商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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52 コメディは突然に2

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 なんてこったい!
 ううう、やっちまったー!

 店のカウンター、厨房内部で顔を隠して小さくなって蹲る。
 きっと今の俺の顔面は火を吹くが如く、真っ赤になって居るだろう。なんなら耳や首まで赤いかも知れない。いや、確実だろう。
 何せ、


「ちょ、店長ちゃん顔どころか耳まで真っ赤だった!?」

「ぐあぁぁーマジかああー」

「首まで赤かったぞ」


 と言う声が聞こえて来るからだ。
 しかもこの声、ほぼほぼ常連客の声です。嵯峨さんからの声は上がって居ないけど、聞かれてしまったよな!?恥ずかしい!!
 なんてうわぁーと内心叫んでいる所に聞こえて来た声。


「ん?おろ?店は開いているようだけど、店長は不在?」

「いや、居るには居るのだけどな」

「ちょいっと来るタイミングが悪かったな、不破」

「クラウディオも一緒か、朝食を食いに来たのかい?」


 うわ、商店街の喫茶店の店長不破さん、その不破さんのお店の常連で最近此処小林茶坊の常連にも成りつつあるクラウディオさんが来店して来てくれた。
 カウンターでしゃがんで赤らんだ顔を隠している場合ではないぞ、確りしろ!俺!

 パンパンと気合を入れる為に両頬を叩いてから立ち上がる。


「小林さん顔が赤いけど大丈夫?」


 不破さん達は夫々ふうふで来ていたのか。
 不破さんの奥さんである末明さんが此方を心配そうに見詰めている。


「あ、ハイ。気合入れましたので」

「凄い音がしたけど、もしかして頬を叩いた?」

「あはは、バレました?」


 まだまだ十代の美少年…いや、青年の年齢だろうか?そんな儚げな顔付きの末明さんが心配そうに此方の様子を伺っている。その背後には同じく心配そうなこの店の常連のオジサマ達。

 あれ?何この店α率高!
 俺と末明さん意外、ほぼほぼ常連客がαな件。
 これが田舎(実家)と都会の違いか…αどころかΩでさえ出会えるのがほぼ無いとまで言われていた田舎出身の俺は、妙な気分になって戦慄してしまった。

 と言うか、田舎で男Ωは俺一人だった。
 αだってヒムカさん一人しか居なかったけれど。
 女Ωも一人しか居なかったけどさ(ヒムカさんの元嫁)。

 もしかして田舎ってβばかりが多いって言うけど、αやΩには生きづらいのだろうか。
 Ωにはヒートがあるから抑制剤で抑えるのに病院へ通う為、病院が無い地域には居辛いし病院がある地域に移動してしまう。そうしてαはΩが居る場所へと【運命の番】相手を探しにと言うのはよく聞く話(出会えるかどうかは運次第だけど)。

 確実にΩは人が居て病院や身が守れやすい地域に移動するよね。
 そうして…うん、過疎化はそうしたケースが多少なりとも影響して居たりして。何せ社会的にも地位が高いαが大企業等の御曹司や政治的な地位も高い人が多数居る。逆に田舎には居ない。
 居たとしても、何かしらの地位が高い傾向が多い。
 少なくとも俺が居た田舎のとあるリゾート地等には有名観光地ホテルがあり、其処の社長はαだって有名だし。とは言え其処の社長はその地に住んでは居ないので、結果的に田舎にはαはほぼ居ないのだけど。

 チラリと嵯峨さんの方を向くと、何故かカウンターで数名のおじさん達に絡まれて居る。
 頭をグリグリされたり、「テメェ上手いことやりやがって」「このこのぉ」「くっそ~代われや」と、強めに横腹に肘を当てたり。

 弄られている?

 ※ ※ ※

・小林茶坊に朝食を食べに来るα達が多いのは、「独身Ωちゃんの朝食が食える!」「朝から贅沢!」「ほかほかの美味しいご飯!」と言う独身αが多いせいです。なお別作品ですが、高峰さんも偶に此方に来ます。
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