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04.告白されたんですが!?
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翌朝目覚めると、目の前にアルベール王子の顔があった。
「うわっ!」
思わず声を出してしまう。
「おはよう。ミノル」
「お、お、おはようございます」
俺は動揺しながら挨拶を返す。
「昨夜はよく眠れたかい?」
王子が微笑みながら尋ねてくる。
「え、ええ、ぐっすりと眠ることができました」
「それは良かった」
王子が優しく微笑んだ。本当に綺麗な人だ。男だとわかっていても見惚れてしまう。
うっかりそんなことを思ったのがいけなかった。
「むちゅっ♡」
王子の唇が俺の口に押し付けられて、舌が入ってくる。
「んふぅー!」
俺は必死に抵抗するが、全く歯が立たない。
「ぷはぁっ……」
しばらくして、やっと解放された。俺は息を整える。
「ちょ、ちょっと!いきなり何をするんですか!?」
「何って、口付けだよ」
「いや、そうじゃなくてですね……」
「嫌だったかな?悪かったね」
王子は謝ってくるが、悪いと思ってなさそうな表情をしている。
「いや……大丈夫です……」
嫌ではないのだが、朝から刺激が強すぎる……。
「君が私の恋人になってくれると嬉しい」
昨日の夜、王子から突然の告白をされた俺は、混乱の極みに達していた。
「えっと……どうしてそうなるのでしょうか……」
「君は私の運命の人だ。一目見た時にそう思ったんだ」
なるほど、それで俺に親切にしてくれていたのか……。
この世界に来てからというもの、王子には助けてもらったり優しくしてもらったりと色々世話になっている。それに俺のことをとても大切にしてくれているようだ。
もし俺が女性なら、王子に恋してしまってもおかしくないだろう。
「いや、でも俺男ですし……」
「性別など関係ないさ!君のことが好きなのは事実なんだから」
「そ、そうですか……」
性別のことを考えなければ、俺も王子のことはとても好きだ。王子の容姿はもちろんだが、中身も素敵な男性だと思う。
この世界は、あまり性別にこだわらないのだろうか。
ゲームをプレイしていた限りでは、特にそういった描写はなかったし、王子もお姫様と結婚していた。
それなのに、どうして俺みたいな奴を好きになったのか不思議でならない。
「あの……一応確認なんですけど、俺のどこを好きになったんですかね?」
「そうだな……。まずは顔が好みだ」
……俺は誰が見ても認める平凡顔である。超絶美形王子にそんなことを言われると、むしろツライ気持ちになってしまう。
しかし、この世界だと逆にこの平凡顔が新鮮なのかもしれない。ということでいったん納得しておく。
「あと、優しいところだ。それと、気遣いができるところが素晴らしいと思う」
「は、はぁ……」
「それに、君といるとすごく落ち着くんだ。きっと相性が良いんだよ」
輝くような笑顔で言われた。正直、ここまで言われると照れくさい気持ちになる。
「それから……やはり一番魅力的なのはその身体だな!鍛えられた筋肉は芸術品のように美しい!」
「はあぁっ!?」
まさかの身体!?身体が目当てだったの!?
王子は俺の身体を舐め回すように見ている。俺は自分の身体が急に恥ずかしくなってきた。
「あの……、あんまり見られると恥ずかしいです……」
「おっと失礼。つい興奮してしまった」
いや、興奮って!
