48 / 55
第一部 借金奴隷編
第41話 護衛依頼
しおりを挟む
予想外に三ランク特進して、Cランクになった私たちは、手続きを済ませて二階から一階に降りて行きます。
「いやー。いきなりCランクとは、びっくりだな!」
「本当にね。流石、王都本部はやることが大胆だわ。ミマスでは、こうはいかないもの」
私は一階の掲示板の前で足を止めます。
「何か気になることでもあった?」
「ミマスへの護衛依頼が多いなと思って――」
多分、噂になっている、ミマスの冒険者ギルドのトラブルの影響でしょう。
冒険者ギルドが機能していないと、肉類や薬草は不足することになります。
王都から持って行っても儲かると考える商人は多いはずです。
「折角Cランクになったんだから、護衛依頼を受けてみるかい?」
「今なったばかりよ」
「ミマスのギルドのことが気になるんだろう。ついでに行ってみればいいじゃないか?」
「でも、今更、関係ないわ――」
「白金貨十枚用意できたんだし、この際、借金を返してしまったらどうだい?」
「でも、あのお金はマーサルの分でもあるのよ」
「それは気にしなくてもいいよ。どうせすぐ入ってくるし、とても使い切れそうにないからね」
マーサルの言う通り、クーラーとかの多額な利益が、これからも入ってくることでしょう。
「本当にいいの? なら、甘えさせてもらおうかしら――」
「それじゃあ、護衛依頼をどれにしようか決めようか」
私たちは、Cランク二人でも受けられるミマスへの護衛依頼を見繕って、依頼受付へ持って行きます。
「この依頼を受けたいのですが」
私は、依頼票とギルドカードを受付に渡します。
「クゼン・ファミリアさんは、こちらでは初めてですよね?」
「はい」
「Cランクになったばかりなのね。上で渡された冊子は読みましたか?」
「はい、大丈夫です」
パラパラとめくってみましたが、ミマスの物と然程変わらない物でした。
「それならいいわ。ミマスへの護衛依頼ですね。この依頼は至急案件ですが大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「でしたら、この書類を持って依頼先のエドワード商店にいって、詳細の打ち合わせをしてきてください。エドワード商店の場所はわかりますか?」
「いえ、わかりません」
「でしたら、これが地図です。終わったら報告に戻ってきてくださいね」
「わかりました。行ってきます」
私は書類と地図を受け取ると、マーサルと一緒にエドワード商店に向かいました。
エドワード商店は、ギルドから歩いて十分のところにありました。
店に入って依頼を受けたと話をすると、店の奥に通されました。
「Cランクパーティのグゼン・ファミリアです。護衛依頼を受けることになりました」
「エドワード商店のエドワードだ。随分と若いようだが、本当にCランクなのか?」
「こう見えても、十六歳です。Cランクにはなったばかりですが――」
「Cランクになったばかりなのか。大丈夫なのかい?」
「シルバーウルフも、ワイバーンも狩ったことがあります」
「ワイバーンを二人で狩ったのか?」
エドワードさんは疑わし気に尋ねてきます。
「はい。まあ、今日のことですが」
「ワイバーンの討伐依頼が出てるなんて聞いてないぞ」
「討伐依頼でなく、薬草を採取していたら襲われたので倒しました」
「事前準備もなしに二人で倒したのか。それが本当なら大した実力だ」
「お褒めにいただき、ありがとうございます」
エドワードさんは、暫く黙ってこちらの様子を観察しています。
「お疑いでしたら、ギルドで確認していただいて構いませんよ」
信じてもらえないと話にならないので、マーサルがギルドに確認してみてはどうかとすすめます。その言葉で決心がついたようです。
「わかった。二人に任せるよ。護衛の内容は書類にある通り、ミマス行きの荷馬車の護衛だ。
急で悪いが、明日の朝ここを出発したい。大丈夫か?」
「大丈夫ですが、随分と急ぎですね?」
「ミマスの冒険者ギルドの混乱がいつまで続くかわからないからな。終息する前に、稼げる時に稼がないと」
「そういうことですか――」
「それと、荷馬車いっぱいに荷物を積んで行くから、自分たちで馬を用意するか、こちらの馬車に乗るなら、乗るスペースを自分たちのストレージに荷物を入れて確保してもらいたい。それも大丈夫か?」
「ストレージには余裕がありますから、馬車に同乗させてください」
「わかった。ちなみに、どのくらい余裕がある?」
さて、困りました。マーサルのアイテムボックスならいくらでも入ります。ですが、それを正直に話す訳にはいかないでしょう。どれくらいと言うのが適正でしょうか。
「荷馬車の半分くらいなら余裕で入ります」
「半分か……。料金を払うから、こちらの荷物をストレージに入るだけ入れてもらえないか」
「料金次第でしょうか――」
「わかった。では交渉しよう」
その後、エドワードさんと詳細を詰めて、書類にサインをもらい、ギルドに戻りました。
ギルドに戻ると、こちらでも書類を確認して、手続きが完了しました。
明日から、初めての護衛依頼です。
「いやー。いきなりCランクとは、びっくりだな!」
「本当にね。流石、王都本部はやることが大胆だわ。ミマスでは、こうはいかないもの」
私は一階の掲示板の前で足を止めます。
「何か気になることでもあった?」
「ミマスへの護衛依頼が多いなと思って――」
多分、噂になっている、ミマスの冒険者ギルドのトラブルの影響でしょう。
冒険者ギルドが機能していないと、肉類や薬草は不足することになります。
王都から持って行っても儲かると考える商人は多いはずです。
