商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

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114 脱・裸族。

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 お弁当を食べて、身体がまだ本調子ではないからと食休み程度に軽く昼寝、いや夜間だから、うーん何と言えば良いのか。休憩?夜寝?それって普通に寝ただけのような。兎に角、軽く眠って体調を整えようと思って居たのだけど、気が付いたらちゅんちゅんと雀が鳴く朝でした。

 鴉が「ガーガー」と喚く朝では…現実は窓の外をチラリと見たらガァガァと啼く声が聞こえて来たのですがほら、まあ、幻聴です。

 現実逃避です。

 理想は雀がちゅんちゅん鳴くのが良いです。もしくは鳩がポーポー…。
 いや、まぁどうでも良いのですがね。

 さて、あれだけヒートで色々と連日激しく運動をしまくっていたら、少々の休憩のつもりでも身体は疲労が蓄積していたらしい。
 気が付いたら長時間の睡眠を必要としていたらしく、眩しい朝日がっ!

 で。
 今のこの状況。
 想像して下さい。

 ベッドの上で目を覚ましたらイケメンが、美丈夫がすぐ横で眠っている光景。
 あ、あかん。後光が!朝日が後光に見える!!
 エセ大阪弁だけど今の俺の発音は東北訛り。実家が東北の片田舎だからこんな時、うっかりでるのは似非関西弁でしかない。故郷から出て来て数年経過しているって言うのに。
 と言うか睫毛が長いっ!
 鼻筋が美しい。
 うわ~こんな格好良い人が俺の番。
 番っちゃったよ…項を噛んで欲しいと頼んでしまったし、うう、良いのかな。噛まれた項を指先で撫でて確認。ピリッとする痛みとザラザラとする噛み痕に、胸の奥から何かの感情が上がって来る。


「…嬉しい」


 胸がキュンキュンするんじゃ~っ!

 うん、よし。
 そっとシーツを捲って己の姿を確認。
 よしよし、今日は服を装備している!
 前日起きた時は何処の裸族?と言う姿を晒していたが、本日は現代人の姿だ。

 祝!脱・裸族。

 憲真から借りた寝間着姿だが、昨夜とは違いちゃんとパンツも装備している。
 勿論俺の下着だ。褌ではないぞ、極々普通の白パンだ。ブリーフではなく、トランクス。ぴちっとしたのが苦手だったからボクサーパンツは避けていたのだけど、憲真が穿いているのを見てからちょっと欲しくなった。憲真の黒のボクサーパンツ、格好良く見えたし、色気がこう、ムンムンっと。うん。
 あ、やば。

 朝から頭が沸騰しそうなので頭に浮かんだヒート中の記憶は全力で振り払う。
 うんうん、そうそう。違うことを考えようっ!
 そうだ、少し前の事柄を思い出せ。
 白パン店じゃなかった、あーえーと、今穿いている下着は俺の。
 そもそも憲真のサイズは………あれ、同じな気がする。身長違うけど。憲真細いから。

 これから沢山食わせて肥えさせよう、少なくとも標準サイズ程。
 目指せ、健康。目標は日本人の標準サイズ。
 よし、えっちい憲真の姿の妄想は頭から振り払えた。油断すると即妄想しそうだからさっさと行動に移ろう。


「っと、着替え…」


 何処に置いていたかな?
 来た時に着ていた甚平も洗濯した記憶が無いので出来れば洗いたいし、店の事も気になる。台所か玄関かな?と思い、昨夜まで筋肉痛で軋んでいたが現在は大分マシになった身体を動かしてベッドから降りようとしたらびくともしない。

 んん?

 がっしりと掴まれている、憲真に両腕で抱き込まれている状態の俺の腰。
 まぁね、そりゃね、いやに憲真が近いなぁって思ってはいたけど、これはちょっと…収まれ~俺の妄想!ぶり返すんじゃねぇ~!!

 よし、筋肉痛は収まって居るかな。
 ならば、振り切れ~!普段使っていない俺の筋肉よ、動くのだ~!昨夜までの筋肉痛なんて、まやかし。憲真の腕を振り切って抜け出すのだ~!


 まぁ。


 無理ですけどねーっ!
 細身の憲真相手とはいえ、力の無い貧弱Ωである俺がαの憲真の腕なんてぴくりとも動かすことなんて出来ませんでしたよ~!流石α!悔しい!でも好き!大好き!惚気だよ、コンチクショウ!!
 そうして俺が共に寝ているベッドの上でジタバタしていたら当然、憲真の目が覚めるわけで。

 憲真が起きる前にご飯作ってあげたかったのだけどなぁ。
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