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112 全身筋肉痛な俺、再び
しおりを挟む「うぐぁ」
三日後からの、更に二日経過。
つまり、三日目からの二日目。
何が言いたいかって?それはこの言葉に尽きる。
盛り過ぎだろう~~~!!
更に、
「全身筋肉痛な俺、再び」
嫌すぎるので語尾に「爆誕」とは付けなかった。
言いそうにはなったけどね。
ベッドの中に居るのに腕を上げることさえも苦痛。
足?片足さえ動かすのも激痛が走ります、足の付け根なんてほっといても激痛状態。腕の指先や足の親指さえ攣りそうで動かすのが怖いし、動かしたくない。動かしたら動かしたで痛みで悶絶しそう。
更には俺の身体の中心地である腰やら大事な部分が激痛地帯、いや爆心地。動かしたく無いで御座る。振動するのも控えたい。
これはもう笑うしかない。
「憲真、絶倫過ぎない!?」
三日からの二日って、どれだけって精力絶倫なの!?
それに付き合っちゃった俺、現在身体がボロボロよ!もうこれ、今後の事を考えると体力付けないと拙くない?うっかりヒートが来ちゃったら同じようになってしまうのでは?よーし、今度から日課として毎日お散歩をしよう。買出しのついでにでも良いかも。
ランニングとかは日頃の運動不足を考えるとどうやっても続かないだろうし、続けるならお散歩だよね。ジムに通うのは金銭的な問題がどうしても気になってしまうし、時間に縛られそうで避けたい。お散歩ならお店を閉めた後、時間もあるし継続出来る。
た、多分。
…ちょっと自信ない。
「起きて早々の言葉が酷いのだけど」
「あ、居た」
ひょこっとベッドルームの扉を開いてから顔を出した憲真が、「ぶふーっ」って言って吹き出している。あ、驚いた後笑った。
ふにゃって柔らかく笑った顔、結構可愛い。好き。
うん、好き。何か良い。良いなぁ、全身が痛みを訴えているのを忘れ、その笑顔に釣られて微笑んでしまう。直後、激痛で一瞬全身が引き攣ったけど。
「えーとおはよう?」
「流石眞宮、疑問形なんだね」
流石って何さ。
突っ込みたいけど変なことを口走りそうで停止。
腰痛が激痛でこれ以上爆心地を増やしたくないので。
何せ現在、憲真があっまーぃ雰囲気醸し出していて、諸々と堪えられなくなりそうだし。
何が堪えられないって?それは人間の欲求の一つ、いや二つ。
ご想像してみて下さい。
現在の俺、生まれたてのすっぽんぽんでございます。
所謂全裸というもの。
言葉を下品な方向にすると、ふるチーンでございます。思わず伸ばしちゃったよ、チーン。
そんな俺がベッドの上で素肌に薄い掛け布団を掛けている状況。
欲求、服が着たいです。
せめてパンツ穿かせて下さい、風邪引きそう。
ヒート中は全く気にならなかったのだけど、収まった今は落ち着かないし、お尻がスースーしそう。そうして欲求その2、喉が渇いたしお腹が空いたよ。
「目が覚めたら外が暗いからなぁ」
朝じゃなくって夕方でも無くて、真っ暗。
起きた時も部屋の中が暗くて驚いた。即枕元の電気をつけたから部屋の中は明るくなったけど、代償として俺の腕やら何やらがスイッチを付けた途端激痛で沈没した。いやぁ、枕元に部屋の電気のリモコンがあって良かった。無かったら痛みを堪えて部屋の電気を付けに全裸で起き上がらなくてはならず、色々羞恥で死にそうになっていたと思う。
と言うか服、俺の服、このマンションに来る時に着ていた甚平はどこですか?
「もう夜の八時過ぎだよ、起きる?」
全身筋肉痛の痛みに陥っているので無理。起き上がっても即床にダイブ出来る妙な自信ある。下手すると顔面から床とkiss出来そう。出来たら床との濃厚なちゅーはしたくないけどね。
「眞宮ってば相変わらず口に出しているね」
筋肉痛のことを口に出していた件。しかも床とのちゅーまで。
出来たら憲真とのちゅーが希望だけど、それは口に出しません。
恥ずかしいからな!
「むぅ…マジで全身痛いんだよ」
「うん、御免」
それだけ憲真に愛されたっていうわけですが、初心者の俺の身体は色々ギブアップ。今も情けないことにプルプルしちゃう。今まで使ったことが無い筋肉をフル活動したから筋肉痛なのです!
え、筋肉あったのって?
お願いですからそれを言わないで、オネシャス!
「今日はもうしないから、安心して?」
それはそれでちょっと、ちょっとだけ残念。とは言え今手を出されたら、白目向いて腹上死しそう。性交中に突然死なんて嫌でござる。って、さっきから妙にござるとかオネシャスとか変な言葉を使っているなぁ。これって頭の中、混乱しているのではないだろうか。
何せ憲真がっ!
滅茶苦茶格好良い!
おっと、顔面に騙され…でもいいけど、そうじゃない。
今はそうじゃない。
「今日は?」
確認大事。とっても大事。
今日はとか今はとか言うということは、明日とか言いそうな気がするんですけど!
「眞宮」
ヤバい、疑ってしまう。
と言うか顔、現在の俺の顔、今鏡で見たら訝しんでいるキツイ眼差しだと思う。とは言え見るも無残な事後状態の全裸状態の俺で、数日酷使されたので目の下にくっきりとした隈が居座っている筈。
うう、顔洗いたい。
お風呂入りたい。
何より…何度も言っていると言うか考えている訳ですが、何か羽織るもの下さい。
せめて下着下さい。
ぱんつ~。
なんて思っていたら、急に真顔の憲真。
顔近いっ!
憲真の丹精な顔面偏差値高い顔が近い!
そんな状態で俺の顔をまじまじと見ないで!先にぱんつを履かせて!
* * *
パンツとか全裸とか、ござるとかの単語が乱舞している。。。
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