「折角Cランクになったんだから、護衛依頼を受けてみるかい?」
「今なったばかりよ」
「ミマスのギルドのことが気になるんだろう。ついでに行ってみればいいじゃないか?」
「でも、今更、関係ないわ――」
「白金貨十枚用意できたんだし、この際、借金を返してしまったらどうだい?」
「でも、あのお金はマーサルの分でもあるのよ」
「それは気にしなくてもいいよ。どうせすぐ入ってくるし、とても使い切れそうにないからね」
マーサルの言う通り、クーラーとかの多額な利益が、これからも入ってくることでしょう。
「本当にいいの? なら、甘えさせてもらおうかしら――」
「それじゃあ、護衛依頼をどれにしようか決めようか」
私たちは、Cランク二人でも受けられるミマスへの護衛依頼を見繕って、依頼受付へ持って行きます。
「この依頼を受けたいのですが」
私は、依頼票とギルドカードを受付に渡します。
「クゼン・ファミリアさんは、こちらでは初めてですよね?」
「はい」
「Cランクになったばかりなのね。上で渡された冊子は読みましたか?」
「はい、大丈夫です」
パラパラとめくってみましたが、ミマスの物と然程変わらない物でした。
「それならいいわ。ミマスへの護衛依頼ですね。この依頼は至急案件ですが大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」
「でしたら、この書類を持って依頼先のエドワード商店にいって、詳細の打ち合わせをしてきてください。エドワード商店の場所はわかりますか?」
「いえ、わかりません」
「でしたら、これが地図です。終わったら報告に戻ってきてくださいね」
「わかりました。行ってきます」
私は書類と地図を受け取ると、マーサルと一緒にエドワード商店に向かいました。
エドワード商店は、ギルドから歩いて十分のところにありました。
店に入って依頼を受けたと話をすると、店の奥に通されました。
「Cランクパーティのグゼン・ファミリアです。護衛依頼を受けることになりました」
「エドワード商店のエドワードだ。随分と若いようだが、本当にCランクなのか?」
「こう見えても、十六歳です。Cランクにはなったばかりですが――」
「Cランクになったばかりなのか。大丈夫なのかい?」
「シルバーウルフも、ワイバーンも狩ったことがあります」
「ワイバーンを二人で狩ったのか?」
エドワードさんは疑わし気に尋ねてきます。
「はい。まあ、今日のことですが」
「ワイバーンの討伐依頼が出てるなんて聞いてないぞ」
「討伐依頼でなく、薬草を採取していたら襲われたので倒しました」
「事前準備もなしに二人で倒したのか。それが本当なら大した実力だ」
「お褒めにいただき、ありがとうございます」
エドワードさんは、暫く黙ってこちらの様子を観察しています。
「お疑いでしたら、ギルドで確認していただいて構いませんよ」
信じてもらえないと話にならないので、マーサルがギルドに確認してみてはどうかとすすめます。その言葉で決心がついたようです。
「わかった。二人に任せるよ。護衛の内容は書類にある通り、ミマス行きの荷馬車の護衛だ。
急で悪いが、明日の朝ここを出発したい。大丈夫か?」
「大丈夫ですが、随分と急ぎですね?」
「ミマスの冒険者ギルドの混乱がいつまで続くかわからないからな。終息する前に、稼げる時に稼がないと」
「そういうことですか――」
「それと、荷馬車いっぱいに荷物を積んで行くから、自分たちで馬を用意するか、こちらの馬車に乗るなら、乗るスペースを自分たちのストレージに荷物を入れて確保してもらいたい。それも大丈夫か?」
「ストレージには余裕がありますから、馬車に同乗させてください」
「わかった。ちなみに、どのくらい余裕がある?」
さて、困りました。マーサルのアイテムボックスならいくらでも入ります。ですが、それを正直に話す訳にはいかないでしょう。どれくらいと言うのが適正でしょうか。
「荷馬車の半分くらいなら余裕で入ります」
「半分か……。料金を払うから、こちらの荷物をストレージに入るだけ入れてもらえないか」
「料金次第でしょうか――」
「わかった。では交渉しよう」
その後、エドワードさんと詳細を詰めて、書類にサインをもらい、ギルドに戻りました。
ギルドに戻ると、こちらでも書類を確認して、手続きが完了しました。
明日から、初めての護衛依頼です。
12
あなたにおすすめの小説
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
社畜サラリーマン、異世界でパンと魔法の経営革命
yukataka
ファンタジー
過労死寸前の30代サラリーマン・佐藤健は、気づけば中世ヨーロッパ風の異世界に転生していた。与えられたのは「発酵魔法」という謎のスキルと、前世の経営知識。転生先は辺境の寒村ベルガルド――飢えと貧困にあえぐ、希望のない場所。「この世界にパンがない…だと?」健は決意する。美味しいパンで、人々を笑顔にしよう。ブラック企業で培った根性と、発酵魔法の可能性。そして何より、人を幸せにしたいという純粋な想い。小さなパン屋から始まった"食の革命"は、やがて王国を、大陸を、世界を変えていく――。笑いあり、涙あり、そして温かい人間ドラマ。仲間たちとの絆、恋の芽生え、強大な敵との戦い。パン一つで世界を救う、心温まる異世界経営ファンタジー。
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しとグルメに満ちた気ままな旅の物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる