騎士団長の秘密の部屋に匿われています!?

krm

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║33║抑えきれない熱に、すべてを委ねて *

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再び唇を奪われたかと思うと、その口づけはじわじわと深みを増していった。
「ん……っ」
唇が重なったまま、息が苦しいのに、どうしても離れられない。吸い込まれるように、彼の熱へと溺れていく。
グレンの指が頬から首筋へとすべり落ち、ぞくりと痺れるような震えが走った。
「……っ、グレン……い、いったんストップ……」
かすれた声で必死に抗議したのに、すぐ目の前で静かに囁かれる。
「止まれません。アストルが可愛すぎて」
低く熱を帯びた声が耳の奥に染み込み、心臓を掴まれたみたいに跳ね上がる。
すぐに再び強く唇を塞がれ、舌を深く絡められてしまった。
「ん……っ、あ……や……」
必死に抗おうとするのに、全然力にならない。胸の奥が甘く痺れて、どうしようもなく欲しくなってしまう。
「……大事にしたいのに、加減できなくなりそうです」
耳元に落とされた吐息まじりの言葉に、全身が熱くなる。
怖いことを言われているはずなのに――どうしよう、そんなふうに言われるのが嬉しい。
「……アストル」
名を呼ぶ声が、先ほどよりもずっと低く熱を帯びていて、思わず身を竦ませた。
「ひゃっ……!?グ、グレン……っ」
気づけば身体がすっと持ち上げられていて、僕は慌てて首に腕を回す。
まさか抱き上げられるなんて――心臓が跳ねて、息まで詰まりそうだ。
耳元にかかる荒い息づかいと、ぎらぎらと燃える瞳に見つめられ、胸の奥がどうしようもなく熱くなる。
「お、下ろして……自分で歩けるから……!」
「いいえ。今はどうしても……アストルから手を離したくありません」
きっぱり告げられて、胸がドクンと跳ねた。いつも冷静な彼が、こんなふうに必死な声を出すなんて。
「……グレン……っ」
頬がかっと熱くなる。視線を逸らす僕を抱えたまま、彼は迷いなくベッドへと歩いていった。
その足取りは乱れていないのに、肩越しに感じる鼓動はやけに速い。
「そんなに……僕のこと……」
「ええ。……もう、抑えがききません」
ベッドに背を預けた瞬間、彼の唇がまた重なる。さっきまでより深く、ためらいなく、息を奪うように。
「んっ……!グレン……っ、ちょっと、苦しい……!」
「申し訳ありません。……もっと、アストルを味わいたいのです」
唇を離した彼の声はかすれて低い。息を乱しているのは僕のほうなのに、彼の理性が崩れていくのがはっきり伝わってきて、ぞくりと背筋が震えた。
「そ……そんな顔で言わないでよ……心臓が壊れちゃう……!」
「大丈夫です。……どうか、今夜は私にすべてを預けてください」
熱を帯びた瞳に捕らえられて、逃げ場がない。大きな手が頬から首筋へと滑り、指先でそっと髪をかき上げられる。そこに落ちる口づけが甘くて熱い。
「ひゃっ……!そこ、だめ……!んん……っ!」
「すべてが愛おしいです……」
耳のすぐ下で囁かれて、全身がびくりと震える。僕の抗議なんて、彼には甘える声にしか聞こえていないみたいだ。
「アストル……もっと、聞かせてください。私だけの可愛い声を」
「っ、も、もう……やばいってば……!」
必死に言葉を絞り出しても、彼の唇が重なるたびにかき消されてしまう。
彼の唇が、頬から首筋へ、さらに鎖骨へと下りていく。
熱を帯びた吐息が肌を撫でるたびに、ぞくぞくと痺れるような感覚が走って、僕の声は勝手に零れてしまった。
「んっ……あぁ……っ、グレン……やだ……そんなとこ……っ」
「嫌ではないでしょう?……こうして触れると、震えが心地よさに変わっていくのがわかります」
低い囁きに、胸の奥まで熱が突き抜けた。僕が隠したいと思っている反応を、彼は当たり前のように見抜いて言葉にしてしまう。
「も、もう……っ、本当に……恥ずかしいからぁ……っ」
「恥じらうアストルが、たまらなく愛しいのです。……だから、もっと隠さず見せてください」
