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しおりを挟むside.嵯峨憲真
今日は小林茶坊の営業日。
昨日は小林さんとデート!をした日。
…いや、違う、か?
正確には落合君と一戸君、それと小林さんと俺と言う4人で都内の釣り堀へ遊びに行ったというのが正解。とは言え最後には小林さんと買い物をすると言う、何処からみてもデート!と言うこともした。
小林さんはデートとは思って居ないかも知れないが、俺にとっては十分デートだ。
叶うならば小林さんもそう思っていてくれていると嬉しいとは思うが、彼はどう思っているのだろう。兎に角、買い物だけでも長時間小林さんの休日を共に過ごせて物凄く嬉しい。
嬉しいのだが、最近少しだけ気になることがある。
一週間に2~3度、夕刻や夜間になると俺の携帯に連絡を寄越して来る人が居る。
その人は俺の亡くなった両親が残した借家であるアパートの一室を借りている人なのだが、何故か何時も「水道が」とか、「屋根から水漏れが」とか何かと細かく連絡を入れて来る。昨日も小林さんの夕飯をご馳走になり、何だかほんのりと妙にいい雰囲気になって居るかな?いいや、気の所為?と眼の前で可愛くモジモジしていた小林さんと会話の途中で、
「お借りしているアパートの部屋のトイレが詰まったの、困ったわ」
と携帯に連絡が入った。
流石に緊急だなと慌てて現場に様子を見に行ってから専門家に連絡をしようかと駆け付けると、「折角いらしたのにごめんなさいね、もう直ったわ」と。
折角小林さんとの大事な憩いの一時を泣く泣く諦めて急いで来たのに、でもまあ直ったのなら良かった。
それならば特に用事も無いし、此処最近の事柄のこともあってうす気味が悪いのでさっさと帰るかと踵を返したら、「もし宜しければですが、夕飯を食べていなければご一緒に如何?私腕によりをかけて作りましたの」とグイグイと迫って来る。
うん?作りました?
もしかしてトイレは詰まっていなかったのでは?
俺が此処へ来るようにと仕向けたのでは?
おまけに修理等は不動産側へと連絡する様にと伝えていたのに何故か毎回俺へと連絡が来る。
更には俺の腕を取って無理矢理胸を押し付けて来る始末。
気持ちが悪い。
何とか腕を振り払おうとするが、予想外強い力で爪を食い込ませて抓られる。
本当にβなのかこの女、力が異常だ!
食い込む爪からやっと開放されて腕を見たら血みどろ。
何だ、これ。何処の殺傷事件か。
おまけにその人の中学生らしい娘さんが「お母さんと付き合っているんでしょう!結婚してよ!」と、意味不明な事を言って抱き付いてくる始末。
おい、お前の娘俺が怪我をしているのに何とも思わないのかよ!?とか、血みどろの状態なのに気にせず抱き付いて来るなんておかしいだろう。
母親が変だからその娘も何処かおかしいのだろうか。
それともハニートラップか!?
物凄く不快だけどな!
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