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第一部 借金奴隷編
第17話 先輩冒険者
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薬草採取の穴場に向かって歩いていると、いつに間にか後ろをつけていた男がいなくなっていました。
「諦めてくれたのかしら?」
「だといいけど……」
淡い期待を抱きましたが、薬草採取の穴場に近付くと、それが叶わなかったと知れました。
穴場のそばの岩陰に人の気配を感知したのです。
どうやったか知りませんが、男は先回りをしたようです。
私たちが穴場に到着すると、男は岩陰から出てきました。
「薬草の採取だと言ったからここに来ると思ってたぜ」
どうも、ここが薬草採取の穴場だという情報は、結構知れ渡っているようです。
「だが、残念だったな。薬草があるのはこの崖の上だ。素人には登れない。お前たちは騙されたんだよ!」
男の指す先には、切り立った崖の小高い岩山がありました。
「いい勉強になっただろう。ついでに俺にも授業料を払っていってもらえるか?」
「お金なんてありませんけど」
「お前たちが来る途中で高級品の服を売ったのは知ってるんだよ。その金があるだろう!」
どうやら、服を売ったと思わせたのは逆効果だったようです。
「さあ、早く金を出せ。痛い思いはしたくないだろ!」
男は暴力に訴えても、私たちからお金を奪うつもりのようです。
「ミハル、この場合、どう対応するのがこの国では正しいんだ?」
「そうね。後々絡まれないように実力の差を見せつけるのが正しいと思うわ」
そう言いながら私は手を掲げて、なんちゃってファイヤボールを作ります。
「ファイヤボール擬!」
私は男が隠れていた岩に向かってそれを放り付けました。
岩は溶けて弾け飛びます。
「な!」
男はそれを見て絶句します。
普通のファイヤボールなら、岩に焦げ目がつく程度ですから、男の態度は当然です。
「まだやりますか?!」
私は男に凄んでみせます。
「いや、これは、違う! そう、勘違いしないでくれ。こんな風に新人冒険者に絡んでくる奴がいるから気をつけろと言いたかったんだ!」
男の顔が引きつっています。
「お前たちは大丈夫なようだな。要らぬお節介だった。礼は要らぬ。ではさらば!!」
男は一目散に逃げて行きました。
「あの男、かなり焦っていたね」
マーサルは逃げて行く男を目で追うのをやめ、こちらを振り返ります。
「あの魔法、岩を溶かすなんてとんでもないと思っていたけど、この国でも普通じゃなかったんだね」
「普通のファイヤボールなら、岩に焦げ目が付くくらいよ」
「それはまた……。ミハルの魔法を見て、それが普通だと思ってはいけないとよくわかったよ」
「まあ、これでもう絡まれることはないでしょう」
「だといいけど」
マーサルは呆れ顔です。
「それより、薬草は崖の上らしいけど、どうするんだい?」
「勿論登るわよ。簡単に登れるルートがあるのよ。教えてもらったわ!」
「ルートって。完全に垂直だよ。ロッククライミングやったことあるの?」
「大丈夫よ。私に着いてきてね。
まず、右手をここの岩、次に左足をこの窪み、左手でここを掴み、右足をここにかける。
それで、右手を……。あれ? 届かないわよ!
ちょっとマーサル、これどうしたらいいの。身動きが取れないわ!」
「全くしょうがないな。僕が魔法でサポートするから、思い切って飛びついて!」
「飛びつけって。無理無理!!」
「じゃあ、諦めるのかい。今夜の宿代にも困ることになるよ?」
「くっ。女は度胸。ちゃんと魔法で支えていてね。えい!」
その後も四苦八苦しながら、マーサルの魔法のサポートもあり、なんとか岩山の上まで登ることができました。
そこには希少な薬草が一面に生い茂っていました。
ちなみに、マーサルですが、飛翔魔法を使い、飛んでやってきました。これだからチート野郎は!!
「諦めてくれたのかしら?」
「だといいけど……」
淡い期待を抱きましたが、薬草採取の穴場に近付くと、それが叶わなかったと知れました。
穴場のそばの岩陰に人の気配を感知したのです。
どうやったか知りませんが、男は先回りをしたようです。
私たちが穴場に到着すると、男は岩陰から出てきました。
「薬草の採取だと言ったからここに来ると思ってたぜ」
どうも、ここが薬草採取の穴場だという情報は、結構知れ渡っているようです。
「だが、残念だったな。薬草があるのはこの崖の上だ。素人には登れない。お前たちは騙されたんだよ!」
男の指す先には、切り立った崖の小高い岩山がありました。
「いい勉強になっただろう。ついでに俺にも授業料を払っていってもらえるか?」
「お金なんてありませんけど」
「お前たちが来る途中で高級品の服を売ったのは知ってるんだよ。その金があるだろう!」
どうやら、服を売ったと思わせたのは逆効果だったようです。
「さあ、早く金を出せ。痛い思いはしたくないだろ!」
男は暴力に訴えても、私たちからお金を奪うつもりのようです。
「ミハル、この場合、どう対応するのがこの国では正しいんだ?」
「そうね。後々絡まれないように実力の差を見せつけるのが正しいと思うわ」
そう言いながら私は手を掲げて、なんちゃってファイヤボールを作ります。
「ファイヤボール擬!」
私は男が隠れていた岩に向かってそれを放り付けました。
岩は溶けて弾け飛びます。
「な!」
男はそれを見て絶句します。
普通のファイヤボールなら、岩に焦げ目がつく程度ですから、男の態度は当然です。
「まだやりますか?!」
私は男に凄んでみせます。
「いや、これは、違う! そう、勘違いしないでくれ。こんな風に新人冒険者に絡んでくる奴がいるから気をつけろと言いたかったんだ!」
男の顔が引きつっています。
「お前たちは大丈夫なようだな。要らぬお節介だった。礼は要らぬ。ではさらば!!」
男は一目散に逃げて行きました。
「あの男、かなり焦っていたね」
マーサルは逃げて行く男を目で追うのをやめ、こちらを振り返ります。
「あの魔法、岩を溶かすなんてとんでもないと思っていたけど、この国でも普通じゃなかったんだね」
「普通のファイヤボールなら、岩に焦げ目が付くくらいよ」
「それはまた……。ミハルの魔法を見て、それが普通だと思ってはいけないとよくわかったよ」
「まあ、これでもう絡まれることはないでしょう」
「だといいけど」
マーサルは呆れ顔です。
「それより、薬草は崖の上らしいけど、どうするんだい?」
「勿論登るわよ。簡単に登れるルートがあるのよ。教えてもらったわ!」
「ルートって。完全に垂直だよ。ロッククライミングやったことあるの?」
「大丈夫よ。私に着いてきてね。
まず、右手をここの岩、次に左足をこの窪み、左手でここを掴み、右足をここにかける。
それで、右手を……。あれ? 届かないわよ!
ちょっとマーサル、これどうしたらいいの。身動きが取れないわ!」
「全くしょうがないな。僕が魔法でサポートするから、思い切って飛びついて!」
「飛びつけって。無理無理!!」
「じゃあ、諦めるのかい。今夜の宿代にも困ることになるよ?」
「くっ。女は度胸。ちゃんと魔法で支えていてね。えい!」
その後も四苦八苦しながら、マーサルの魔法のサポートもあり、なんとか岩山の上まで登ることができました。
そこには希少な薬草が一面に生い茂っていました。
ちなみに、マーサルですが、飛翔魔法を使い、飛んでやってきました。これだからチート野郎は!!
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