そう言って、ぐっと抱き寄せられる。背中に回された腕は灼けるほど熱く、逃げ道を塞ぐように絡みついてきた。
全部さらけ出してしまうのが怖いはずなのに――彼になら委ねたい、と自然に思ってしまう。その矛盾さえも甘美で、意識の輪郭がじわじわと溶かされていく。
「んんっ……っ、だめ……っ、頭が、くらくらする……」
「いいのです。どうか私だけを感じて、私のためだけに乱れてください」
耳元で落とされた低い声は、いつもの冷静な調子からかけ離れ、熱と渇望を滲ませていた。
その落差に心臓が追いつけず、胸の奥がきゅうっと縮んだかと思うと――次の瞬間、すべてが甘く痺れて、身体ごと彼に溶かされていった。
「グレン……っ、ほんとに……やばい……」
「ええ。私も、もう抑えきれません」
再び深い口づけが降り注ぐ。
何度も、何度も――息が混ざり、熱が絡み、涙さえ滲むほどに甘く重なって、思考なんてとっくに手放していた。
「……力を抜いてください。アストルを傷つけることだけは、絶対にいたしません」
その声は低くて確かで、胸の奥にじんと響く。
同時に、大きな手が背中をゆっくり撫でていく。
その優しい動きに導かれるように、張りつめていた緊張が少しずつほどけ、身体の奥まで甘く満たされていった。
「ん……っ、でも……そんなに、優しくされると……」
「嫌なのですか?」
「ち、違う……っ。ただ……落ち着かなくて……」
触れられるたびに、そこだけが火照って、全身が甘く痺れていく。
「……可愛いですね。ほんの少し触れただけで、こんなに震えて」
「な、なにそれ……っ、言わないでよ……恥ずかしい……!」
思わず声を跳ねさせると、彼はすぐに、また静かに囁いた。
「……大丈夫です。焦りません。時間をかけて、ゆっくりと」
「……うん……」
その言葉通り、ひとつひとつ確かめるように丁寧な愛撫が重ねられていく。痛みも恐れも、微塵も感じさせない。ただ甘い熱が胸の奥までじんわり広がっていく。
「んっ……あ……グレン……っ、からだ……溶けちゃいそう……」
「ええ、いいのですよ。すべて、私に預けてください」
気づけば心も体も抗えないほどに蕩けきっていて、もう名前を呼ぶことしかできなかった。
「……っ、グレン……」
「はい。ずっとここにいます。安心してください」
その確信に満ちた声に、胸の奥が甘く痺れて、涙がにじむほど愛おしくて。
――もう、どこまでも委ねてしまっていた。
「……あ……っ、グレン……もう……」
声は震え、吐息は熱にかき乱れる。指先も唇もあまりに丁寧で、それなのに少しずつ熱を強めていくから、心臓が休む間もない。
「……まだ、我慢してください」
低く落とされた声は冷静なのに、その指先は熱に浮かされたように容赦なく僕を解していく。触れるたびに、確かめるたびに、体の奥が甘く疼いて、もう思考はとっくに溶かされていた。
「っ……はぁ……や……っ、でも、もう……」
「アストル。……本当に可愛い。これほどまでに素直に私を受け入れてくださって……」
「ん、ぁ……だって……グレンが……優しいから……」
かすれた声で答えると、グレンの瞳が一瞬、鋭く揺れた。すぐに彼は僕を強く抱き寄せ、額を重ねる。
「……優しさだけではありません。どうしようもないほど、あなたを求めています」
「っ……!」
その言葉と同時に、さらに深く触れられ、思わず身体が跳ねる。熱は頂点に近づき、理性はすでに手放していた。
「……ああ、もう十分ですね。これ以上は……抑えられない」
囁きながら、グレンの呼吸が荒くなる。冷静なはずの彼の声が、熱に溶けて震えていた。
「……準備は整いました。アストル……いいですか?」
「っ……うん……」
頬に熱が集まって、視界が涙でにじむ。それでも必死に頷くと、彼の瞳がわずかに細められた。
「では……あなたを、ようやく私のすべてで抱けます」
その低い声が耳に落ちた瞬間、胸の奥まで甘い痺れが走る。心臓が跳ね上がり、熱に浮かされたみたいに呼吸が浅くなる。逃げ場もなく、もう抗う理由も見つからない。
どれほど恥ずかしくても――彼にすべてを委ねたい。そう思ったときには、もう理性なんて残っていなかった。
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