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第一部 借金奴隷編
舞台裏8 ウドと聖女
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ミハルたちが初めて森で魔獣を狩っていたころ。
ウドは聖女アマリリスに謁見していた。
謁見に使用されたのは窓のない地下室で、椅子は二つ、その一つに聖女が座っていた。
聖女の他には聖騎士が数名、聖女を守るように立っている。
ウドは聖女の神々しさに気後れしながらも、要求を伝えることにした。
「聖女様、報酬はいつもらえるんだ?」
ウドは、事ここに至っても、自分の嘘がばれておらず、報奨金がもらえるものと思っていた。
「ウドさんと仰いましたか、報奨はあなたの話が本当か確認できたらお支払いします。そのためにも、その椅子にお座りになって、あなたのお話を今一度、私にお聞かせください」
「もう、何度も喋ってるんだがな。聖女様に頼まれたなら仕方がない――」
ウドは勧められるままに聖女の向かいの椅子に座った。
「なかなか、座り心地がいい椅子だな。な、なんだ!」
ウドが椅子に座って、寛ぐと、首、胴体、手首、足首、が革のベルトで椅子に拘束されてしまった。
「なんだ! これは、放しやがれ!!」
「まあ、落ち着いてください。これはウドさんの話が本当か確かめるための措置です。本当のことを話しているなら恐れる必要はありません」
「なんだって?!」
「これは真実の椅子といって、教会に古くから伝わる秘密の道具です。なかなか座れる人はいないので、ウドさんはラッキーですね!」
「ラッキーもくそもあるか!! 早く放せ!」
「ウドさんが本当のことを喋ればすぐ済みますよ。ただ、嘘をつくと全身に雷に打たれたような痺れを感じることになります」
「なんだと!」
「心配しなくても、すぐ死ぬようなことはありませんから安心してください。ただ、段々と威力が上がっていきますから、注意してくださいね」
「これは拷問じゃねえか!!」
「いえいえ、これは、嘘を付いたら神罰が下るだけですよ。早く本当のことを話して、神に懺悔してください」
「畜生! 騙しやがって!!」
「騙してなんかいませんよ。本当のことならちゃんと報奨を払います。
では、先ず最初の質問です。あなた方はなぜ街道からそれて森の奥に入ったのですか?」
「それは休憩をとるため。アビビビビビビ!」
ウドが嘘をついたため、体中に高圧電流が流される。
「さあ、嘘をついてないで本当のことを仰い!!」
聖女は容赦がなかった。
ウドが全てを話すまでに、さほど時間はかからなかった。
ウドから本当のことを聞き出した聖女は、付き人のメヤリーに愚痴をこぼしていた。
「黒神様の生死が分からないとは、困りました――」
「本当ですね。生きていらっしゃればいいですけど」
「しかし、生きていらっしゃったとしても、どうしましょうか……」
「どうしましょうとは?」
「まさか、黒神様が女性だとは思いませんでした。これは、私に百合の道を進めということでしょうか?」
聖女は、自分がこじ付けた神託の解釈が、根底から覆っているのに、それを認めようとしなかった。
「いやいやいや。流石にそれはないでしょう。もっと神託を素直に解釈しましょうよ!」
「いえ、神のお心の深いところを読めなければ、聖女である意味がありません!!」
「深読みしすぎですってばー」
「兎に角、黒神様を見つけて、まぐわらなければ聖女としての務めが果たせません!」
「聖女様にそんな務めはないと思いますが――。
そんなことより、黒神様を殺すように依頼した者をどうにかした方がいいと思いますが!」
「そんなことよりとはなんです。大切なことなのですよ!
