商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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100 お揃いとか照れる

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 調味料とか諸々は百均に行って購入して来た。
 いや~最近の百均は凄いね、包丁まで売っていたよ。流石に他の所で購入して来たから買わなかったけれど、お皿とか歯ブラシとか細々とした物を購入した。その際ちょっと良いなって思って手に取って見ていたマグカップ、嵯峨さんが色違いの品を素早く手に取り購入していた。

 …えっと、つまりそういうこと、だよね。
 照れる。滅茶苦茶照れる。

 お揃いとか照れる~!

 まぁ百均のですけどね。
 それでも嬉し恥ずかしなんとやら、です。はい。

 そんな訳で現在マンションの嵯峨さんの家の中。
 今立っている場所はキッチン。

 本当に嵯峨さんの台所、何もない。

 胡椒も塩も無いし、お醤油も食用油も無かった。当然包丁もお玉も何もなし。
 ほぼほぼ百均で売っている調味料を購入してきたけど、後日スーパーで購入して来ようと思う。

 …いや、何を言っているのだ、俺。二度目の照れ。
 自分で言っていて恥ずかしくてその辺の床の上でゴロゴロ転がってしまいそうになるのを堪え、一通り買い物袋から取り出す。


「さて」


 ふんっ!と気合を入れ、て………


「げ」


 唖然とした。


「どうしました?」


 俺の困惑した声に驚いたのか、吃驚した顔で此方の様子を伺う嵯峨さん。


「お米、買うのを忘れていました…」


 調味料とか包丁とか、キッチン用品のことばかり気を取られていて、肝心要かんじんかなめ!ご飯のことを忘れていましたー!なんて言う落ち。トホホ。


「それでしたら近場のコンビニでも行って購入してきますよ」

「今から水に浸してから炊くと時間がかかりますし、パックご飯のほうが良いかも」

「ふむ、でしたらスーパーでご飯だけを購入すると言う手もありますね。ついでにお米も購入出来ますし。それから炊飯器を購入します?」

「炊飯器…」


 考えてみたらこんなに何も無いのならば、ないはずだよね。でも大丈夫!


「炊飯器で炊くのは楽ですけど、折角ですから鍋で炊きましょう。厚手の鍋を使ってガスで炊くご飯、結構美味しいですよ。うちの店で出すご飯、普段は炊飯器を使用していますけど、良いお米が手に入った時とか時折大きな厚手の鍋で大量に炊いています。嵯峨さんもお店で何度か食べていますよ、御握りとかは特に食感がよくなるので」


 うちでよく出すお米、俺の田舎に住んでいる実家の農家を継いだって言う人やらご近所の農家の爺さん婆さん達が「今年の米は良いのが取れたから」とか言って、毎年大量に安く売ってくれる。そんな中でもとある農家では「炊き込みご飯にはこれ」とか、「炊飯器使うならばうちの米が良いよ」とか、何故か作成する調理別に言われたりする。
 きっと都会に出て行った若造が飯屋を営んでいる(本業はお茶屋だが)ので苦労しているのだろうと気遣ってくれているのだろう。多分。頼りないとかも思われていそうだけど。

 …田舎の皆、何だかんだ言って優しいんだよなぁ。
 もう少し色々と落ち着いたら里帰りしようかな。ご近所の爺ちゃんに婆ちゃん、学生時代の友人達、皆どうしているかな。

 今度電話ぐらいはしようかな。



 ※ ※ ※

 本当は土鍋でご飯を炊きたいけれど、新品の土鍋だと米のとぎ汁で目止めをしていないので代用で厚手の鍋にしております。
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