商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

文字の大きさ
100 / 138

98 新人訓練

しおりを挟む
 
「こんなもんかな」


 重い荷物、鍋とか調理に使う物を幾つか購入。その場で嵯峨さんの自宅まで送って貰うことにした。
 すぐに使いそうなフライパンにフライ返し、おたま等と言った料理に使うものは持って帰ることに。その為、嵯峨さんの手には調理器具が入ったエコバックがパンパンになっている。
 因みに俺には持たせて貰えませんでした。
 嵯峨さん曰く、「理由はこの後も荷物が増えるから」とのこと。

 この後も似たようなことを言って、最終的に持たせて貰えない気がする。


「後は調味料やまな板ですか?」

「うーん…一度俺の店に行ければ、調味料ぐらい持って来られるのだけど」


 使わないと勿体無いし。
 まな板だって自宅に使っていない頂き物が2つ程ある。
 食品の賞味期限も気になる。冷蔵庫に入っている卵や肉類等、足の早い食品の状態も。他にもお店で使う物とか、考えだしたらキリがない。


「不破さんから、今日と明日迄店舗には近寄らないようにと言われているので」


 つまりそれまでは自宅兼店舗には行けないと言う事。


「今は大人しくしていましょう」


 あれ。それなら不破さんの経営をしている喫茶ロインって、俺が営んでいる小林茶坊の直ぐ側なのだけど。それはそれで別って言う事、とか?


「今小林茶坊の周辺警備とかプロの方が付いているらしいので」

「え、それならお礼金払わないと」

「それは大丈夫らしいですよ。商店街の方で毎月支払っている組合の経費から出すみたいですし」

「あ~なる程」

「もし足りないようなら請求して来るでしょう。とは言え、そういう問題は無いでしょうけど」


 え、無いの?何故?


「プロの会社の方々で「丁度良い機会なので新人訓練で使う」「だから格安になる」とか何とか言っていましたし、不破さんが」

「ぶは、それって不破さんが社長みたいな」

「指導とか指摘とかしているようなことを言っていましたね」

「へ~…て、え、それ本当?」

「あの人ああ見えて結構強いですから…妙な人脈もありますし」


 最後の方は小声で言ったのか、俺には少し聞こえにくかった。
 けどまぁ、これまでのことを考えると不破さんは妙な人脈ありまくりだ。
 普通の喫茶店経営者ってことだけじゃないよなぁ。
 お店によく来る常連の外人さん達とか、普通の人って言うより海外のマフィアみたいなおっかない雰囲気の人もいるし。…それが一度口を開くとギャップが凄すぎてコミカルな印象を与えるのだから、人は見掛けによらないなぁと思ったのだけど。
 因みにこれ、クラウディオさんとその部下さん達のことだったりする。

 初めて会った時はドン引きしたんだよなぁ~。
 クラウディオさんの部下の一人が「Ωちゃんだ!やばい黒髪黒目の天然日本人のΩちゃんだ!」って言われて。確かに俺は髪の毛とか染めたりしていないから黒髪黒目だけど、天然ってなんだ?とか思っていたらクラウディオさん以外全員俺の前に整列し、「初めまして!よろしくお願いします!」と一斉にお辞儀をして。
 何故か握手をしてこようとした人も居たけど、不破さんが全員を小突いて辞めさせていた。

 アレは一体何だったのだろうか?
 電話番号だとかLineアドレスにメールアドレスが書かれていたメモも渡されそうになったってことは、友だちになりたかったのかな?クラウディオさんが「日本の昔のテレビ番組の見過ぎだ」とか何とか言っていたけど。そんな番組あった?何とかとんとか言っていたけど、はて?


「そう言えば末明さんも強かったような、痴漢とか色々な対策で体術を習っているとか何とか聞いたことがあるし」

「あの人は下手すると不破さんよりも強いかも…」

「確かに」


 精神的にも、肉体言語を使う手段を得ていると言う事と二児の母親と言う意味でも、知り合いの中では最強かも知れない。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

平凡なぼくが男子校でイケメンたちに囲まれています

七瀬
BL
あらすじ 春の空の下、名門私立蒼嶺(そうれい)学園に入学した柊凛音(ひいらぎ りおん)。全寮制男子校という新しい環境で、彼の無自覚な美しさと天然な魅力が、周囲の男たちを次々と虜にしていく——。 政治家や実業家の子息が通う格式高い学園で、凛音は完璧な兄・蒼真(そうま)への憧れを胸に、新たな青春を歩み始める。しかし、彼の純粋で愛らしい存在は、学園の秩序を静かに揺るがしていく。 **** 初投稿なので優しい目で見守ってくださると助かります‼️ご指摘などございましたら、気軽にコメントよろしくお願いしますm(_ _)m

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

魔王様に溺愛されています!

うんとこどっこいしょ
BL
「一目惚れをしたんだ、必ず俺に惚れさせてみせる」 異世界で目覚めた倉木春斗は、自分をじっと見つめる男──魔王・バロンと出会う。優しいバロンに、次第に惹かれていく春斗。けれど春斗には、知らぬ間に失った過去があった。ほのぼの、甘い、ラブコメファンタジー。 第一章 第二章 第三章 完結! 番外編追加

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる

クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。

処理中です...