商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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86 夢オチではない

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 もしかしてコレは夢オチ!?
 そうだ!現実ではない、きっと夢オチに違いない!!


「夢ではないですよ」


 嵯峨さん!速攻で否定しなくて良いから!
 と言うか俺、どれだけテンパって喋っているの!?


「大丈夫です、俺もテンパって居ますから」

「それもどうかと思うのですが」


 どうみても冷静に、落ち着いて居るように見えますよ?大人だなって思います。我ながら俺は子供っぽいなって自画自賛出来ます、コンチクショウ(混乱中)。


「でも、ですね」

「うん?」


 何ですか、滅茶苦茶此方を見ているけど、そんなに見詰めても何も出来ませんよ?告白したばかりでどうしたら良いのかわかっていない、テンパっているだけの状態ですから。今の俺の頭の中身なんて活火山ですよ。ドッカーンって噴火しているだけで、顔どころか耳まで熱を帯びているから赤面どころでは無いだろうし。コンチクショウ(二度目の混乱中)。


「確かに耳まで真っ赤ですね、可愛い」


 …ええい、どれだけ口から喋るんじゃ~!


「その方が可愛くてわかりやすくて良いです。俺好みです。何せ俺、小林さんの事をもっともっと知りたいので、そのままどんどん喋っちゃって下さい」

「羞恥でのたうち回りそう…」


 ソファーの背もたれにぐったりと力を抜いて身体を預けてると、横に居た嵯峨さんが腕を回して俺の肩を抱きしめて来た。つまり、俺の左側に嵯峨さんの手が!


「うひゃぁ!」


 ひ~!
 ナニコレナニコレ、メチャ密着しているのだけど!!
 お、おおお、落ち着け俺。
 横にイケメンが居るなんて状況だけでも緊張するのに、今のこの状況ってアレか。夢か現か幻かってヤツか。それとも俺の妄想?


「小林さん」


 あ、妄想じゃなかった。
 少なくとも妄想なら体温は感じない筈。


「は、はい」

「俺も好きです。ずっと、好きでした」

「ひゅ」


 息を吸っていなかったので慌てて空気を吸い込んだら、「ひゅ」なんて変な音が口から出た。恥ずかしい!「ひゅ」ってなんだ、言葉が変過ぎて日本語にもなってない。どれだけ動揺しているんだ!


「本当は俺が最初に告白したかったのですが、どう言ったら良いのか様子を伺っているうちに先に言われてしまいました。我ながら意気地がない」

「いや、そんなことは」


 何せ【常日頃】無意識に思っていた言葉が漏れただけで。
 そ、そそそ、そりゃあ、その。嵯峨さんのことを自覚してからこんな風に思ってばかり居るわけで。

 とか何とか混乱気味になりながら、何とか賄いを頂いた(味は全くしなかった…)。

 が。
 会話、会話が出来ない~~!

 兎に角居た堪れない。
 何かしようと席を立つと、阿吽の呼吸…じゃなかった、ええと、嵯峨さんが察したのか、お湯を沸かしてお茶を淹れてくれたり、会話が出来なくてどうしようと思っているとテレビのチャンネルを俺に断って変えてくれたり。


「ちょ、ちょっとトイレ行ってきます」


 思わずその場を退場っ!
 何せ先程から嵯峨さんからの眼差しが、滅茶苦茶甘い!!
 部屋の空気も甘くて、でも会話が出来ない。
 何を言っても変なこと言いそうだしで困惑してしまう!

 慌てて部屋から脱出し、ついでに食べ終わった食器類を手に持って二階の洗い場へ置いてトイレへと向かった。



 ※



「可愛かったなぁ小林さん」


 地下に残って幸せそうに呟いている嵯峨は、先程の小林の仕草や台詞等を思い出し、幸せに浸っていた。


 ※ ※ ※

 ・今回のツッコミどころ

 *【常日頃】と打ち込んだら何故かスネコスリと変換した我がパソコン。最近狐と打ち込むと何故か九尾と変換。狸と記載すると茶釜に変換するのでハテ???と思っていたが、何か面白いことになっている。ツッコミと言うより日常の一コマですまんw
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