか、特に驚く事もなく静かに待っていた。
「お待たせしました、では参りましょうか」
フロントから戻ってきたシャルロが、女性の手を差し伸べた。
素直に手を受け取り、女性はシャルロと一緒にエレベーターに乗って行った。
ガラス張りのエレベーターは、祖tの夜景が綺麗に見える。
どこにも止まることなく一直線に上ってゆき、そのまま最上階へと向かって行った。
エレベーターが到着して扉が開くと、一面に広がるバラ模様のじゅたんが目に入った。
そしてその先には白い大きな扉。
シャルロにエスコートされながら、その扉を開けて入ってゆくと。
そこは別世界の様に広い空間が広がり、壁は爽やかな白、絨毯は明るいグリーン系の高級絨毯、ガラスのテーブルに白いソファー。
テーブルの上には、エルカムドリンクが置いてあり、ソフトドリンクとシャンパンがある。
天井からは綺麗なシャンデリアが吊るされていて、広めのリビングのようにゆったりとくつろげるようになっている。
奥にベッドルームが要されており、キングサイズの様に広くフカフカの布団にふんわりした枕が2つ並んでいる。
入口手前にシャワールームとトイレが別々に設置されている。
女性は夢見心地のままボーっと見ていた。
シャルロはそのまま女性をソファーへと座らせた。
「気にいって頂けましたか? この場所」
シャンパンをグラスに注ぎながらシャルロが言った。
「はい…」
ちょっとボーっとしたまま女性は答えた。
グラスを持って、シャルロも女性の隣に座った。
「もう一度乾杯しましょう」
シャルロに差し出されたグラスを手に取った女性。
カチンとグラスが重なった。
女性はそっとグラスを口にあて、ちょっとだけシャンパンを飲んだ。
そんな女性をじっと見つめているシャルロ…。
「ここは、とても夜景が綺麗に見えますので。…僕が、心から愛した人と一緒に来るのが夢でした」
え?
驚いて女性がシャルロを見ると、優しい笑みを向けてくれた。
「…何か、思い詰めていませんか? ずっと、酒場から気になっていたのです」
グラスをテーブルに置いて、シャルロはそっと女性の左目に手をあてた。
眼帯をあてている女性の目に触れると…。
女性は不安そうな目でシャルロを見ていた。
「大丈夫ですよ。…もう、痛くないですから…」
シャルロはそっと、女性の眼帯を外した。
眼帯の下は綺麗になっていて、きっと痣があったかもしれないと思われるが痣は薄くなっていた。
眼帯を外されると、女性の目が潤んできた。
「僕に話してくれませんか? 貴女が胸に閉まっている事を…一人で、抱え込まないで下さい…。僕にも、貴女の痛みを分けて下さい。全て受け止めますから」
そう言われると、女性はグラスをテーブルに置いた。
「話しなんて…しなくていいです…」
ギュッとシャルロの腕を掴んだ女性。
その手はかすかに震えていた。
「今夜だけ…一緒にいてもらえますか? 」
震えるような声でシャルロに尋ねた女性は、目を潤ませていた。
「今夜だけですか? 僕は、ずっとこの先も貴女と一緒に居たいです」
そう言われると、女性はそっと視線を反らした。
「…私…愛がない結婚をしなくてはならないのです」
「愛のない結婚? 」
「父が大金を渡して、結婚をする事が決まりました。…私、その結婚相手とは関係を持たない事に決めています」
そう言って、真っ直ぐにシャルロを見つめた女性は、シャルロの腕から手を離すと、ジャケットを脱ぎブラウスのボタンを外して、スルっと脱いでしまった。
ブラウスを脱いだ女性は、キャミソールだけになった。
見かけよりずっと痩せていて、白く透明かな触れる艶々の肌をしている。
しかしその肌には、無数の打ち身の痣や何かで切られたような傷跡が残っていた。
その姿を見ると、シャルロは胸がズキンと痛んだ。
どうしてこんなに傷だらけなの?
彼女が何をしたと言うの?
シャルロが驚いていると、女性はそっと目を伏せた。
「いやですよね、こんな体…。貴女になら、この体を見せてもいいって思ったのですが…」
目を伏せたまま、女性はブラウスを手に取ろうとしたが、その手をシャルロが止めた。
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