「あの……王子は同性愛者なんですか?」
「いや、そういうわけではない。だが、なぜか君には惹かれるものを感じるんだ」
「そ、そうですか……」
「ダメかな?」
「い、いえ!とても光栄なんですが……まだ俺はこの世界に来たばかりだし、お互いのこともよく知らないし……」
「そうか……それなら、お試しというのはどうだろうか?」
「えっ……お試し?」
「まずは1ヶ月付き合ってみて、お互いのことをよく知っていこうじゃないか」
「なるほど、それならいいかも……」
恋愛経験が無い者同士、お試しで恋人になるというのは悪くないかもしれない。
「よし、決まりだな!」
こうして、俺はアルベール王子と期間限定のお付き合いをすることになったのだった。
――ということで、朝から王子に熱いキスをされていたのだ。
まさか王子がこんなに積極的だとは。これから毎日こうなのだろうか……。少し不安になってきた。
「さて、朝食を食べに行こう」
「そうですね……」
俺はまだドキドキしている心臓を落ち着かせながら、身支度を整えた。
「おお、来たか。二人ともおはよう」
食堂へ着くと、ダンディな雰囲気の男性に声をかけられる。
「おはようございます」
「父上、おはようございます」
アルベール王子の父上……ということは、国王陛下か。まさか急に王様に会うとは思わなかった。
国王は40代後半ぐらいだろうか。白髪混じりの金髪で髭を生やしている。
服装がラフなので威厳はあまり無いが、王というだけあってオーラのようなものが出ていた。
「こちらがミノルです」
「初めまして。ミノルと申します」
「私はラルジュ王国の国王だ。よろしく頼む」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
俺は緊張しながら頭を下げる。すると、王子が近づいてきて耳元で囁いた。
(父上にはまだ内緒だよ)
「えっ?」
急に良い声が耳元で聞こえて驚いてしまう。
「どうかしたのか?」
「い、いえ!なんでもありません!」
慌てて誤魔化す。どうやら王子は俺と付き合っていることを秘密にしたいようだ。
「そうか?まあいい。さあ、まずは朝食を頂くことにしよう」
「はい!」
そして食事が始まると、王子が俺に質問してきた。
「ところでミノルは、好きな食べ物とかあるかい?」
「うーん……特別に好きな食べ物はないですね。好き嫌いは無いので割となんでも美味しく食べます」
「へぇ~、偉いな。ちなみに私の好きな食べ物は、卵料理だ」
「そうなんですね!俺も卵大好きですよ」
「それは嬉しいな。今度一緒に食べよう」
「はい!楽しみです!」
そんな感じで雑談をしながら楽しく食事をしていると、王が急に話し始めた。
「じつは、今日は大事な話があるのだ」
「なんですか?父上」
「最近、魔物が活発に動き始めているという情報が入った。この国はまだ平和だが、いつ危険な目に合うかわからん。警戒を怠らないようにしてほしい」
「そうなんですね……。わかりました」
魔物か……。ゲームでは魔王が魔物達を率いて、人々を苦しめていた。
現時点で魔物が活発に動き始めている状況ということは、まだ魔王が現れていないということだろうか。
ゲームのオープニングよりも前の時間軸と予想される。
「気を引き締めるように。特にお前はこの国の王子なのだからな」
「はい。肝に命じておきます」
王子は真剣な顔つきで話を聞いていた。
「うわっ!」
思わず声を出してしまう。
「おはよう。ミノル」
「お、お、おはようございます」
俺は動揺しながら挨拶を返す。
「昨夜はよく眠れたかい?」
王子が微笑みながら尋ねてくる。
「え、ええ、ぐっすりと眠ることができました」
「それは良かった」
王子が優しく微笑んだ。本当に綺麗な人だ。男だとわかっていても見惚れてしまう。
うっかりそんなことを思ったのがいけなかった。
「むちゅっ♡」
王子の唇が俺の口に押し付けられて、舌が入ってくる。
「んふぅー!」
俺は必死に抵抗するが、全く歯が立たない。
「ぷはぁっ……」
しばらくして、やっと解放された。俺は息を整える。
「ちょ、ちょっと!いきなり何をするんですか!?」
「何って、口付けだよ」
「いや、そうじゃなくてですね……」
「嫌だったかな?悪かったね」
王子は謝ってくるが、悪いと思ってなさそうな表情をしている。
「いや……大丈夫です……」
嫌ではないのだが、朝から刺激が強すぎる……。
「君が私の恋人になってくれると嬉しい」
昨日の夜、王子から突然の告白をされた俺は、混乱の極みに達していた。
「えっと……どうしてそうなるのでしょうか……」
「君は私の運命の人だ。一目見た時にそう思ったんだ」
なるほど、それで俺に親切にしてくれていたのか……。
この世界に来てからというもの、王子には助けてもらったり優しくしてもらったりと色々世話になっている。それに俺のことをとても大切にしてくれているようだ。
もし俺が女性なら、王子に恋してしまってもおかしくないだろう。
「いや、でも俺男ですし……」
「性別など関係ないさ!君のことが好きなのは事実なんだから」
「そ、そうですか……」
性別のことを考えなければ、俺も王子のことはとても好きだ。王子の容姿はもちろんだが、中身も素敵な男性だと思う。
この世界は、あまり性別にこだわらないのだろうか。
ゲームをプレイしていた限りでは、特にそういった描写はなかったし、王子もお姫様と結婚していた。
それなのに、どうして俺みたいな奴を好きになったのか不思議でならない。
「あの……一応確認なんですけど、俺のどこを好きになったんですかね?」
「そうだな……。まずは顔が好みだ」
……俺は誰が見ても認める平凡顔である。超絶美形王子にそんなことを言われると、むしろツライ気持ちになってしまう。
しかし、この世界だと逆にこの平凡顔が新鮮なのかもしれない。ということでいったん納得しておく。
「あと、優しいところだ。それと、気遣いができるところが素晴らしいと思う」
「は、はぁ……」
「それに、君といるとすごく落ち着くんだ。きっと相性が良いんだよ」
輝くような笑顔で言われた。正直、ここまで言われると照れくさい気持ちになる。
「それから……やはり一番魅力的なのはその身体だな!鍛えられた筋肉は芸術品のように美しい!」
「はあぁっ!?」
まさかの身体!?身体が目当てだったの!?
