55 / 138
53 味噌汁は豚汁で、おにぎり弁当四人前
しおりを挟む「おう、店長。何時もの朝飯頼むわ」
「あ、はい」
クラウディオさんが此方を見てから注文し、「味噌汁は豚汁で」と+100円追加の方の注文。末明さんも「俺も~」と注文が入り、不破さんは何時もので、と。
其処でふと、カウンター席に居る常連さん達から一気に注文。
「何だ、まだ注文してなかったのか」と不破さんが呆れた声を掛ければ、「嵯峨と戯れていたわ!」と爆笑する人達。
「さっさと食わないと仕事に遅刻するのでは無かったか?」
「やっべ、そうだった!」
「げげ!始業時間まで後40分!」
不破さん達に許可を取り、入店時間が先の人達を優先して頼まれた朝ご飯を出す。とは言え数分の差でしか無いのだけど。何せほぼ作り置きです。店員が俺一人しか居ないから、その場で作ると時間が掛かるので。
これでも独身のおじさん達には好評なのです。
何せ普段から何度も「朝から温かいご飯と味噌汁が出て来るなんて幸せなのだからな!」と言われるから。
…嵯峨さんも俺のご飯を食べて、少しは幸せになっているかな?
少なくても以前みたいに栄養失調で倒れるなんてことはもう無いと思いたい。
「そう言えば小林さん、『おにぎり弁当』の注文って今やっている?」
おっと、不破さんの奥方である末明さんが此方を伺って聞いて来る。
相変わらず小綺麗な顔をしているなぁ、瞳なんてキラキラとしているし。うん、これは今が幸せだからかな?
「2日ぐらい前に予約してくれれば大丈夫ですよ」
「おお~それじゃあ今度のお店の休みの日に頼むね。子供達を連れてちょっと日帰り旅行をしようと思っているのだけど、小林さんの作ったお弁当を持って行きたくてさ」
不破さんと末明さんの双子ちゃん、まだ一歳未満だから手が掛かるって言うしね。自分でお弁当を作って持って行くより、少しでも気楽にして行きたいのだろう。
それじゃあ腕によりをかけて作らなくちゃ。
「お弁当は二人前かな?」
「いや、四人前程。どうやら運転手が付いて来る様だからね」
チラリとご飯を掻っ込んでいるクラウディオさんを呆れた眼差しで見詰める末明さん、それを見て苦笑している不破さん。
「あーいや、俺は行けねーぞ」
「おや、珍しい」
来ないの?とは言わない末明さん。相変わらずだなぁ、このコンビ。
不破さんと結婚してから末明さんってこのクラウディオさんに対する牽制が凄い。他の人には全く無頓着なのだけど。あれかな、独占欲かな。その癖不破さんは滅多なことでは末明さん関係の牽制とかして居ない気がする。
うーんこれは俺がΩだから偶々見ていないのかな?
「一度故郷に帰らないとならないのさ」
「パスポートの期限切れか」
「それだと最低でも三ヶ月位会えないな」等と言う呑気な声が聞こえて来る。当分の間会えないのか~等と思っていたら、
「仕事だ」
「マジか」
「おう。社員を連れていくが、何名か連絡用に残しておく。そうだ不破、悪いが仕事で使うから、後で資料くれ」
「料金次第な」
「senz'altro(わかった)。旅行楽しんでこい」
「ああ。末明、車の運転は俺がするから、子供達の面倒を見て貰うためにシッター連れて行こうか」
「うん、そうだね」
少し末明さんが不満そうだけど、何だかんだ言って一緒に行くつもりだったのかな?
「んでー小林さん、何があった?」
おっと、此方にお鉢が回って来た。
末明さんがワクワクした顔で聞きに来るので意地悪するのも良くないなとは思うのだけど、先程の己の馬鹿発言を披露するのは恥ずかしい。
それならばポロッと言うなよとは今なら思うが、先程はその、な?嵯峨さんに会いたかった昨夜の気持ちとかが諸々テンションが上がっていて、余裕が無かった。
何せこれから嵯峨さんにどう告白しようとか、色々考えてしまっていたからその、つい、な?
「秘密です」
己の唇に右手の人差し指を一本立て、「内緒」と呟く。
んん?今カウンター席で『ダン!』って言う大きな音が鳴ったけど!?
常連のオジサマα達が「ぐぉぉぉ」なんて言ってカウンター席に突っ伏しているけど、嵯峨さんなんて「うう、小林さんその顔!」なんて言って居るけど、俺そんなに変な顔をしていた!?
12
あなたにおすすめの小説
平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています
七瀬
BL
あらすじ
春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。
政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。
****
初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。
はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。
2023.04.03
閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m
お待たせしています。
お待ちくださると幸いです。
2023.04.15
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
更新頻度が遅く、申し訳ないです。
今月中には完結できたらと思っています。
2023.04.17
完結しました。
閲覧、栞、お気に入りありがとうございます!
すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
魔王様に溺愛されています!
うんとこどっこいしょ
BL
「一目惚れをしたんだ、必ず俺に惚れさせてみせる」
異世界で目覚めた倉木春斗は、自分をじっと見つめる男──魔王・バロンと出会う。優しいバロンに、次第に惹かれていく春斗。けれど春斗には、知らぬ間に失った過去があった。ほのぼの、甘い、ラブコメファンタジー。
第一章
第二章
第三章 完結!
番外編追加
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる