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しおりを挟む『小林さんが倒れたのは…【運命の番】相手が現れたからですか?』
普通予定日以外のヒートでΩである俺がぶっ倒れたら、答えは普通それ以外でないわけで。
キニナルよね―。
と思いつつ、嵯峨さんには違うと否定したかった。
だってな。
あの人は俺の故郷に居る筈なんだ。
【運命の番】である俺の手を掴まずに、此方に見向きもせずにΩ女性の手を掴んで居たのだから。
あの人にとって俺は眼中オブアウトなのですよ。
あの時は深く傷付いたけど、今は過去の話。
やっとの思いで【過去】に出来たと言う訳。
その前に確認したい。
「俺が倒れた時、他に誰か居た?」
『小林さんが倒れたので正直かなり焦ってしまって、流石に周囲のことまでは…』
気にかけて居なかったですと言う声。
でも、とスマホから嵯峨さんの声が耳に囁く。
『何処からか背筋がゾッとするような視線を感じたんですよ。今まで気の所為かと思って居たのですが』
「誰か居た可能性があるのか」
あの時。
気を失う時。
目を閉じる瞬間。
道の向こう側で、例の【運命の番】であるあの人が此方を、顔を歪めながら「みつけた」と口を開いた…。
気の所為かと思っていたのだが、本当にあの人が居て呟いたのかも知れない。
もしくはホラー展開。
誰もあの場に、俺達以外が居なかったとしたらどう考えてもこの世の者ではない可能性が考えられる。え、あれ、この話ってホラーでしたっけ?
うわぁ、背筋が寒くなる気がするのだけど!
『小林さん?』
スマホを握ったまま、暫し考えこんでしまった。
ホラー展開は絶対に回避したい、俺目に見えないのは苦手なんだよ!
「御免、考え事をしていた」
ホラーじゃあないこと願っていた。
とは言えないけどな。言ったら本当になりそうで恐ろしいから。
ホラー駄目、ホラー回避、そこ背を押すなよ!絶対だ!
『大丈夫ですか?』
「ん、大丈夫」
『何だか小声でホラー回避と聞こえたのですが』と言う声に小さく笑う。
とは言え笑って誤魔化せ!絶対にホラー展開は回避だ!と心の中で叫んでおりましたが何か?
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