ですが、メヤリーの意見にも一理あります。確かに黒神様を害しようとした者を放って置くわけにはいきませんね――。
私自らミマスに赴き、その者たちを断罪するとしましょう」
「聖女様自ら行かれるのですか?」
「ことは黒髪様に関わること当然です。明日の朝には出発します。直ぐに移動の準備を始めなさい」
「わかりました」
そば付きのメヤリーは大慌てで部屋を出て行った。
聖女が移動するとなれば、その準備は大変なものになる。
「今夜は寝られないかもしれないわね――」
メヤリーは一人愚痴を溢すのだった。
ウドは聖女アマリリスに謁見していた。
謁見に使用されたのは窓のない地下室で、椅子は二つ、その一つに聖女が座っていた。
聖女の他には聖騎士が数名、聖女を守るように立っている。
ウドは聖女の神々しさに気後れしながらも、要求を伝えることにした。
「聖女様、報酬はいつもらえるんだ?」
ウドは、事ここに至っても、自分の嘘がばれておらず、報奨金がもらえるものと思っていた。
「ウドさんと仰いましたか、報奨はあなたの話が本当か確認できたらお支払いします。そのためにも、その椅子にお座りになって、あなたのお話を今一度、私にお聞かせください」
「もう、何度も喋ってるんだがな。聖女様に頼まれたなら仕方がない――」
ウドは勧められるままに聖女の向かいの椅子に座った。
「なかなか、座り心地がいい椅子だな。な、なんだ!」
ウドが椅子に座って、寛ぐと、首、胴体、手首、足首、が革のベルトで椅子に拘束されてしまった。
「なんだ! これは、放しやがれ!!」
「まあ、落ち着いてください。これはウドさんの話が本当か確かめるための措置です。本当のことを話しているなら恐れる必要はありません」
「なんだって?!」
「これは真実の椅子といって、教会に古くから伝わる秘密の道具です。なかなか座れる人はいないので、ウドさんはラッキーですね!」
「ラッキーもくそもあるか!! 早く放せ!」
「ウドさんが本当のことを喋ればすぐ済みますよ。ただ、嘘をつくと全身に雷に打たれたような痺れを感じることになります」
「なんだと!」
「心配しなくても、すぐ死ぬようなことはありませんから安心してください。ただ、段々と威力が上がっていきますから、注意してくださいね」
「これは拷問じゃねえか!!」
「いえいえ、これは、嘘を付いたら神罰が下るだけですよ。早く本当のことを話して、神に懺悔してください」
「畜生! 騙しやがって!!」
「騙してなんかいませんよ。本当のことならちゃんと報奨を払います。
では、先ず最初の質問です。あなた方はなぜ街道からそれて森の奥に入ったのですか?」
「それは休憩をとるため。アビビビビビビ!」
ウドが嘘をついたため、体中に高圧電流が流される。
「さあ、嘘をついてないで本当のことを仰い!!」
聖女は容赦がなかった。
ウドが全てを話すまでに、さほど時間はかからなかった。
ウドから本当のことを聞き出した聖女は、付き人のメヤリーに愚痴をこぼしていた。
「黒神様の生死が分からないとは、困りました――」
「本当ですね。生きていらっしゃればいいですけど」
「しかし、生きていらっしゃったとしても、どうしましょうか……」
「どうしましょうとは?」
「まさか、黒神様が女性だとは思いませんでした。これは、私に百合の道を進めということでしょうか?」
聖女は、自分がこじ付けた神託の解釈が、根底から覆っているのに、それを認めようとしなかった。
「いやいやいや。流石にそれはないでしょう。もっと神託を素直に解釈しましょうよ!」
「いえ、神のお心の深いところを読めなければ、聖女である意味がありません!!」
「深読みしすぎですってばー」
「兎に角、黒神様を見つけて、まぐわらなければ聖女としての務めが果たせません!」
「聖女様にそんな務めはないと思いますが――。
そんなことより、黒神様を殺すように依頼した者をどうにかした方がいいと思いますが!」
「そんなことよりとはなんです。大切なことなのですよ!
ですが、メヤリーの意見にも一理あります。確かに黒神様を害しようとした者を放って置くわけにはいきませんね――。
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「聖女様自ら行かれるのですか?」
「ことは黒髪様に関わること当然です。明日の朝には出発します。直ぐに移動の準備を始めなさい」
「わかりました」
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メヤリーは一人愚痴を溢すのだった。
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