王子は俺の身体を舐め回すように見ている。俺は自分の身体が急に恥ずかしくなってきた。
「あの……、あんまり見られると恥ずかしいです……」
「おっと失礼。つい興奮してしまった」
いや、興奮って!
「あの……王子は同性愛者なんですか?」
「いや、そういうわけではない。だが、なぜか君には惹かれるものを感じるんだ」
「そ、そうですか……」
「ダメかな?」
「い、いえ!とても光栄なんですが……まだ俺はこの世界に来たばかりだし、お互いのこともよく知らないし……」
「そうか……それなら、お試しというのはどうだろうか?」
「えっ……お試し?」
「まずは1ヶ月付き合ってみて、お互いのことをよく知っていこうじゃないか」
「なるほど、それならいいかも……」
恋愛経験が無い者同士、お試しで恋人になるというのは悪くないかもしれない。
「よし、決まりだな!」
こうして、俺はアルベール王子と期間限定のお付き合いをすることになったのだった。
――ということで、朝から王子に熱いキスをされていたのだ。
まさか王子がこんなに積極的だとは。これから毎日こうなのだろうか……。少し不安になってきた。
「さて、朝食を食べに行こう」
「そうですね……」
俺はまだドキドキしている心臓を落ち着かせながら、身支度を整えた。
「おお、来たか。二人ともおはよう」
食堂へ着くと、ダンディな雰囲気の男性に声をかけられる。
「おはようございます」
「父上、おはようございます」
アルベール王子の父上……ということは、国王陛下か。まさか急に王様に会うとは思わなかった。
国王は40代後半ぐらいだろうか。白髪混じりの金髪で髭を生やしている。
服装がラフなので威厳はあまり無いが、王というだけあってオーラのようなものが出ていた。
「こちらがミノルです」
「初めまして。ミノルと申します」
「私はラルジュ王国の国王だ。よろしく頼む」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
俺は緊張しながら頭を下げる。すると、王子が近づいてきて耳元で囁いた。
(父上にはまだ内緒だよ)
「えっ?」
急に良い声が耳元で聞こえて驚いてしまう。
「どうかしたのか?」
「い、いえ!なんでもありません!」
慌てて誤魔化す。どうやら王子は俺と付き合っていることを秘密にしたいようだ。
「そうか?まあいい。さあ、まずは朝食を頂くことにしよう」
「はい!」
そして食事が始まると、王子が俺に質問してきた。
「ところでミノルは、好きな食べ物とかあるかい?」
「うーん……特別に好きな食べ物はないですね。好き嫌いは無いので割となんでも美味しく食べます」
「へぇ~、偉いな。ちなみに私の好きな食べ物は、卵料理だ」
「そうなんですね!俺も卵大好きですよ」
「それは嬉しいな。今度一緒に食べよう」
「はい!楽しみです!」
そんな感じで雑談をしながら楽しく食事をしていると、王が急に話し始めた。
「じつは、今日は大事な話があるのだ」
「なんですか?父上」
「最近、魔物が活発に動き始めているという情報が入った。この国はまだ平和だが、いつ危険な目に合うかわからん。警戒を怠らないようにしてほしい」
「そうなんですね……。わかりました」
魔物か……。ゲームでは魔王が魔物達を率いて、人々を苦しめていた。
現時点で魔物が活発に動き始めている状況ということは、まだ魔王が現れていないということだろうか。
ゲームのオープニングよりも前の時間軸と予想される。
「気を引き締めるように。特にお前はこの国の王子なのだからな」
「はい。肝に命じておきます」
王子は真剣な顔つきで話を聞いていた。
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