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焔ノ章
緋色に空は染まりー Intermezzoー
「も~行くの?」
のほほんとした声が聞こえる。
「ああ」
私は上を向いて答える。
彼と契約を結んでから数百年。
それが急に切れた。
ぷっつりと。
てっきり彼は『死んだ』ものだと思っていたのに、鐘は途中で途切れた。
恐らく蘇生が効いたと思われる。
そして、私との契約は切れたまま。
情報が足りない。
遭いたくて逢いに行こうと思ったが、契約が無いため何処に居るかわからない。
大丈夫なのだろうか?
契約が無いため、力は足りるのだろうか?
あの非力な女神がついては居るが、彼女は名ばかりの傍観者だから役には立たないだろう。
「ね~ほんとーに無茶しちゃだ~めだよ~」
のんびりと話す言葉はゆったりだが、心配しているのは分かる。
「無理はしないさ」
「え~そ~言って~フローちゃんは~無理するからさ~、僕心配だよ~」
心配だと言う彼女の頭に手を乗せ、
「大丈夫、少し話すだけだ」
「そ~言って~フローちゃんは暴れるよね~?」
それについては返事はしない。
…事実だからな。
「図星だったんだね~」
彼女は柔らかく笑う。
私はその笑顔がとても好きだった。
でも、その笑顔は今日で見納め。
彼女は今日で『代替わり』する。
「ね、フローちゃん」
「なんだ」
「ずっと~一緒に居てくれて有難う、ね」
徐々に崩れる彼女の身体。
土の精霊の代替わりは初めて見るが、私もこの様に崩壊して行くのだろうか?
「フローちゃん」
彼女が泣いている。
「大好き…」
溶けるように消えた彼女に首を振り、
「私こそ、愛してるよアニタ」
彼女が消えた場所に、彼女が好きだった道端の名も知らない花を添える。
空は染まる
緋色に
私の色のようだと、彼女は昔笑って言っていた。
「行ってくるよアニタ」
彼女は既に居ないのだけど、「いってらっしゃいフローちゃん」と聞こえたような気がした。
のほほんとした声が聞こえる。
「ああ」
私は上を向いて答える。
彼と契約を結んでから数百年。
それが急に切れた。
ぷっつりと。
てっきり彼は『死んだ』ものだと思っていたのに、鐘は途中で途切れた。
恐らく蘇生が効いたと思われる。
そして、私との契約は切れたまま。
情報が足りない。
遭いたくて逢いに行こうと思ったが、契約が無いため何処に居るかわからない。
大丈夫なのだろうか?
契約が無いため、力は足りるのだろうか?
あの非力な女神がついては居るが、彼女は名ばかりの傍観者だから役には立たないだろう。
「ね~ほんとーに無茶しちゃだ~めだよ~」
のんびりと話す言葉はゆったりだが、心配しているのは分かる。
「無理はしないさ」
「え~そ~言って~フローちゃんは~無理するからさ~、僕心配だよ~」
心配だと言う彼女の頭に手を乗せ、
「大丈夫、少し話すだけだ」
「そ~言って~フローちゃんは暴れるよね~?」
それについては返事はしない。
…事実だからな。
「図星だったんだね~」
彼女は柔らかく笑う。
私はその笑顔がとても好きだった。
でも、その笑顔は今日で見納め。
彼女は今日で『代替わり』する。
「ね、フローちゃん」
「なんだ」
「ずっと~一緒に居てくれて有難う、ね」
徐々に崩れる彼女の身体。
土の精霊の代替わりは初めて見るが、私もこの様に崩壊して行くのだろうか?
「フローちゃん」
彼女が泣いている。
「大好き…」
溶けるように消えた彼女に首を振り、
「私こそ、愛してるよアニタ」
彼女が消えた場所に、彼女が好きだった道端の名も知らない花を添える。
空は染まる
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私の色のようだと、彼女は昔笑って言っていた。
「行ってくるよアニタ」
彼女は既に居ないのだけど、「いってらっしゃいフローちゃん」と聞こえたような気がした。
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恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。
中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。
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